![[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_01.jpg)
ライダーの意思を確実に伝えるワイヤー類は、メンテナンス次第で操作性が向上し寿命も延びる。性能低下が分かりにくいためついつい先延ばしにしているうちに、ある日突然「ブツッ!」と切れないよう、定期的に洗浄とグリースアップを行い、コンディションの維持を心がけよう。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:ワイズギア
定期的なグリースアップで操作性を向上しよう!
最高出力が200馬力近い1000ccクラスのスーパースポーツモデルであっても、クラッチレバー操作力が拍子抜けするほど軽いのが最新のバイクの特長だ。アシスト&スリッパークラッチといったデバイスの効能もあるだろうが、レバーを握る力が小さければ疲労は少なく、デリケートな操作も可能になる。
クラッチの圧着力をクラッチスプリングの張力に頼る従来モデルの場合、操作力の軽さは現行車にかなわないかもしれない。だが動きの滑らかさなら日常的なメンテナンスによって維持できる。現在普及している一般的なワイヤーは、テフロンチューブとステンレスワイヤーの組み合わせで、摺動時のフリクションロスを軽減している。そこに適切な潤滑ケミカルを与えることで、さらなるフリクションロスの軽減と、ワイヤーの長寿命化を両立できる。
今回使用したヤマルーブのワイヤーグリースは、潤滑成分の中にフッ素樹脂の微粉末が配合されている。フッ素樹脂はそれ自体の摩擦係数がとても低く滑りが良いのが特長で、テフロンチューブとワイヤーの当たりが強くなる屈曲部の抵抗軽減に効果を発揮する。グリースの粘度が高すぎると抵抗になり、低すぎると流れ落ちやすくなるので、ワイヤー潤滑専用の粘度に調整されている。
その潤滑効果を引き出すには、グリースがワイヤーの内側にくまなく行き渡るよう、汚れたグリースをブレーキ&オイルクリーナーで事前に洗浄することも重要だ。念入りに作業すれば手間と時間はかかるが、操作性向上に効果のあるグリースアップは忘れずに行いたいメンテナンス項目である。
フッ素樹脂微粉末配合で潤滑性と耐久性を向上
どんなスプレーオイルでも一定の潤滑性は期待できるが、ヤマルーブのワイヤーグリースはワイヤーの潤滑に特化している。泥水をかぶることもあるモトクロスや、クラッチ操作がシビアなトライアルなどの悪条件下でも、潤滑性と減摩効果が持続するよう開発されている。
ワイヤーグリースの潤滑性能を引き出すには、長くて狭いワイヤー内部に詰まった汚れた油分をヘキサンやエタノールで溶解し、エアゾールのガス圧で押し出すことが重要。アウターとインナーワイヤーの隙間に金属ノズルが入らない場合は、ケーブルインジェクターを併用する。
【ヤマルーブ180ワイヤーグリース/スーパーワイヤーグリース/スーパーブレーキ&オイルクリーナー】●価格:1485円(180ml)/2310円(500ml)/2200円(840ml)
クリーナーとグリースの使用前にレリーズアーム側の準備が重要
クラッチホルダーからクラッチケーブルを外す際は、ロックナットを緩めてアジャスティングボルトをホルダーにねじ込み、スリット部分を一直線に合わせる。
アウターワイヤーを引きながらクラッチレバーを握りゆっくり離していくと、アジャスティングボルトをねじ込んで遊びが増えた分、ケーブル自体がボルトから浮き上がるので、スリット部分から引き抜く。
クラッチレバーからワイヤーのタイコを外して、アウターワイヤー先端にケーブルインジェクターを取り付ける。インジェクターはゴムガイド内径がアウター金具外径とマッチしたものを使用する。
ケーブルインジェクターにスーパーブレーキ&オイルクリーナーをセットしてスプレーする。インジェクターからクリーナーが逆流する時はゴムガイドの取り付け状態を確認して再度スプレーしてみよう。
クリーナーやグリースはケーブルの反対側から流れ出るまでスプレーする。その際にレリーズアーム周辺が汚れないよう、事前にケーブルを取り外してドレン経路を作っておく。
ワイヤー内部にクリーナーが残ったままグリースを注入しても、定着しにくく洗い流されてしまうので、洗浄が終了したらエアブローガンで押し出す。汚れがドバッと出たら再度洗浄しよう。
ワイヤーグリースを注入する際に、ある程度インジェクター側に逆流するのは仕方がない。そこでケーブルの反対側に「シューッ」と空気が流れてくる音がするかどうか、耳をそばだてて確認する。
ケーブルの反対側からスプレーガスの音が聞こえれば、やがてワイヤーグリースが流れ出してくる。音がしない場合、ケーブルインジェクターの取り付け方やノズルの差し込み方を変更してみる。
ケーブルを復元する前に、クラッチレバー/レバーホルダー/レバーピボットボルトを洗浄してグリースアップしておく。レバー可動部はリチウム系やウレア系グリースを厚塗りしすぎないように塗布する。
グリースが行き渡ることで、レバー操作が軽くなりワイヤーの動きは滑らかになっているはず。その状態を覚えておいて、ザラついたフリクションを感じるようになったらメンテナンスを行おう。
グリースアップのついでにケーブルレイアウトも再確認しよう
オフ車でコースを走行すれば、砂まみれ泥まみれになるのが当たり前。日頃から洗車していても、スロットルホルダーの内側には砂が入り込んでいる。これがワイヤーのザラつきの原因になるのだ。
スロットルケーブルはクラッチのようにアジャスターを緩めれば簡単に取り外せる構造ではないが、徹底洗浄するにはスロットルドラム側のアジャストナットをダルダルに緩めて取り外す。
スロットルケーブルもクラッチケーブルも、通し方で作動性が変わる場合がある。ハンドルを左右に切った時に違和感が出るといった時には、サービスマニュアルの図で確認してみよう。
スロットルケーブルは端部にケーブルインジェクターが取り付けできない形状だったため、漏斗状にしたビニール袋を巻き付けてブレーキ&オイルクリーナーをスプレーした。臨機応変に対処しよう。
