
バイクライフ3年目を迎えるにあたって、“乗り換え”という選択がふと心に浮かんだライターのムラタ。トライアンフの新型モデル「スクランブラー400X」を発表と同時に予約し、4月某日に納車! 1000kmの慣らし&初回点検を経て、ちょっとソロツーリング…。梅雨前の貴重な晴れ間を選んで、長野・松本へ。立ち寄ったトライアンフ松本で嬉しい出会いもありつつ、はじめてのビーナスラインを堪能!
●文:村田奈緒子 ●外部リンク:トライアンフモーターサイクルズジャパン トライアンフ松本
【村田奈緒子(むらた・なおこ)】20代からバイクに憧れはあったものの、40歳で一念発起し普通二輪&大型二輪の免許を取得。2022年2月、人生初バイク(ロイヤルエンフィールドのヒマラヤ)を購入し、バイクライフがスタート。インドでのヒマラヤツーリングなども経験し、ネクストステージとして乗り換えを決断。2代目マイバイクとなるトライアンフのスクランブラー400Xが2024年4月に納車。
少しずつカスタム開始! サンスター製シャンパンゴールドのチェーンを装着
前回の記事でも触れたが、トライアンフ東京ベイのセールスリーダー・村山徳啓さんの熱意に感化され、初回点検後にさっそくチェーンを交換。見た目も変わって、少しずつ自分色に染まっていくスクランブラー400Xで旅に出たい!
思い立ったら、即行動。梅雨シーズン前に行かねば! ということで、6月中旬に長野・松本へのソロツーリングに旅立ったのだ。1人旅は基本無計画&現地の人におすすめを聞く派なので、ノープラン旅の初日はトライアンフ松本を目指して朝6時頃に出発〜。
チェーンいろいろあって正直よく分からない…ということで、シンプルな1グレード展開でお財布にも優しいサンスターのモーターサイクルチェーン(ゴールド)を選択。爽やかなシャンパンゴールドのカラーで、上品さもアップ!
サンスターのチェーンについて詳しく紹介した記事は>> スプロケットのプロがチェーンを制作!【日本唯一、スプロケとチェーンを作るサンスター】
トライアンフ松本で出会ったオーナーもスクランブラー400X乗り!
梅雨前とはいえ最高気温が30度を超え、今年初めての真夏日となった東京を抜け出し、まず向かったのは「トライアンフ松本」だ。
2023年6月にグランドオープンしたトライアンフ松本、オープニングイベントではトライアンフCEOのニック・ブロアー氏、チーフコマーシャルオフィサーのポール・ストラウド氏らが来日し、今後の展開などを紹介。そのオープンイベントに参加して新しいモデルの話を興味深く聞いたのだが、まさか今度は自分がトライアンフオーナーになって再訪するとは、なかなか感慨深い。
国内最大級の規模を誇る「トライアンフ松本」。ストアマネージャーの福冨義さんは、バイク業界に長く従事。国内外のラリーレースに出場し、ラリーモンゴリア2019に参戦した経歴の持ち主。
事前に伺うことを伝えていたので、ストアマネージャーの福冨義さんが出迎えてくれて、改めていろいろ話を伺う。
「トライアンフ松本では全モデルの試乗車を用意しており、長野だけでなく近隣の県から試乗のお申し込みもいただいています。アパレルも充実しているので、ツーリングの合間に立ち寄っていただく方もいらっしゃって嬉しいですね。
モダンクラシックラインが人気なのはトライアンフ東京や東京ベイと同じですが、なかでもクルーザースタイルのボンネビル スピードマスターが人気です。400シリーズもお問合せが増えています!
松本に誕生して少しずつオーナーの方も増えているので、ディーラーツーリングを企画したりして、トライアンフオーナーが集って楽しめる機会も広げていきたいですね」
偶然出会ったオーナーもスクランブラー400X乗り!
