
Q.念願の新車を購入しました。中古車に乗っていたので、コレで何も心配せずに乗れると喜んでいたら、エンジンのオイルやタイヤの空気圧とか、ツーリングへ出発する前に必ずチェックするよう言われました。新しいから手間要らずにはならないのですか?
●記事提供: ライドハイ編集部
走れば減るオイルや空気圧、だから必ずチェック!?
A.クルマなど生活道具は、使いっぱなしでも壊れないようにできている製品がほとんどですよね。でも趣味の道具となると、手間要らずより面白さや醍醐味を優先するデリケートなつくり。新しいときのほうがオイルは減りが早いこともあります。
最新のスポーツバイクは、たとえ高性能で精密なハイメカニズム設計でも充分に耐久性があり、そう滅多なことでは壊れません。しかし、それゆえに新車時のオイル消費が多くなったりします。
まだ運転をまったくしていない状態のシリンダーとピストンは、クリアランス(お互いの隙間)が全面的に均一ではありません。往復運動を繰り返すうちに、熱歪みでアタリの強い箇所がやや摩耗してから、圧力が抜けないバランスの良い状態になっていきます。
それは他の各部でも同様。運転するに従い徐々に馴染んでいき、シリンダーや燃焼室だけではなく、圧力の均衡がとれてスムーズになっていきます。それまではエンジンオイルも引きずられるように燃焼室やブローバイで吸気へ吸われ、少なからず消費されます。
馴らし運転が終わると、オイル消費も少なくなり、滅多には減りません。ということで、馴らし運転は大事なのですが、大事にしようと負荷をかけずにそろそろと加速したり過保護でいると、いつまでも馴染まないだけでなく、偏摩耗のような状態へ陥る可能性もあります。
そうなるとオイル消費も多いままになりがちです。 ある程度の負荷をかけたほうが、摺動面にスムーズなアタリがつきやすいので、腫れ物にさわるような扱いは却ってよくないと思ってください。
ということなので、まだ2ヶ月も経っていないからといって、エンジンオイルの点検窓をまったく見ないのはリスキーでもあるのをお忘れなく。
タイヤのゴムは空気を通す
これは新車時だけではありませんが、タイヤも1~2ヶ月放置すると空気圧が自然に抜けてしまうので、ツーリングへ出かける前は必ずチェックが必要です。 なぜならチューブにしろ、チューブレスの内側に貼られているインナーライナーの膜にせよ、完全密閉にはできないからです。
ガレージにエアゲージとポンプを常備しておけば、走り出して空気圧チェックのためにGASステーションを捜すこともなくなります。
またチューブレスだと、釘が刺さっていてもインナーライナーのフィルムで包み込むようにシールされ、すぐには空気圧が下がらずそれと気づきません。空気圧が低かったらポンプで空気圧を高めたとき、トレッドへ耳を当てると僅かに漏れていても抜ける音が聞こえるので、出先で大きく抜けてしまい走れなくなってしまわないように、忘れずにチェックしておきましょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ライドハイ)
カワサキZ1の次は2st.750スクエア4だったが頓挫 1969年に2ストローク3気筒500ccのマッハIIIで、とてつもないジャジャ馬ぶりの高性能で世界を驚かせたカワサキ。 そして1971年には同じ[…]
250A1、350A7に続く最速チャレンジャー真打ち登場!! 1966年に250ccA1サムライで、先行していたホンダCB72、ヤマハYDS3、スズキT20の性能を上回り、次いでボアアップした338c[…]
半クラッチは熱膨張で繋がる位置が変わる! ほんとんどのバイクは、エンジンのシリンダーよりちょっと後ろに丸い膨らみがある。これがクラッチ。 丸い膨らみの中には、エンジンのパワーを発生するクランクシャフト[…]
アルミだらけで個性が薄くなったスーパースポーツに、スチールパイプの逞しい懐かしさを耐久レーサーに重ねる…… ン? GSX-Rに1200? それにSSって?……濃いスズキファンなら知っているGS1200[…]
