国産基準調和は次なるステージへ

デイライトの解禁近づく?

※写真は国の法規制によって設定が変わるライト光の違いを表現したCGです。

外国車の写真と、国内に入荷された実物を見比べて、「顔の印象が違う!」と思ったことはないだろうか? あるとすれば、それは昼間走行灯=DRLの有無かも知れない。国内で今だ解禁されていないDRL。現在、法改正に向けて動きが進められている。

日中でも視認性バツグン! 日本仕様にも先進の光を!!

排ガスや騒音をはじめ、欧州と国内における様々な保安基準が続々共通化されている。そんな中、今だ日本で解禁されていないのが、昼間走行灯=DRL(デイタイムランニングランプ)だ。

日中の被視認性を高める専用ライトを指し、欧州では’112月から義務化。バイクもクルマも顔のデザインを大きく左右し、眉毛状やリングなどの印象的な輝きで個性を主張できる。今までDRLを採用した外国車は、国内では減光調整し、ポジションランプとして扱われてきたが、昨年10月、法改正により国内で4輪のみ合法に。2輪は認可されていないのが現状だ。

写真はドゥカティのスーパースポーツ/Sで、左が欧州試乗会での写真。右は国内での試乗写真でDRLが減光されヘッドライトが点灯している。DRLの方がデザイン的なインパクトが大きい。
写真はドゥカティのスクランブラーSixty2。スクランブラーのアイコンであるリング状のDRLも国内仕様ではその存在が分かりにくい。

欧州でバイクは、DRL導入時に常時点灯が義務付けられたが、DRLか前照灯のどちらかが光っていればOK。また、切り替えも可能だ。日本では承知の通りバイクに’98年から「常時ヘッドライトON」が義務化。既にDRLの役割を果たしており、近年登場したDRLの存在が宙に浮いている。

また、DRLとロービームの切り替え式にしたとして、夜にヘッドライトの点灯を忘れるといった事態が国内では懸念されている模様だ。

そこで「日本での2輪用DRL認可」に向けて、海外メーカーらが中心となって自動車基準調和世界フォーラムに働きかけを続けている。4輪では、周囲の明るさに応じて自動的にロービームがオンオフされるオートライトを条件にDRLが国内認可された経緯がある。同様に「バイクもオートライトならDRLが合法というように提案している」(情報筋)という。

オートライトなら夜間にヘッドライトを点灯し忘れることもなく、「お上」も文句は言えないはず。その分、車両価格は若干アップするだろうが……。先進国でDRLを認めていないのは日本ぐらいのもの。近い将来、国内でもギラッとした顔が見られる日が来るだろう。

8月19日に新宿で開催されたバイクの日のイベントで、日本自動車工業会の二輪車特別委員会が会見。国際基準調和の取り組みについての報告の中で、UN規則53(二輪車の灯火器取付け)を2018年予定とした。これはDRLのことを指している。
他にも、クルマで認められ、バイクで認可されていないものとして「ミラーレス」が挙げられる。バックミラーの替わりに、後方の様子をメーター周辺のモニターに映し出すシステムだ。こちらもデザインを大きく変える機構なので、導入に期待したい。写真は’03年の東京モーターショーに出展されたホンダのグリフォン(コンセプト車)。