![ホンダNSR250R[名車レビュー] 伝説的2ストレプリカはどれだけ売れたのか?〈販売台数は11万台超!?〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/th_MC88_3_NSR250R_RERERE.jpg)
●文:モーサイ編集部(関谷守正) ●写真:ホンダ 八重洲出版
NSRは性能だけでなく売れ行きもスゴかった
往年の名車・ホンダNSR250Rは、いったい何台作られて、何台売れたのか?
とある雑誌によると、1987年から1994年までの8年間の登録台数は10万6250台だったそうだ。また、1986-1988モデルで車体PL、1989-1994モデルでLPLを務めた青木柾憲さんによると、1986年から1996年の11年間の生産台数は合計11万6736台だったとのこと。
では、イヤーモデルごとの内訳はというと、なにぶん最初の発売から30年以上も経っているので、なかなか確信的な根拠が見つからない。そこでホンダに問い合わせたところ、年度別の生産台数を教えてくださった。それとともに、各方面への調査を行った結果が次の表で、合算すると確かに11万6736台という数字が現れた。
ホンダNSR250Rの年度別生産台数 ※ホンダ調べに対し、赤字部分が調査の反映を行った箇所。1:レース用F3車は、通常その年式の市販NSR250Rを完成車として製造した後に、それをHRCによってF3車へと換装して販売する段取りだったが、1989年のF3車NSR250RK-K(NH3M)は、最初からキットパーツを組み込んだF3コンプリート車として、400台が製造されていた。上記表にはその点を反映している。つまり、1989年のNSR250Rは計19,488台となる。2:最終モデルのKV3Sの生産台数は、ホンダ調べに対し、当時の記録には65台少ない記載があったため、その点を反映している。
こうしてみると、1988-1989のMC18は合計4万6000台以上と圧倒的な人気で、1980年代終盤を駆け抜けたことがわかる。1992年も繰り入れたMC21全体でも、まだ届かないほどだ。そんなNSR250Rも、1994年から始まった40ps出力規制には抗することができず、1994モデルMC28の極端な生産台数減少は、モデル自体が非常に高い完成度を持っていただけに、少々物悲しさを感じさせる。
ともかく、NSR250Rはトータル11万6000台以上売れたのは間違いないだろう。なにしろ、販売されても登録されずにそのままサーキット直行というような車両も少なくなかったはずなので、データの根拠が生産なのか、販売なのか、登録なのかで、その数は微妙に揺れ動くのである。
さて、イヤーモデルで見ると、やはり1988モデルが圧倒的な数字だ。これに続くのが1990-1991のMC21で、ここでは3種類の開発コードが載っているが、これは1990モデルのスタンダードとSP、そして1991モデルに当てはまるSEモデルの合計ということになるので、単独グレードでは1986モデルが2番目ということになるのだろう。
ちなみに当時の2ストローク250ccのレーサーレプリカの販売台数では、1986年がピークで(この時はTZR250が他を圧倒していた)、1989年がそれに肉薄する勢いで、ここではNSR250Rが圧倒的な比率を占めている……
後に伝説となる「ハチハチ」は、1988年1月19日に発売をスタート。写真のモデル=テラブルー×ロスホワイトのいわゆる「TERRAカラー」が標準色となり、こちらは2月25日発売。市販2輪車として例を見なかったコンピューター制御によるPGMキャブレターなど、高度なシステムが新規導入された。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
商品ではなく「こんなこと、できたらいいな」を描く 今回は見た瞬間にハートを鷲掴みにされてしまったモトクロス系のお気に入りバイクカタログをご覧になっていただきたい。 まずはアメリカホンダ製作によるモトク[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。FXに遅れること約1年、1980年6月に発売された[…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
マイノリティ好きにはたまらない2スト250で3気筒、走りに刺激はなかったけれど海外でもファンが少なくなかった! カワサキが世界進出の勝負球として、500ccで2ストローク3気筒のマッハIIIをリリース[…]
