復活と新生、今年はマッスル系が元気

令和に買いたい!【大型クルーザー|ディアベル、ロケット3、レブル500ほか】2019ニューモデル大集合

リラックスした乗車姿勢とロングホイールベースによる怒濤の直進安定性を誇り、悠々と旅ができる……のがクルーザーの定義だが、カタチは様々。中でも今年、勢いがあるのがマッスル系だ。人気のディアベルが初のビッグチェンジで第2世代に進化する。そして最大の目玉はロケットIII。世界最大の怪物が復活だ!

主流の重厚長大に対し、カジュアル化が進行中?

一口にクルーザーと言っても、タイプは大まかに3タイプある。まずマッスル系。ドラッグレーサー風の加速とスポーティさを堪能できるマシン群だ。シンボルだったVMAXが殿堂入りした一方、ライバルのディアベルが’19年モデルで初のビッグチェンジ。兄弟車のXディアベルともども輝きを増している。

’19最新潮流
・ロケットIIIほか、マッスル系に魅力作
・レブル、GLと軽量小型化が進行中?

最大の注目株はロケットIIIだ。2294ccを誇るモンスターだったが、’08で国内販売が終了。欧州で生産は続いたが、排ガス規制に対応せず昨年絶版となった。これの復活がつい最近発表され、なんと排気量は2458ccというから驚き!

続いてアメリカン系。ロング&ローフォルムに長いフロントフォークを備え、本家のハーレーを筆頭に層が厚い。最近充実してきたのがボルトやストリート750らのカジュアル路線。昨年はより手軽なレブル500も加わった。

最後はハーレーのウルトラ系に代表される豪華巨艦路線。大型カウルやケースを備え、大陸横断もこなす。同路線では昨年、軽快さを増した新型ゴールドウイングが評判だ。ヘビー級がひしめく大型クルーザーだが、体力がキツイ中高年ライダーは先進国で年々増加中。この路線もダイエットが進む?

トライアンフ ロケットIII TFC:2458cc、常識破壊の怪物が帰ってくる

世界最大の2458cc並列3気筒、最大トルク22.5kg-m、車重370kg……過激なスペックで、乗る者と見る者を驚愕させ続けたロケットIIIが復活。プレミアムなカスタム車を限定発売するTFC(トライアンフファクトリーカスタム)の1台として販売される。排気量は458ccに拡大され、車体は完全新設計で新たに片持ちスイングアームを採用。フロントは従来同様、倒立フォークだが、キャリパーをブレンボのラジアルマウントに変更した。製品版は750台限定。5月1日に正式発表され、価格などの詳細が明らかにされている。

【TRIUMPH ROCKET III TFC 2020】主要諸元■水冷4スト直列3気筒 DOHC4バルブ 2458cc 170ps以上 22.5kg-m以上 車重未発表 シート高773mm ●価格:325万円 ●発売時期:2019年冬頃
シンボルの丸目2灯は踏襲するが、LEDに。タンクなど外装類も新デザインで、カーボンを多用するほか、ショートテールなど最新スタイルも投入した。メーターはスクランブラー1200と同タイプのフルカラー液晶だ。
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ドゥカティ Xディアベル/S:日常域の快楽を追求、スポーツもOK

ドゥカティが「ロースピード」のジャンルに切り込んだ一作。可変バルブを採用した1262ccのLツインは、低回転のトルクが豊かで、わずか5000rpmで最大トルクを発揮。同社初のベルトドライブで加速感も滑らかだ。アップハンとフォワードステップによるライポジはリラックスしているが、最大バンク角40度と同社らしいスポーティさは健在。’19欧州仕様に新色の艶消しグレーが登場した。

【DUCATI XDIAVEL S 2019】主要諸元■水冷4ストL型2気筒 1262cc 152ps 12.8kg-m 247kg 18L シート高755mm ●価格:276万円~[STD=235万9000円]
フルカラー液晶と分離型の警告灯を採用。ブレンボなどを奢るSは、スマホとの連動機能も備える。

ドゥカティ ディアベル1260/S:パワークルーザーからビッグネイキッドへ回帰

’11年のデビュー以来、安楽なポジションでSBKシリーズ由来のLツインが放つ強烈加速を満喫できるとあって人気のディアベル。’19では第2世代に進化し、Xディアベル譲りの心臓により1198.4→1262ccに排気量アップ。可変バルブのDVT、IMU連動のコーナリングABSも獲得した。シャーシも新設計で、よりシンプルな鋼管トレリスフレームを採用。Sは前後オーリンズや専用ホイールを備える上級版だ。分類ではクルーザーとしているが、新型はビッグネイキッドといったほうがよさそう(関連リンク参照)。

