
モトメカニック編集部では、かねてから「バイクのメンテナンスに適しているのは1/4インチラチェットだ」と提唱してきた。ヘッドが小さい3/8ハンドルが増えたとはいえ、差込角自体が小さい1/4にはかなわない。1/4ソケットの使い勝手の良さに気づいていないなら、コーケン製ラチェットに触れてその魅力を体感してもらいたい。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:山下工業研究所
Z-EALメタルケースセット:バイクはもちろんクルマでも重宝するシブイチアイテム網羅セット
ヘッドの中でガタつかず空転トルクが軽い72歯ギヤのラチェットハンドル、薄さと短さを追求したスタンダードソケットなど、Z-EALのエッセンスを詰め込んだセット。安価な製品ではないが、機能的で利便性に優れたリーズナブルな工具であることを実感できる。
【1/4 Z-EALメタルケースセット 2286Z】工具の紛失防止にも役立つ2トーンのウレタントレイは、メタルケースから出して工具箱の引き出しにも入れられる。1/4Z-EALにはもう1種類、ビットソケットを加えたセット工具もある。●希望税抜小売価格:2万9900円
ラチェットハンドル2725Zの全長は手のひらに収まる114mmで、コンパクト化を徹底追求したヘッドに72歯ギヤを収納。コーケン製ラチェットの美点である空転トルクの軽さは当然継承されている。
ソケットは4/5/5.5/6/7/8/10/11/12/13/14mmの11個入り。バイクのメンテで8mm未満を使う機会はまれだが、揃っているといざというときに助かる。6角部の肉の薄さは驚異的。
軸部がスリムな50/100/150mmのエクステンションバーと中間ピンのないユニバーサルジョイントは、精度を追求することで差込部と凹部の不快なガタを排除している。
サーフェイスソケット:頭をなめたボルトナットだけでなく通常作業でも使える超面接触ソケット
通常の面接触よりさらに面接触度を高めることで、角がナメたボルトナットや柔らかいアルミや樹脂製ボルトも安心して回せるサーフェイスソケット。6角ソケットより回転方向の遊びが大きく、指先しか入らない狭い場所でもセットしやすい利点もある。
【1/4サーフェイスソケットセット RS2410M/12】●希望税抜小売価格:1万1000円
二面幅が小さなボルトやナットは角部を傷めやすいが、開口部が大きく弓なりに設計されたサーフェイスソケット(左)は、通常の面接触(右)より中心で接するためナメにくい。
首振りラチェット&ドライバー:狭い空間でも快適に作業できる
Z-EALが高機能なのは間違いないが、通常モデルが格下というわけではない。ラチェットギヤは20歯で送り角は18°だが、独自のカム切替式により並外れて空転トルクが軽く、ギヤ数が多くてもフリクションも大きなハンドルよりはるかに使い勝手が良い。
【オフセットスピンタイプハンドル 2769NWF-220/1/4首振りラチェットハンドル 2774N】●希望税抜小売価格:2440円/7520円
先端凸部のくさび形状によって、ソケットを浅く差し込めば上下左右15°に首を振ることができる。わずかな角度だが、干渉物を避けるには有効。グリップは滑りにくく、トルク伝達効率が高い。
ソケットやビットをセットしてドライバーのように使えるスピンタイプハンドルの中でも、ソケットを差し込む深さによって、ストレートと首振りの2パターンで活用できるオフセットタイプ。写真は全長220mmで、他に全長150mmモデルもある。
全長166mmの首振りタイプには3タイプのグリップがあり、ローレットグリップ仕様はコーケンロゴが斜めに入るのが特徴。多ギヤ化が流行する中、20歯のギヤ数は魅力に欠ける気もするが、空転トルクの軽さがすべてを補ってくれる。
ナットグリップソケット:小さなボールでしっかりホールド。落としたボルトやナットを探すイライラを解消
手が入りにくいから1/4ソケットを使う場面では、ボルトやナットに指が届かないこともある。ソケットにはめたボルトをソーッと運ぶ場面でしっかりホールドできるのがナットグリップソケット。金属スプリングと小さな玉の組み合わせは、磁石がつかないアルミや樹脂ボルトにも有効。
【1/4ナットグリップセミディープソケットセット RS2350X/4】 ●希望税抜小売価格:7150円
1/4のナットグリップソケットには、写真のセミディープのほか、スタンダートとディープがある。8/10/12/14mmの4サイズセットで、それぞれ単品でも販売されている。
ショートタイプのヘックスビット:差込角が小さなシブイチだから活きる
全長25mmの超ショートタイプのヘックスビットは、L字型レンチしか入らないような狭い場所でもラチェットハンドルを使って早回しできるのが魅力。差込部分がコンパクトな1/4インチだから意義がある製品で、1/4ラチェットユーザーはぜひ持っておきたい逸品だ。
【1/4ヘックスビットソケットセット RS2010M/7-L25】●希望税抜小売価格:6080円
セット工具は3/4/5/6/7/8/10mmの7個組。六角軸が短いぶん捻れにくく、回転トルクがダイレクトに伝わる。スピンタイプハンドル(ドライバーハンドル)と組み合わせれば、L字レンチの長軸側やラチェットハンドルより早く回すことができる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむホンダのモンキー&ゴリラ シフトアップ製88ccキットを組み込み、ノーマルキャブのままでセッティング変更せずに普通に走ることができた、6ボルト仕様の初期型黄色ゴリ[…]