空冷エンジンのノウハウを結集【カワサキ GPz1100[ZX1100A]】 航空機技術から生まれたハーフカウルとレース譲りのユニトラックサスを装備。デジタルフューエルインジェクション効果を高めるために[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
2024年11月:V3エンジンコンセプトが世界初公開 ホンダが、約40年ぶりとなるV型3気筒エンジンを搭載した「new ICE concept」を世界初公開したのはEICMA 2024でのこと。このコ[…]
共通の仕様変更はわずかだがその効果は想像以上だった 2017年4月に発売され、翌2018年から軽二輪クラスのベストセラー街道をばく進中なのが、ホンダのレブル250だ。今年は一部の仕様変更とともに、待望[…]
出力調整を極限まで最適化&他技術との連携で相乗効果 キャブやFIスロットルボディの吸気量を決めるバタフライの開閉をワイヤーで繋がったスロットルグリップで人間が直接調整していたのが旧来の方式。これに対し[…]
商品ではなく「こんなこと、できたらいいな」を描く 今回は見た瞬間にハートを鷲掴みにされてしまったモトクロス系のお気に入りバイクカタログをご覧になっていただきたい。 まずはアメリカホンダ製作によるモトク[…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
人気記事ランキング(全体)
冬のツーリングは、寒さによる体温低下で想像以上に体力を奪う。特に脚まわりは走行風を直接受けるため、冷えが蓄積しやすい。 本商品は、風の侵入を防ぐ防風生地を採用。パンツの隙間から入り込む冷気をしっかりと[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
ライダー前提の立体パターンと保温設計 パッディングジャケットは、乗車姿勢を取りやすい立体パターンを採用し、上半身の可動域を確保。中綿は化繊タイプで、雨や汗で濡れても保温性の低下が小さいのが利点だ。 冬[…]
異常気象に対応したウェアを考えるワークマン 「夏が長く、秋が短い、すぐに冬が来る」という極端な環境変化が当たり前となってきた近年。気象庁の観測データ(東京)を見ても、最高気温25℃以上の『夏日』の最終[…]
ライダー姿勢に最適化された発熱構造 RSタイチが展開するe-HEATシリーズの中でも、本商品はライディング中の姿勢を徹底的に考慮した設計が特徴だ。発熱ユニットは、風を最も受けやすい背中と両肩に配置。ハ[…]
最新の投稿記事(全体)
QIK-MESH2.0で繋がり続けるインカム体験 H6は、従来の直列式インカムのように前後の並び順に依存しない通信方式を採用している。QIK-MESH2.0により、グループ通話中に隊列が乱れても通信の[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
高額モデルが多いドライブレコーダーはブラックフライデーで賢くアップデート MAXWIN バイク用 スマートモニター ドライブレコーダー Kaedear (カエディア) バイク ドライブレコーダー バイ[…]
津軽の32温泉をすべて利用可能 2日間パス:2000円 3日間パス:2500円 たとえば、単体で利用すれば入浴料1000円の「黄金崎不老ふ死温泉」や、入浴料700円の「花禅の庄」、観光施設では入場料6[…]
電子制御サスペンション採用のGXにウイングレット新採用でさらなるスタビリティを スズキは欧州で、2005年型GSX-R1000(通称K5)由来の4気筒エンジンを搭載するクロスオーバーツアラー「GSX-[…]
- 1
- 2


![ホンダNSR250R|年度別生産台数|ホンダNSR250R[名車レビュー] 伝説的2ストレプリカはどれだけ売れたのか?〈販売台数は11万台超!?〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/th_NSR_1986-1996-768x714.jpg)
![ホンダNSR250R|ホンダNSR250R[名車レビュー] 伝説的2ストレプリカはどれだけ売れたのか?〈販売台数は11万台超!?〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/th_4-198711_nsr201_RE-768x513.jpg)
![ホンダNSR250R|ホンダNSR250R[名車レビュー] 伝説的2ストレプリカはどれだけ売れたのか?〈販売台数は11万台超!?〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/th_MC88-3_NSR250R_FRONT-768x525.jpg)





