クリーナーのガス圧でゴミや汚れが押し出された。インナーワイヤーの一部に光沢がある場合、ケーブルガイドの端部と擦れている可能性があるので、切断の原因となるほつれがないかチェックする。
ワイヤーグリースを注入する際もビニール袋を利用する。クリーナーより粘度が高いので、ワイヤー内部に行き渡るのにある程度の時間を要するが、反対側から出たことを確認してから復元する。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
絶版車のコンディション維持に欠かせない純正部品同等の品質と性能を持つ「規格部品」 毎年のようにモデルチェンジを行うことでパーツ点数が膨大になったのがバイクブーム、レーサーレプリカブーム時代の純正部品事[…]
新車こそ走行開始直後のエンジンオイルが汚れやすい 時代は巡りに巡って流行は変わるものだ。その傾向は、商品デザインの世界でも同様で、昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わり、現在では、懐かしの昭和レ[…]
電気系統トラブルに有効なヒーロー電機の製品 バイクの電装系の中で意外にトラブルが多いのがウインカー関連だ。電球切れはもとより、スイッチ接点のサビやウインカーリレーの故障もあり得る。昨日まで何ともなかっ[…]
高回転高負荷に耐える強力な油膜を形成 オイル交換自体は難しい内容ではないが、以前整備したのがいつなのかわからない放置車や友人からの預かり車両、購入したばかりで初めてオイルドレンボルトを外す際は、いろい[…]
ボルトやナットが落ちないナットグリップ機能も魅力 ソケット外周のスプリングとスチールボールを組み合わせた、コーケンならではのナットグリップソケットと、六面式ボールジョイント機構を組み合わせたソケット。[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
絶版車のコンディション維持に欠かせない純正部品同等の品質と性能を持つ「規格部品」 毎年のようにモデルチェンジを行うことでパーツ点数が膨大になったのがバイクブーム、レーサーレプリカブーム時代の純正部品事[…]
自作ラスペネが固着を無双した 結論から言ってしまおう。「自作ラスペネ」効果、ありました! ・潤滑剤が届かない形状・鉄とアルミの強固な固着・無理に回すと折れそうなボルト そんな悪条件が重なったなかでも、[…]
新車こそ走行開始直後のエンジンオイルが汚れやすい 時代は巡りに巡って流行は変わるものだ。その傾向は、商品デザインの世界でも同様で、昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わり、現在では、懐かしの昭和レ[…]
天ぷら油でも走るオートバイ伝説 本田宗一郎が作った世界一売れたバイク「スーパーカブ」。そのスーパーカブの都市伝説のひとつに「エンジンオイルの代わりに天ぷら油を入れても走る」というのがあります。一度は聞[…]
電気系統トラブルに有効なヒーロー電機の製品 バイクの電装系の中で意外にトラブルが多いのがウインカー関連だ。電球切れはもとより、スイッチ接点のサビやウインカーリレーの故障もあり得る。昨日まで何ともなかっ[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
自作ラスペネが固着を無双した 結論から言ってしまおう。「自作ラスペネ」効果、ありました! ・潤滑剤が届かない形状・鉄とアルミの強固な固着・無理に回すと折れそうなボルト そんな悪条件が重なったなかでも、[…]
新車こそ走行開始直後のエンジンオイルが汚れやすい 時代は巡りに巡って流行は変わるものだ。その傾向は、商品デザインの世界でも同様で、昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わり、現在では、懐かしの昭和レ[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! カーワックスやボディシャンプーをはじめ、幅広いカー&バイクケアアイテムを展開してきた老舗ブランド「シュアラスター」。美しい仕上がりを実現するケミカルで知られる同社[…]
高回転高負荷に耐える強力な油膜を形成 オイル交換自体は難しい内容ではないが、以前整備したのがいつなのかわからない放置車や友人からの預かり車両、購入したばかりで初めてオイルドレンボルトを外す際は、いろい[…]
Screenshot シュアラスターから洗車好きライダーに向けて新たな商品が発売されました。 ワックスやコーティングの塗りのばし作業効率&施工技術が格段にアップするアプリケーター「ワックスパッド」と拭[…]
人気記事ランキング(全体)
窮屈さとは無縁。余裕のフルサイズボディがもたらす優越感 125ccのバイクというと、小柄でコンパクトな車体を想像するかもしれない。しかし、SX 125は違う。全長2050mm、ホイールベース1430m[…]
普通の移動手段では満たされないあなたへ 通勤や週末のちょっとした移動。便利さばかりを追い求めた結果、街には同じようなプラスチックボディのスクーターが溢れ返っている。「もっと自分らしく、乗ること自体に興[…]
レース出場を目的とした特別なモデル「メルセデスベンツSSK」 SSK、すなわちドイツ語:のSupersport Kurzの略でスーパースポーツよりもホイールベースが短いことを表しています。1928年か[…]
原付二種スポーツの絶対的エース、さらなる進化へ 個性を解き放つ3つの新色が2026年モデルを彩る 前モデル(2024年)では、パールホライゾンホワイトとマットガンパウダーブラックメタリックという、モノ[…]
自作ラスペネが固着を無双した 結論から言ってしまおう。「自作ラスペネ」効果、ありました! ・潤滑剤が届かない形状・鉄とアルミの強固な固着・無理に回すと折れそうなボルト そんな悪条件が重なったなかでも、[…]
最新の投稿記事(全体)
チェーンメンテナンスから解放される悦び。ヒョースン「GV250X Roadster」 ヒョースンから2026年6月に上陸予定の「GV250X Roadster」は、チェーンメンテナンスから解放してくれ[…]