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
前後バランス配分が崩れてしまったフロントまわりを構築 フロントフォークの動き云々もあるが、動き以前に長さが違って前後バランス配分が崩れてしまうと、まともに走れなくなってしまうのがバイクだと思う。とりわ[…]
歴史的な価値のあるパーツに使われることが多いマグリコート ホイールやエンジンカバー、といっても一般的な市販モデルではなく、アフターマーケットパーツやレース用のホイールやカバー類に使われることの多い、マ[…]
走行回数の多さと模擬レースのセットでコストパフォーマンスの高さは折り紙付き 絶版車やクラシックマシンでサーキットを走行してみたいが、レースに参戦するほどではない。あるいはクラシックレースにエントリーし[…]
最新の関連記事(コーケン)
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
ハンドルとソケットが一直線になる丸形ヘッドのスイベルラチェット 丸型ヘッドの中心に支点を置くことで、ハンドルを180度振れるスイベルラチェット。ハンドルと差込部を90度にすれば通常のラチェットと同様に[…]
エアーコンプレッサーを設置したら、インパクトレンチとソケットをセットで持っておきたい ガレージにコンプレッサーを置いたら、絶対欲しいインパクトレンチ。作業効率が格段に向上する。メッキ仕様が多いハンドツ[…]
新構造ロック機構でソケットとの一体感アップ。接合部の精度が秀逸なエクステンションバー ソケットレンチは、ソケット内側のディンプルに差込部のボールが入って接合される。スプリングでボールを押す一般的な差込[…]
明確な個性を持つ30種類のラチェットハンドル デザインや製品番号を変えることなく、ラチェットハンドルの要点であるギヤ数を36→72歯に倍増させたコーケンZ-EALの3/8インチシリーズがデビューしたの[…]
最新の関連記事(工具)
スパナやレンチの長さが違うのはナゼ? 工具箱に並ぶスパナやレンチ。 10mm、12mm、14mm…サイズごとに全長が違うのは、当たり前の光景ですよね。これもそうだし。 コッチもそう。狭所作業用の短いス[…]
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
動きが渋い鍵穴に潤滑剤はNG! ・・・の前に ちょっと前に「キーの回りが渋くなってきた鍵穴に、潤滑剤を吹きつける(注入する)のはNG!」という情報がネット上で広く流れました。その理由は一時的に動きが滑[…]
人気記事ランキング(全体)
3種のグレードそれぞれに専用カラー カワサキモータースジャパンは、前18/後16インチホイールを履くロー&ロングフォルムなミドルクラスクルーザー「エリミネーター」シリーズの2025年モデルを発表した。[…]
【受注期間限定】SHOEI「EX-ZERO」新色モスグリーン 「EX-ZERO」は、クラシカルな帽体デザインにインナーバイザーを装備し利便性に優れる一方で、着脱式内装システムや、万一の際にヘルメットを[…]
“主婦向けスクーター”がゴールドラッシュに バイクが売れに売れた1980年代の日本。近年の2輪車販売台数が年間約40万台前後で推移しているのに対し、当時はその数300万台以上。俗に言う日本の「バブル期[…]
コーデュラ(R)ユーロ3Dメッシュジャケット:プロテクションと通気性を両立 ライダーの安全と快適を追求した一着。腕部分には耐摩耗性に優れたコーデュラ(R)素材を採用。万が一の転倒時にもダメージを軽減す[…]
PROSPECを謳い一人称カタログで語る自信のほど! ’80年代の2ストレプリカ時代を知るライダーは、’88のNSR250Rを史上最強のマシンに位置づけるファンが多数を占める。 実はホンダにとって2ス[…]
最新の投稿記事(全体)
初代はスポーツモデル:GL1000【1975年モデル】 1970年代当時、巨大なアメリカ市場を独り占めしていた英国車をCB750フォアで一蹴したホンダだったが、Z1とそれに続く競合車の登場でシェアを奪[…]
ホンダGB350S(2021)試乗レビュー この記事では、手頃な価格と心地よい鼓動感が魅力のホンダGB350のスポーティーバージョン、GB350Sの2021年モデルについて紹介するぞ。現役レーシングラ[…]
走行&レクチャーを1日繰り返す 上のメインカットは、イタリア人講師のリビオ・ベローナさんを追いかける筆者と、その走りを後ろから観察する元世界GP250ccクラスチャンピオン・原田哲也さん。コースはMo[…]
ヨーロッパラウンドで欧州勢が本調子に MotoGP第8戦イギリスGPが行われた週末は、「モータースポーツ・ウィークエンド」で、なんだか忙しい日々でした(笑)。まずはMotoGPですが、娘がモータースポ[…]
GSX-8R特別仕様車「Kiiro Limited Edition」を限定発売 スズキは、英国市場向けにスーパースポーツモデル「GSX-8R」の特別仕様車「GSX-8R Kiiro Limited E[…]
- 1
- 2