
いくら問題なく走っているとはいえ、新車販売購入時から20年以上の月日が流れている車両はさまざまな不具合が出てきて当然。特に大々的なメンテナンスやオーバーホールをしていない車両と新車と乗り比べれば差の差は歴然だ。このカワサキ バリオスもそんな1台。長年乗りっぱなしだったキャブレターを取り外し、オーバーホール。前編では分解&洗浄までを紹介した。後編となる本記事では、ワイヤーの交換と同調作業を解説する。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●記事協力:株式会社丸中洋行
完全分解ではなく連結分解でパーツ交換 まず、インテークマニホールドのバンドを緩めて、フレームの隙間から上方に引き抜いて作業開始。マニホールドのひび割れや亀裂は二次空気を吸い込む原因になるので、劣化が進[…]
4連バキューム調整でアイドル安定。吹けもヨシ!
前編ではキャブレターを分解/洗浄し、一部のジェット類の交換を行った。今回の後編では、スロットルの開け締めで動きがイマイチな点をまず改善する。
問題があるのがキャブレター側なのか、スロットル側なのか、それともケーブルなのかを、順にチェック。あきらかにサビがあり動きの渋いスロットルケーブルを、まずNTB製ケーブルに交換してレイアウトも見直したところ、開閉とも小気味よく作動するようになった。
また納車時から切断していたというチョークケーブルも、新品を取り付けて当たり前のように作動するようになった。
その上で4連バキュームゲージを使って同調を合わせたところ、アイドリングから僅かに回転を上げた領域でのバラツキが軽減され、スロットルを煽らなくてもスムーズに発進できるようになった。
元来の性格が高回転型で低速トルクが薄めの250ccなので、回転を上げ気味になりがちだが、同調を取ることでギクシャク感が改善され、コーナリング時のスロットルコントロール性も向上して大満足の結果に。経験を積んだサンデーメカニックならなんてことのないキャブレターメンテナンスだが、それだけ基本がなっていないバイクがあるということを実感した次第だ。
開き側が重いのも良くないが、戻り側がの動きが渋いと不安になるスロットルケーブル。バリオスのキャブレターはサイドスロットルで、ケーブルホルダーにアジャスターが付かないタイプ。NTB製ケーブルは純正同様ぴったりフィットする。驚いたのは購入時点から切断していたというチョークケーブル。なぜそのままにしておいたのか不思議だが、冬場は始動性が悪いと思いながら乗っていたそうだ。ここもNTB製ケーブルを装着した。 [写真タップで拡大]
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