福冨さんと話していると、初回点検のお客様が来店。と思ったら、なんとスクランブラー400X(マットカーキ×フュージョンホワイト)のオーナーだという。話しかけてみると「僕も駐輪場に同カラーのスクランブラー400Xがいるなと気になっていたんです!」と笑顔のHさん。なんでも、新型コロナをきっかけに25年ぶりにバイクに乗るようになったリターンライダーだとか。せっかくなので、いろいろとお話を聞いてみた。
「リターンしてからは国産メーカーのバイクにいくつか乗ってたんですけど、いまいちピンとこなくて。そんな時にトライアンフ松本がオープンしたんです。もちろんブランドは知っていたけれど、トライアンフの世界観までは知らなかったから、せっかくだから一度お店に行ってみようかなと…。そしたら雰囲気のカッコよさにやられちゃって(笑)。地元にディーラーができて、安心して購入できることも良かったですね。
元々マウンテンバイクも趣味でやっていて、バイクでも土の上を走りたい僕にはスクランブラー400Xはピッタリ。先日、ちょっとしたオフを走ってみて、このバイクはリーンウィズもリーンアウトもどちらも楽しめる点もとても魅力的だなと思います。
実車を見ずに購入を決めたのですが、納車時にまず思ったのは、足まわりがいいなと。慣らしを兼ねてビーナスラインを5周ほど回ったんですけど、ビーナスラインって路面がよくないところも多々あるのですが、そんな環境でも路面追従性の高さは最初から好印象でした。
僕は普通二輪免許のみなので、バイクを扱える範囲のパフォーマンスとしてはとても好バランスなバイクだと思います。強いて言えば、オフをもっと楽しむためにタイヤを交換するかを悩んでいます(笑)」
ハンドオーバーベイに2台を置いて記念撮影タイム。写真手前のバイクが筆者、奥がHさんのスクランブラー400X。「僕のバイクはハイマッドガード(フロント)+ロアエンジンバー(エンジンガード)+アッパーエンジンバー(エンジンガード)+サンプガードを装着。オフを走ることも想定した仕様です!」とHさん。お互いに初めて会ったスクランブラー400Xオーナーということで、話は尽きず。すっかり意気投合?して、またどこかでバイク並べて写真撮りましょうね〜と握手してお別れ。
長野の旅を終え、走行距離2000km越え。そしていま思うこと
Hさんと別れた後は、トライアンフ松本のスタッフおすすめのお蕎麦屋さんやカフェに行ったり、翌日には初めてのビーナスラインも満喫。こうして1泊2日の旅を終えてみると、ノープラン派の自分にとって、やはりバイクは気軽に旅に出れる相棒としていいなと実感。気の向くままに行きたいところに行く…そんな旅の楽しさは、スクランブラー400Xでもっと増やしていきたいなと思う。
翌日、松本市内からアザレアラインを経由してビーナスラインへ。ビーナスラインはとても気持ちよかったが、それ以上にアザレアラインがなかなか険しく印象的。Google先生が示す最短距離とはいえ、なにも調べずに行ったので「なんだかヒマラヤの峠道を思い出すな」としみじみ。
そもそも私のバイクライフは、乗りたいバイクに乗るための大型免許取得から始まった。そして初代のロイヤルエンフィールド ヒマラヤ、そして2台目のトライアンフ スクランブラー400X、ともに新車で購入している。
これは乗りたいと思うバイクが新車しかなかったからなのだが、スクランブラー400Xでしっかり慣らしを経験したことで「バイクという乗り物は機械工業が生み出すプロダクトでありながらも、部品ひとつひとつの馴染みによって変化していく過程があること」を体験できたのは、とても興味深かった。
至極個人的な話になるが、バイクメディアに関わる前は、工芸や職人といった手仕事にまつわる取材が多く、工業製品に対しては画一的なイメージしかなかった。だからバイクとひと言でいっても、メーカーによってフィロソフィーが異なり、エンジンにこんなに個性があることもカルチャーショックだった。当たり前だが、40数年生きてきたとはいえ世界はまだまだ広く、話に聞くのと自分が体験するのは雲泥の差があるのだ。
“バイクに乗る楽しさ”に目覚める過程に並走してくれた初代バイク、それを経て“バイクを操る楽しさ”をスクランブラー400Xで学ぶ日々である。まだまだスキルが足りないと思うこともあるが、明日も明後日も、安全にバイクに乗りつづけていきたい。
【これまでの記事】
高揚感を生み出すトライアンフ東京のおもてなしに、新型「スクランブラー400X」の予約を即決!〈連載|43歳ガール?・ミーツ・バイク! vol.1〉
好きピと対面&試乗! トライアンフ初の400ccモデル「スピード400」「スクランブラー400X」のモダンな軽快感に感動!〈連載|43歳ガール?・ミーツ・バイク! vol.2〉
トライアンフ「スクランブラー400X」待望の納車、からの2日後に慣らし600kmを終えた所感〈連載|43歳ガール?・ミーツ・バイク! vol.3〉
トライアンフ「スクランブラー400X」は慣らし800kmを越えたら激変!DGR 2024にも参加!〈連載|43歳ガール?・ミーツ・バイク! vol.4〉
