![[絶版バイクDIYメンテ] 1976 カワサキKZ900LTD:エンジンオイル&ブレーキフルード交換→ユーザー車検へ](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/MotoJoy_Oil_01.jpg)
筆者の所有するカワサキKZ900LTD(1976)、車検前に改めて検査証を確認すると、初度登録欄には令和1年。50代も後半となった筆者は、バイクとともに熟成が進んだことでキモも据わり、油脂類だけの交換で2度目の継続車検に臨んでみた。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:モトジョイ
車検前の礼儀!? として油脂類ぐらいは新調することに
思えば30年ほど前、筆者がユーザー車検に行き始めた頃、車検場は今よりもっと怖くて緊張する場所だった。検査官は突っ込みどころがないかと目をこらし(個人の感想です)、ヘッドライト検査も「×」なら問答無用でやり直しだった気がする。
ところが昨今では、検査ラインに見学者コースがあったり、ライト検査でNGが出てもヒントをくれることもあるほど、ホスピタリティ(!?)に溢れている(ただし車検場によるかと)。だからといって整備不良のまま乗り込んで良いワケではないし、日常的なメンテナンスや整備が不要ということでもない。
恥ずかしながら、筆者のKZ900LTDはガレージの肥やしとなっていて、2年間の走行距離は500kmに満たない。宝の持ち腐れと言われればその通りだが、車検前の礼儀!? として油脂類ぐらいは新調しておきたい。
今回使用するエンジンオイルは、モトジョイオリジナルの空冷エンジン専用オイル。鉱物油ベースの半合成油で粘度は15W-50。これまでいろいろなオイルメーカーのエンジニアに取材した経験から、オイル単体としてはフリクションロスが少なく、オイル分子を微粒化することで浸透性や気密性が向上し、エンジンコンディションを引き出すことができる、低粘度で高性能な100%化学合成油が好み。
その一方で、基本的な油膜強度は粘度に依存する面も大きいため、タフネス性に注目すれば鉱物系の高粘度オイルにもメリットがある。絶版車専門店であるモトジョイのオイルは、油温上昇時のシフトフィーリングに配慮して開発したというエピソードも聞いていたので、一度試してみたかったのだ。
エンジンオイルとオイルフィルターエレメント交換作業の序盤で、しばらく前にジャーディンマフラーの3番エキゾーストパイプだけを外してフィルターを交換したことを思い出した。
その頃、集合マフラーに変更しようかどうしようか迷っていたのだが、エキゾーストパイプを1本外せばフィルターカバーを外せる作業性の良さに、マフラー交換を先送りにしたのだった。けっきょく言うほど乗らなかったのだから、純正でも集合でも良かったのだが…。
エンジンオイルに続いて交換したのはブレーキフルード。前回の車検時には交換していないかもしれない。今のバイクのようにマスターシリンダーに確認窓がないので、キャップを外して覗くと、ほうじ茶のような色合いに。
エアが噛まないようシリンジで吸い出し、新品フルードを注入してホースに滞留しているほうじ茶フルードをキャリパー側から排出。乗っても乗らなくても2年に一度は交換しておくべきだと再認識した。
モトジョイオリジナルの空冷エンジン専用オイルに交換
【OVER-CLASSICS 空冷専用オイル 10W-50】国内オイルメーカーとの共同開発から誕生した、絶版車向けエンジンオイル。ベースオイルは鉱物油で、化学合成油と各種添加剤を加えることで半合成油としている。鉱物油の割合が多い場合も、化学合成油の割合が多い場合も、100%化学合成油ベース以外は半合成油と呼ばれる。高温耐久性やシフトフィーリング維持を重視した、空冷エンジン向けの処方を採用している。●価格:2200円(1L)
オイルフィルターエレメントは、通常品より折り目が約20%多く濾過性能が優れたデイトナ製を使用。バイク用品店で簡単に入手できるのはカワサキZ1系ならでは。
4本のエキゾーストパイプがずべてサイレンサーから抜けるのが純正ジャーディンマフラーの特長。3番エキゾーストパイプだけ外せば、オイルフィルターカバーが外せる。
書き残した整備手帳を見ると、2年前にオイル交換を行っていた。それから500kmも走っていないので汚れは皆無。夏は暑いし冬は寒いと言い訳ばかり。
オイルはさほど汚れていないが、ドレンボルト先端には粘性の高い汚れが付着していた。金属粉は混ざっておらず、乗らなさすぎが原因なのかな?
ボルトを洗浄してOリングを新品に交換。金属製のガスケットと異なり、潰れる感覚が薄く、締め付けが難しい。くれぐれもオーバートルクにならないよう注意したい。
オイルフィルターカバーを緩めると外周部分からオイルがしたたり落ちるのは、このエンジンのお約束。オイルを受けるオイルドレンパンは開口部が広いタイプが必須だ。
オイルフィルターエレメントの背が高いので、エンジンとオイルドレンパンとの隙間が狭いと抜きにくい。フィルターカバーの端部で手を切らないよう要注意。
フィルターボルトにスプリングとワッシャーを通してフィルターを差し込み、フィルターカバーに取り付けたOリングが外れないように注意しながらエンジンに取り付ける。
OVER-CLASSICSのオイルは鮮やかな青色なのが特徴。1L缶から直接注入しても良いが、余計な場所にこぼさないようオイルジョッキに移してから注入する。
クランクケースに刻印されているオイル量は3700ccだが、一気に全量を入れるのではなく、3000ccを超えたあたりから油面を確認しながら注入していく。
レース用エンジンでなくても、油量は必要最小限あれば十分。確認窓の上限近くまで入れたらエンジンを始動して循環させ、レベルが下がったら継ぎ足していく。
油量を調整してエンジンを始動したら、ドレンボルトやオイルフィルターカバーからのオイル漏れがないことを確認する。日中30℃を超える中では油温もすぐに上昇する。
ブレーキフルードも交換
純正指定はDOT3だが、手元にあったのでDOT4を使用する。両者は沸点が違うが組成は同じグリコール系なので互換性がある。
ブレーキフルード交換には順送式と逆送式があり、今回はマスターシリンダーからフルードを送る順送式で交換する。マスタータンク内のフルードは著しく変色していた。
タンク底のポートがエア噛みしない程度までフルードを抜いたら新品を注入して、ホース内の汚れたフルードを押し流す。レバーを握ると噴水のように飛び出すので注意。
エア抜きの要領でブリーダープラグを緩めると、茶色く汚れたフルードが流れ出てくる。このフルードが透明に変わるまで、マスターシリンダー側から繰り返し押し流す。
左右キャリパーから出るフルードが透明になったらタンク液量を調整して入れ替え完了。マスターシリンダー内部のカップシールは交換したが、本体は1976年製造の48年モノ。
いざ、二輪車検査ラインへ
二輪車検査ラインは、昨今の現行車に対応するため、排ガス検査と後輪スピード検出がデフォルトになっているようだ。私が受験した車検場では、絶版車で入場する際は排ガス検査ナシ、前輪スピード検出を選択しなくてはならない。スポンジフィルター仕様のTMRキャブはまったく確認されることなくスルーされて拍子抜けだった。一発勝負のリスクを避けるため、検査前は必ずテスター屋さんでヘッドライトを確認している。
LEDバルブ(デイトナ製プレシャス・レイZII)は光量/光軸とも基準値をクリアしていたので、検査ラインもそのまま入場し、一発でクリアできた。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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