Matt RiderJapanの映像と試乗で巡るバイクの世界。今回は新型デイトナ660だ!
元デイトナオーナーが試乗レビュー! トライアンフ 新デイトナ660はあらゆるシーンで楽しめるスーパースポーツだ!!
●文:[クリエイターチャンネル] Matt RiderJapan
こんにちは!マットです! 先日、「デイトナ」のペットネームを与えられたトライアンフのスーパースポーツバイク、新型デイトナ660のメディア試乗会に行ってきました。
実は僕、過去に同社の「デイトナ675」「デイトナ Moto2 765 リミテッドエディション」と「デイトナ」を乗り継いできました。生粋のデイトナオーナーといっても過言ではない僕が「今回の新型デイトナをチェックしないわけいかない!!」と鼻息粗くメディア試乗会場に乗り込んだのですが…生憎の大雨。しかも試乗コースの両脇には残雪も確認できるほど気温も低く、試乗には最低最悪のコンディションとなっていました笑。
新型デイトナ660の概要
さて気になる今回の新型デイトナ660ですが、既に発売されているトライデント660のトリプルエンジンをベースに開発されていますが、トライデント660より大幅なチューニングが施されています。排気量659ccの水冷並列3気筒DOHC12バルブエンジンは最高出力95PS/最大トルク69Nmを発揮。これはトライデント660に比べてパワー14PS/トルク5Nmもアップしていることになります。
デイトナ675/765時代はスパルタンなスーパースポーツモデルでしたが、今回のデイトナ660はセパレートハンドル仕様とは言え、少しアップライト目に装着されています。シート高も810mmとSSモデルにしては低めでなのも、低身長にはうれしいポイント。
タンデムシートがフラットな形状ということもあり、テール周りにかける形でのシートバック装着がしやすそうです。意外と積載性はよくできそう!?
これらの事からデイトナ660は「大型ビギナー」「女性」「ツーリングメイン」などといったより広いユーザー層をターゲットにしている事が感じられますね!
確かに僕の周りのデイトナ仲間にはポジションがキツくなって乗り換える仲間もいたので「SSだけどそこまでスパルタンではないぞ!!」というところが、今回重要なポイントではないでしょうか。僕みたいにサーキットに持ち込んで走行会などで遊ぶユーザーは…圧倒的マイノリティですもんね笑。
大雨でも滑る気配ナシ!? 安心安定の走り!
ディテールを確認したところでいざ試乗! と、土砂降りの中、箱根の試乗コースに出かけました。各種ライディングモードが選択可能ですが、状況が状況ということもあり、少しでも安心して走れるよう「レインモード」を選択。
走り始めから3気筒エンジン特有の低速トルクの粘り強さを感じる事ができ、大雨の状況でも安心感がありました。これは2気筒エンジンのバイクのような低速域での出だしの乗りやすさに似ていますね。
レインモード選択時ではABSの介入が早めの設定になっているようで、ハードなブレーキングをした訳ではありませんが、しっかりABSが効いている事が感じとれました。最低なコンディションの路面状況にも関わらず、車体が滑る感覚も全くなく、ブレーキを安心してかける事ができました。
ちなみにタイヤはミシュランから新しく発売されている「パワー6」を採用しています。スポーツカテゴリーのタイヤながら公道走行をメインにしているモデルということもあり、今回のデイトナ660とは相性がピッタリ。「これだけ大雨の路面状況で全然滑らないタイヤも凄いな!?」と感じました。どれだけの大雨コンディションだったかは下記の僕の動画をご覧ください…笑。
不完全燃焼だったのでドライコンディションで再試乗!
さてウェットでの性能は十二分すぎるほどわかった所で、不完全燃焼を解消すべく、試乗会後に再度お借りしてきました!! 念願のドライコンディションでの試乗です笑!!
今までスパルタンなSSモデルを乗っていたので、改めてポジジョンが楽な前傾姿勢だなと感じてはいますが、前傾姿勢モデルが初めての人からすると、さほど楽なポジションではないかもしれません。165cmの僕が跨ると両足ではつま先立ち、片足では足の土踏まずが着くぐらいで、片足とはいえここまで足がつけば安心感が全然違います。
肝心の走りですが、まずはライディングモードを「ロードモード」に選択して試乗開始。走り始めからすでに「トライデント660から違うな!?」という印象で元気の良い走りをしてくれます。中低速域は都内の渋滞にハマっていてもストレスが無いほどに扱いやすい印象ですが、流れが良くなった郊外の道で回すと5000回転以上から3気筒エンジン特有の吹け上がり感を体感できる事ができます。
この辺りの特性が4気筒エンジンの吹け上がり感に似ているので、3気筒エンジンは良く「2気筒エンジンと4気筒エンジンの良い所どり」と言われますよね。「スポーツモード」を選択してみると「あっ…ちゃんと速いじゃん!」というほど走りにシャープさが現れます。
トライデント660にはこのスポーツモードを選択できる項目が無かったため、少し物足りなく感じていました。ライディングモードがあるだけで、これだけキャラクターの違いを出せるなら、メリハリがあって様々なシチュエーションで楽しめるのでは!? と思いました。
高速道路走行時はロードモードで余裕!