【DUCATI DIAVEL 1260 2019】主要諸元■水冷4ストL型2気筒 1262cc 161.2ps 13.1kg-m 244kg 17L シート高780mm ●価格:228万5000円[S=268万円]
ラジエターの縦長ウインカーがユニーク。さらにSは逆U字デイライトでより個性的だ。灯火類は全てLED。
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ヤマハ ボルト/Rスペック:モダンなデザインと軽やかな走りが光る

シンプルなボバースタイルをセンスよくまとめた1台。空冷60度Vツインは鼓動感と中速域のパワフルさが特徴。ややコンパクトな車体と相まって走りは軽快だ。Rスペックはリザーバータンク別体式リヤサスや切削キャストホイールで質感を高めた。’19北米仕様では、タンク上面にのみロゴを配した黒がSTDに登場。RにはXSRと同様、艶消し銀×赤ストライプを設定した。

【YAMAHA BOLT R Spec 2019】主要諸元■空冷4ストV型2気筒 941cc 54ps 8.2kg-m 252kg 18L シート高690mm ●価格:100万6560円
[BOLT]●価格:96万1200円

ハーレーダビッドソン ストリート750/ストリートロッド:水冷ユニットを積む軽量コンパクトな新世代

749ccのコンパクトな水冷45度Vツイン=レボリューションXを搭載したストリートモデル。軽い車体とF17&R15インチの足まわりで気負わずに操れる。重厚なハーレーのイメージを覆し、お手頃なプライスも話題になった。ストリートロッドは、高圧縮によりトルクが8%(0.6kg-m)アップ。φ43㎜倒立フォークやWディスク、ピギーバック式リヤサスでスポーティさを高めた。’19年モデルは2車とも車体色とグラフィックを実施。STDが茶色などを追加して7→8色に。ストリートロッドは5色のうち3色を入れ替えている。

【HARLEY-DAVIDSON STREET 750 2019】主要諸元■水冷4ストV型2気筒 749cc 最大出力未発表 6.0kg-m 233kg 13.1L シート高720mm ●価格:86万4000円~
[STREET ROD]●価格:101万3000円~
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ハーレーダビットソン×GraphersRock『SEEK for FREEDOM』

カワサキ バルカンS:コンパクトで扱いやすい優美なアーバンランナー

クルーザーらしいフォルムに、全身を曲面や流線形で構成した個性派モデルがバルカンSだ。旧ニンジャ650譲りのコンパクトな並列2気筒と旧ER-6系の特徴的なパイプフレームを全面改良し、’16で投入された。車体はライバルより軽い229kgで、低重心設計も採用。抜群に扱いやすく、ストリートのクルージングはもちろん、峠道でも機敏に走れる。’19では車体色を一新。ブラックとブルーの2色を設定した。

【KAWASAKI VULCAN S 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 649cc 61ps 6.4kg-m 229kg 14L シート高705mm ●価格:83万1600円~
アナログタコと液晶のユニークな上下2段式メーター。ギヤポジションも表示する。なお排ガス規制は’17で対応済みだ。

ホンダ レブル500:ミニマム&無骨が味わいのお気軽ミドルボバ―

’17年、久々に登場した国産クルーザーで、往年の人気車「レブル」を襲名。ボバ―スタイルにくびれを強調した斬新なデザインを融合する。フレームが300/250cc版と共通なのも斬新だ。心臓部はCBR500R系パラツインをベースに、鼓動感とトルクを強調。カスタムのしやすさも美点だ。’19ではフレーム色を艶消し黒に変更。車体色は赤を廃止し、黒を追加。従来色の艶消し銀は継続となる。

【HONDA REBEL 500 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 471cc 46ps 4.4kg-m 190kg 11L シート高690mm ●価格:78万5160円
丸1眼の反転液晶に、速度計や燃料計、ツイントリップ、時計などを配した。φ100mmと大きいサイズのため、視認性は良好。
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2017年4月のデビュー以来、順調に販売台数を伸ばし、2018年はスクーターのPCX150を押さえて軽二輪クラスで堂々のトップに躍進したホンダ・レブル250が2019年モデルで初のカラー変更を実施。国[…]

ホンダ レブル250 [2019]