全日本デビュー当時は現役高校生だった岡崎静夏、レースキャリアは19年と長い。2020年には自らチームを立ち上げ、メカニック担当の弟と二人三脚で2シーズンを戦った。さまざまな経験を経たことで課題も見えてきたのだろう。2022年、岡崎静夏は2年ぶりにチームに所属してレースを闘っている。
●文/写真:Racing Heroes(駒井俊之)
駒井俊之(こまい・としゆき)/1963年生まれ。バイクレース専門サイト「Racing Heroes」の運営者。撮影から原稿製作まで1人で行う。“バイクレースはヒューマンスポーツ”を信条に、レースの人間ドラマを追いかけている。
雨のART走行で良い感触を掴んだ
手島雄介率いる『日本郵便Honda Dream TP』から参戦する岡崎静夏の新たなる挑戦。大きなチームに所属し、個人で戦ってきた時とは違う環境で自己研鑽に励む。開幕戦ではセッティングを詰めきれず結果を残せなかった。舞台を東北のスポーツランドSUGOに移して第2戦に臨んだ。
レースウィーク金曜日に行われたART合同走行は雨。雨の走行が課題だった岡崎。「ここ数年、雨が課題でウェットコンディションになるとどうにも走れない、という状態でした」しかしこの日は好タイムをマークする。1本目の1分57秒から2本目は1分54秒772と3秒タイムアップを果たす。トップからも3秒落ちだ。「全く違うセットで走ってみて、今までに経験したことのない良い感触を掴めました。」雨の走行で好感触を得た岡崎。だが、この好感触が後の判断に迷いを与えた。
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