トレッドのグルーブ(溝)は、ウエットでタイヤと接地面の間の水幕を防ぐだけでなく、ドライでも路面追従性で柔軟性を高める大きな役割が! タイヤのトレッドにあるグルーブと呼ばれる溝は、雨が降ったウエット路面[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
A:どちらも不具合。後ろはアフター、バックは戻ると覚えるべし 未燃焼ガスがシリンダー外で燃えるという意味では、どちらも同じ”不調”を表している。アフターファイアーはマフラー側に流れた未燃焼ガスが引火す[…]
交換するだけで愛車がスポーツバイクにもツーリングバイクにもなる タイヤは、すごい。バイクのパーツで唯一路面に接しており、その接地面積は、たったクレジットカード1枚分と言われる。たったこれだけでバイクを[…]
半クラッチは熱膨張で繋がる位置が変わる! ほんとんどのバイクは、エンジンのシリンダーよりちょっと後ろに丸い膨らみがある。これがクラッチ。 丸い膨らみの中には、エンジンのパワーを発生するクランクシャフト[…]
トレッドのグルーブ(溝)は、ウエットでタイヤと接地面の間の水幕を防ぐだけでなく、ドライでも路面追従性で柔軟性を高める大きな役割が! タイヤのトレッドにあるグルーブと呼ばれる溝は、雨が降ったウエット路面[…]
ハンドルで前輪を押えると曲がる機能を妨げてしまう! よくいわれるのが、肩や腕にチカラが入っていると曲がりにくくなるということ。 とはいえ、チカラが抜けていたほうが理想的かも知れないけれど、いうほど違い[…]
人気記事ランキング(全体)
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
その姿、まるでGB400TT MkIIの正統後継者! 欧州ホンダは、2025年も例年通りカスタムコンテスを開催。これは正規ディーラーがホンダ車をベースにカスタムを手がけ、オンライン投票で最優秀マシンを[…]
実は”ホンダエンジン”時代からの愛車だった マンセルがF1のパドックで乗っていたのは、ホンダのダックス70(CT70)でした。1988年モデルとも、1987モデルとも言われていますが、いずれにしろ当時[…]
フェイスリフトと前後サスペンションの再設定 ホンダが「XL750トランザルプ」の国内2025年モデルを発売する。CB750ホーネットに似た2眼ヘッドライトを新たに採用し、センターダクトを設けたウインド[…]
2ストレプリカの原点にして、TZRへの橋渡し役だったRZシリーズ 最後の2ストロードスポーツを作るという情熱が込められ、1980年に登場したRZ250。同車が「最後」と言われたのは、環境問題も絡めて今[…]
最新の投稿記事(全体)
『エンジンの振動・騒音低減技術 二輪・四輪・汎用』(グランプリ出版) 内燃機関を搭載するモビリティで、快適性や信頼性に大きな影響を与えるのが振動と騒音。その対策技術を二輪/四輪、そして汎用分野に至るま[…]
「KB4RC」「KB998 Rimini」の2機種を展示(予定) 株式会社カワサキモータースジャパンは、イタリアの⾼級ハンドメイドモーターサイクルブランド ・bimota(ビモータ)の⽇本総輸⼊元とし[…]
レジャーバイク人気の主役となった初代ダックスホンダ(1969年~) 国産レジャーバイクの元祖と言えば、ホンダが多摩テックで子供向け遊技用に用意したモンキーバイクZ100、それに続く市販車のモンキーZ5[…]
CBR650R&CB650Rをもっと楽しく、ジェントルに! マフラーカスタムは出力特性を向上させるもの。そんなイメージを抱いている方はとても多いと思います。しかし、近年のバイクはノーマルでも十分パワフ[…]
A:どちらも不具合。後ろはアフター、バックは戻ると覚えるべし 未燃焼ガスがシリンダー外で燃えるという意味では、どちらも同じ”不調”を表している。アフターファイアーはマフラー側に流れた未燃焼ガスが引火す[…]
- 1
- 2