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ガレージで眠る1960〜1980年代のレーサーでサーキット走行を楽しもうという趣旨でスタートした『AstRide(アストライド)』。当初の目論見を上回る参加者を集める人気イベントに成長し、シングルやツインでエントリーするライダーが目立って増えてきた。その盛り上がりに応えて新たに企画されたのが、『AstRide B.O.S.T〜Battle of Single & Twin in Suzuka Twin circuit〜』である。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:オーヴァーレーシングプロジェクツ アストライド
2000年以前に生産されたシングル&ツインにフォーカス。往年のBOTT参戦マシンも鈴鹿ツインに集合した!!
1980〜90年代にかけて、『サウンドオブシングルス』や『バトルオブザツイン』は、シングル&ツインレースの人気を拡散する立役者となった。オーヴァーレーシングがヨーロッパ参戦を開始し、『スーパーモノ選手権』を連覇したことを鮮明に覚えている人も多いだろう。
そんなシングル&ツインを集めて行われるのが、『アストライドB.O.S.T(Battle of Single & Twin in Suzuka Twin circuit)』である。開催のきっかけは、本家アストライドにおける単気筒&2気筒車群の勢力拡大にある。SR/SRX/グース/クラブマンが大挙エントリーし、ドゥカティも一大勢力となってきた。そこで企画されたのが、このB.O.S.Tだ。
対象車両は4ストローク単気筒と2気筒車で、ホイール径が16インチ以上であること。車両規定は下記の通りだ。
- S1クラス:単気筒250cc以下|SRX250/Goose250/GB250/CBX250RS等
- S2クラス:単気筒無制限|SR400/500/Goose350/GB400/500等
- T1クラス:2気筒400〜650cc|BROS/W650/XS650/INT650等
- T2クラス:2気筒無制限|DUCATI 851/MOTO GUCCI 850 LeMans/TRX850/TL1000等
S1/S2/T1/T2の4クラスがある。また、車種不問でサーキット初心者向けのチャレンジャークラス、テイストオブツクバや九州の鉄馬のエントラントを対象としたザモンスタークラスもあるが、主役はあくまでシングル&ツイン。あの時代を体験したライダーも、今まさに熱中しているライダーも、同じ想いや情熱を共有できるに違いない。
グース/GB/SRなど1999年までに生産されたシングルが主役のS1/S2クラス
単気筒クラスは250ccを境にS1/S2クラスに区分されるが、250cc以下であっても原付は速度差が大きいので不可。空冷エンジンが大勢を占めるが、SZR660のような水冷車もOK。走行クラスはS1/S2が同時走行となるが、250cc以上でサーキットに不慣れなライダーは、車種を問わないビギナークラスで走行することもできる。
ツインクラスは空冷/水冷どちらもOK。排気量650ccが境界線で2クラス開催
かつてのバトルオブザツインズで一大勢力となったホンダBROSを初めとした650cc以下のT1クラスと、ドゥカティやモトグッツィがエントリーできるT2クラスに分類される2気筒クラス。アストライドのBクラス(中級クラス)では4気筒車と混走になることも多いが、B.O.S.Tでは思う存分ツインサウンドを満喫できる。
TOT/鉄馬マシンがエントリーできる、迫力のThe Monstersクラス
テイストオブツクバのハーキュリーズクラスや、熊本のHSR 九州で開催されている鉄馬のアイアンエキスパートクラスに参加予定のマシンを対象としたThe Monstersクラス。最速マシンと上級ライダーが対象で、シングル&ツインのエントラントにとっては見て楽しいクラスとなる。
2025年の開催予定
そんなシングル&ツインをメインとしたアストライドB.O.S.T(Battle of Single&Twin in Suzuka Twin circuit)は、2025年11月15日に開催される。さらに通常のアストライドの予定は下記の通りだ。気になる方はアストライドのホームページを確認してみよう。
- 5月31日 土曜日
- 開催場所:鈴鹿ツインサーキット フルコース
- ASTRIDE 2025 Round1
- 10月25日 土曜日
- 開催場所:鈴鹿ツインサーキット フルコース
- ASTRIDE 2025 Round2
- 11月15日 土曜日
- 開催場所:鈴鹿ツインサーキット フルコース
- ASTRIDE B.O.S.T 2025/第2回OVER Racing CUP -Super Twin-
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