LMW機構がもたらした「圧倒的な安心感」 バイクの宿命とも言える「転倒のリスク」。その不安を根底から覆したのが、ヤマハが誇るLMW(リーニング・マルチ・ホイール)テクノロジーだ。2014年に第1弾とし[…]
バイクに惹かれた「あの日の衝動」をもう一度 「なぜ、バイクに乗るのか」。効率や快適さだけを考えればクルマという選択肢がある中で、あえて風を切り、剥き出しの鉄の馬に跨る理由。それは理屈ではなく、かつて何[…]
北海道・九州ツーリングの「大定番」が進化する 自走で何百キロも走り続け、疲労困憊で目的地に辿り着く。そんな過酷なツーリングもまたロマンだが、北海道や九州を目指す多くのライダーにとっては、商船三井さんふ[…]
自由な旅を加速させる、CLシリーズの魅力 ホンダのCL250やCL500は、街乗りからちょっとした未舗装路まで、ライダーの冒険心をくすぐるスクランブラースタイルが魅力のモデルだ。大人気モデルであるレブ[…]
- 1
- 2


![ワイズギア|ヤマルーブスーパーワイヤーグリース|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/02/YsGear_WireGrease_02a-768x384.jpg)


![ワイズギア|ヤマルーブ|クラッチケーブルを外す|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_04b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ケーブルを引き抜く|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_05b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ケーブルインジェクターの取り付け|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_06b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|スプレーする|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_07b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ドレン経路を作成|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/02/YsGear_WireGrease_08b-768x557.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|エアブローガン|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_09b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ワイヤーグリースを注入|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_10b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ワイヤーグリースが流れ出る|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_11b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|グリースアップ|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_12b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|レバー操作|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_13b-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|スロットルホルダー|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_14c-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|スロットルケーブル|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_15c-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|サービスマニュアル|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/02/YsGear_WireGrease_16c-768x576.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ブレーキ&オイルクリーナーをスプレー|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_17c-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ほつれがないかチェック|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_18c-768x512.jpg)
![ワイズギア|ヤマルーブ|ワイヤーグリースを注入|[ワイヤーケーブルの動きが重い/ざらつく] ワイヤーグリースを使ってメンテナンスしてみた](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/YsGear_WireGrease_19c-768x512.jpg)






