〈連載|43歳ガール?・ミーツ・バイク! 〉は今回が最終回です〜。ありがとうございました! 皆さまも、ご安全に楽しいバイクライフを!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ミリオーレの最新記事
孤高のパニガーレV4Sと友好的なパニガーレV2S パニガーレV4Sでサーキットを3本ほど走ると、強烈な疲労感が僕の身体を襲う。汗は止まらず、足腰に力が入らなくなる。試乗直後は格闘技を終えたような感じだ[…]
ファッションからスポーツまで。現代のバイクライフにフィット このバイクは只者じゃない−−。僕はマヨルカ島のリゾートホテルのエントランスに鎮座するトライアンフの「スピードツイン1200RS」に初対面した[…]
ライダーを様々な驚きで包み込む、パニガーレV4S 5速、270km/hからフルブレーキングしながら2速までシフトダウン。驚くほどの減速率でNEWパニガーレV4Sは、クリッピングポイントへと向かっていく[…]
駒井俊之(こまい・としゆき)/1963年生まれ。バイクレース専門サイト「Racing Heroes」の運営者。撮影から原稿製作まで1人で行う。“バイクレースはヒューマンスポーツ”を信条に、レースの人間[…]
駒井俊之(こまい・としゆき)/1963年生まれ。バイクレース専門サイト「Racing Heroes」の運営者。撮影から原稿製作まで1人で行う。“バイクレースはヒューマンスポーツ”を信条に、レースの人間[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
世界中のビルダーがボンネビルをカスタム 今回開催されたバイクカスタムの世界規模コンペティションには、世界各地から8チームが参加。その中からファイナリストに選出されたのは、ブラジル、フランス、イタリア、[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」。 今回は、2025年モデルで各部のブラッシュアップが行われたトライア[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
アドベンチャー仕様としてオフロード性能を強化 新型モデル「スクランブラー400XC」は、トライアンフが誇る400ccモダンクラシックシリーズの新顔だ。既存のスクランブラー400Xをベースに、さらなるオ[…]
ニューカラーをまとった2026年最新トラをチェック プレミアム志向の輸入ブランドとしても、国内でも地位を確立した感のあるトライアンフ。その2026年モデルが、ニューカラーをまとって出そろった。 話題の[…]
人気記事ランキング(全体)
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
皮脂や汗に含まれる尿素が生地を痛めてしまう ──一般の方が汗でびちょびちょのヘルメットをリフレッシュさせたい場合、どのように行えばよいでしょうか? 「どこが外せるのか、どういうふうに洗えばいいのかは、[…]
RH1250S スポーツスターS:ダウンドラフト吸気の水冷Vツインを黒で統一 121HPを発揮するレボリューションマックス1250Tエンジンをオールブラックにし、精悍さを強調するデザインとなった202[…]
シグナスシリーズ、20年の歴史を背負うニューフェイス 以前は空冷エンジン搭載のコンパクトな原付二種スポーツスクーターとして人気を博した「シグナスX」だが、水冷の新世代「シグナス グリファス」に交代した[…]
作って、触って、攻略する。新感覚のサーキット模型 スマホケースなどの地図柄グッズを手がけるクロスフィールドデザインが、モビリティライフスタイルブランド「レシプロ」の新商品として「レイヤード ランドスケ[…]
最新の投稿記事(全体)
BMWライフをスタイリッシュにサポート 安全性と品質を兼ね備えたBMW Motorradギア&ガーメント。2025秋のギア&ガーメントも新作アイテムが目白押し。その中でBMWライフをスタイリッシュにサ[…]
クリーンな次世代モビリティBMW CE 04とCE 02を各1名様にプレゼント 白馬の雄大な自然を舞台に、『BMW MOTORRAD DAYS JAPAN』はついに20回目の開催を迎えることとなった。[…]
旅として楽しむ、ほっこりラリーイベント 「MOTHER LAKE RALLY」は、2023年に初めて開催され、今年で3年目を迎えるイベントだ。単なる速さや距離を競うラリーとは一線を画し、そのコンセプト[…]
RH1250S スポーツスターS:ダウンドラフト吸気の水冷Vツインを黒で統一 121HPを発揮するレボリューションマックス1250Tエンジンをオールブラックにし、精悍さを強調するデザインとなった202[…]
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
- 1
- 2