かつては国内メーカーも多数ラインナップしていたが……
【消えゆく国産Vツインエンジン】気がつけばスズキだけ!? 他にもたくさんあったのに……
- 2022/11/29 11:05
- ミリオーレ編集部
スズキ アメリカンとは別エンジン
スズキは最初期のVX800を除き、ロードスポーツ用のVツインはすべて水冷90度V型2気筒DOHC4バルブで、1000/650/400をラインナップ(400は2018年に終了)。いずれも初期のレイアウトを踏襲する長寿エンジンで(1000は97年から、650は98年から)、熟成・進化を重ねている。
スズキ 1990年 VX800
1985年に発売したアメリカンのイントルーダー750のエンジンをボアアップした、805cc水冷45度V型2気筒SOHC4バルブを搭載。スズキのVツインのロードスポーツやアドベンチャーで、アメリカンとエンジンを共有するのはこのVX800のみ。
スズキ 1998年 SV400/S
当時の400クラスのネイキッドには無かったアルミ製のトラスフレームに、399cc水冷90度V型2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載。Sはフレームマウントのハーフカウルを装備。輸出仕様のSV600/S(645cc。99年に国内販売開始)と同時開発され、600はフロントにダブルディスクを装備。
スズキ 2009年 グラディウス400
SV400のエンジンをベースにフューエルインジェクションを装備し、鋼管トラスフレームに搭載した流麗なネイキッド。2018年まで生産され、スズキの400クラスVツインロードスポーツ最後のモデルとなった。
アメリカンは狭角Vの別エンジン
国産メーカーの多くは、Vツインエンジンをアメリカンとロードスポーツで共有する場合が多い(外観や味付けは変えているが)。しかしスズキは最初期のVX800を除くと、ロードスポーツやアドベンチャーは90度V型2気筒で、アメリカンは狭角(45、54、65度など)のV型と、キッチリ使い分けている。いずれも水冷だがアメリカンのエンジンには冷却フィンを設けた空冷風のルックスが与えられた。写真は1994年のイントルーダー400。
スズキ 2003年 SV650/S
1999年国内発売のSV650/Sをフルチェンジした輸出専用モデル。エンジンレイアウトは前モデルを踏襲するがフューエルインジェクション化され、トラスフレームはアルミパイプから新開発の高真空アルミダイキャスト製法に変わった。欧州では非常に人気の高いモデルだった。
スズキ 2016年 SV650
スチールパイプのダイヤモンドフレームやデザインを一新し、現行モデルに繋がる。水冷90度Vツインは前モデル(輸出モデルのSVおよびグラディウス)を踏襲するが、内部パーツを約60カ所も見直した。
スズキ 2003年 SV1000/S
エンジンはTL1000Sがベースだが馬力、トルク共に向上し、新設計のバックトルクリミッター付きのクラッチを採用。新開発の高真空アルミダイキャストのフレームや鋭角的なエクステリは650と共通デザイン。スズキの1000ccVツインロードスポーツは、このモデルが最後(国内モデルは2007年まで生産)。
じつは「空冷V」もあった
スズキのVツインはすべて水冷……と思いきや、じつは空冷も存在する(とはいえロードスポーツ用ではないが)。1999年発売のイントルーダーLC250は248cc空冷65度V型2気筒SOHC3バルブの経済的かつゆとりのる乗り味のエンジンを搭載。2000年には輸出モデルのVL125(124cc)も加わった。
カワサキ Vツインはアメリカンのみ!
Zシリーズやニンジャなど、カワサキのロードスポーツの多気筒モデルはすべて並列エンジン。V型2気筒はアメリカンやクルーザーのみですべて水冷、挟み角は50、52、55、90度とバリエーション豊富だが、ロードスポーツへの転用は無い。
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