最上級モデルのテクノロジーを投入

【基本性能を底上げしつつ機能満載の新世代】アライヘルメット VZ-ラムの試用インプレッション

高速走行で整流効果を発揮する中央のスタビライザーは、7Xと違い、固定式。形状や角度を新設計しており、首への負担を軽減する。後部下方にも排気ダクト×2を備える。

スポーティジェットの代表格=SZ-RAM4の後継として登場したのがVZ-RAMだ。帽体は最高峰のRX-7Xと同様の樹脂によって軽量化を追求。エアダクトも7X譲りの最新タイプで、各部とも3段階の調整が可能だ。シールドは曲面をゆるやかにし、ひずみの少ない設計としている。

全方位的に快適度アップバイザーはやはり便利だ

30年にわたってリリースされ続けている、アライ自慢のSZシリーズが刷新。VZ-RAMとして生まれ変わった。最大のポイントは、ジェットで初採用となる「VASシステム」。これは、フルフェイスのRX-7Xらに導入されている2軸式のシールドで、衝撃を受けやすい帽体上部の保護スペースを広く取り、滑ってかわす安全性能を一層高められる。加えて、同社ジェットで初めて外付けバイザーのプロシェードシステムを装着でき、CT-Zに続いて曇り止めのピンロックシートに対応するのもトピックだ(ともにオプション)。

【Arai VZ-RAM】●価格:4万9680 円(単色)/5万8320 円(グラフィック) ●サイズ:54/55-56/57-58/59-60/61-62 ●規格:スネル/ JIS

実際に被ると、ホールド感が秀逸。従来のSZ-RAM4からパッドの面積や構造を変更しており、被り比べると、頭頂から後頭部にかけてのフィット感が増している。一段と包み込むような安心感だ。また、新設計の帽体は軽量化も促進され、より軽快な印象だ。

周囲の音や風切り音はそれなりに聞こえるとはいえ、ジェットとしては静かな部類。100km/h時は、走行風が口元から頬へと流れていくので、高速走行も苦にならない。直進時に帽体の浮き上がりやブレもなく、高速道路に乗る機会が多い人にオススメだ。

最高峰のRX-7Xと同じエアダクトを採用し、換気性能も十分。頭頂部に走行風を直接感じるタイプではないものの、走り出せば、気温26度でもムレは皆無だった。さらに、プロシェードシステムを使えば通勤やツーリングの快適度がより高まるので、ぜひ装着を推奨したい。使い勝手を増したSZ-RAMはまさに新世代のジェットだ。

スピーカーがシッカリ収まる

イヤーホールには、段差を解消してスピーカー装着を容易にするVZスピーカーベースを採用。内装の一部を切り取り、メガネ着用を快適化するメガネスリットも設定。

ロック機構を可視化

従来、シールドのロック機構はベースの内側に位置し見えなかったが、本作では外側に配置。一段と固定と解除がしやすくなった。

ジェット初のプロシェード対応、ピンロックもOK

従来のシールドにプロシェードを装着した場合、オープン時に位置が高く、風の影響が大きい。またピンロックは窓ゴムに干渉してしまう。これらの問題をVAS シールドで解決したのだ。

Point:「VASシールド」で安全性アップ!

偏芯構造のVAS-Z シールドにより、本来は開閉できない下部にシールドを設置可能。SZ-RAM4 比でベース位置を24mm下方とし、帽体側頭部をより滑らかフォルムとしている。
SZ-RAM4まではややコツが必要だったが、VZ-RAMはワンタッチでシールドが着脱可能になっている。

バリエーション・ラインナップ

ソリッドカラーは6色展開。●価格:4万9680円
グラフィックモデルは11色展開。●価格:5万8320円
プロシェードシステムを標準搭載したVZ-RAM PLUS(VZ-ラム プラス)は全3色。●価格:5万2920円

カーボン製の「VZ-RAM SRC」も

最新のカーボンファイバーを使用したスペシャル仕様もラインナップ。独自のRC 帽体技術も進化し、ナノレベルのカーボン粒子と特殊樹脂で剛性&軽さが向上している。●価格:25万9200円

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