少しですが高速道路も乗ってみました。あえて「ロードモード」選択のまま高速巡航してみると100km/h走行時で6速5500回転ほど。振動も少なく、まだまだエンジンからも余裕を感じれます。合流加速時に回した感じですと恐らくですが、新東名高速道路などの120km/h巡航エリアでも十分なパワーだと思われます。
フルカウルモデルということもあり、風の抵抗は少なく走りやすいのですが、肩の辺りは風が当たるな〜と感じていましたが、許容範囲かと思います。
より多くのシチュエーションで乗れるSSモデル!
ポジションなどが楽になって扱いやすくなった新型デイトナ660。前後サスペンションもしっかりしていて特に不満もありませんでした。正直、先代モデルを乗り継いできたオーナーとしては少し寂しい部分もありますが、カッコいいSS系モデルが乗りやすくなったという事で広いユーザーの人々に乗ってもらいたいなと思える1台に仕上がっていました!!
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(Matt RiderJapan)
1分でわかる記事ダイジェスト “M”シリーズの第3弾がデビュー! M 1000 XR モビリティリゾートもてぎで開催されていたBMW Motorradのメディア試乗会にて、デビューしたばかりのM 10[…]
こんにちは!マットです!!今回は通常モデルの試乗レビューではなく…面白そうな車両の試乗案内をいただきましたので、愛知県岡崎市まで行ってきました!! トリックスター主催のマフラー大試乗会に参加! 高い性[…]
こんにちは、マットです!! 今回はアメリカ最古のモーターサイクルメーカーで有名なインディアンモーターサイクルのクルーザーモデルである新型スポーツチーフに試乗してきました!! 排気量1890cc!!ど迫[…]
皆さんこんにちは!マットです!! トライアンフのボンネビルシリーズのようなネオクラシック系統のバイクが大好きな僕ですが、先日面白いバイクに試乗させていただきました!! 今回はその試乗レポートさせていた[…]
こんにちは、マットです! 前回のベトナム記事ではバイク天国ベトナムのカオスな交通事情やサービスを紹介させていただきました。今回はベトナム編第2弾という事で、滞在中に見かけた面白いバイクなどをご紹介しま[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
1分でわかる記事ダイジェスト “M”シリーズの第3弾がデビュー! M 1000 XR モビリティリゾートもてぎで開催されていたBMW Motorradのメディア試乗会にて、デビューしたばかりのM 10[…]
他社では真似のできない世界観を感じさせるスタイル 燃料タンクに描かれたナンバー1ロゴは、創業者の孫でありデザイン部門の責任者であるウイリー・G・ダビッドソンによって、1969年に生み出されたものだ。マ[…]
リッタークラス(1000cc以上)のスーパースポーツマシンは多くのライダーの憧れとなっているバイクだと思います。しかし本気のスポーツバイクは用途が限られてしまう場合も。 そこで挙がってくるのが、スーパ[…]
【村田奈緒子(むらた・なおこ)】20代からバイクに憧れはあったものの、40歳で一念発起し普通二輪&大型二輪の免許を取得。2022年2月、人生初バイク(ロイヤルエンフィールドのヒマラヤ)を購入し、バイク[…]
磨かれた伝統と進化したスポーツ性 2014年に登場した先代のインディアン・スカウトシリーズは、1133cc水冷Vツインエンジンをアルミダイキャストフレームに搭載し、インディアンらしいスタイルで包んだ同[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
【村田奈緒子(むらた・なおこ)】20代からバイクに憧れはあったものの、40歳で一念発起し普通二輪&大型二輪の免許を取得。2022年2月、人生初バイク(ロイヤルエンフィールドのヒマラヤ)を購入し、バイク[…]
ハーレーダビッドソン、BMWという不動の2トップに挑むトライアンフ 1901年に最初のモーターサイクル(プロトタイプ)を製造し、1970年代からの活動休止を挟んで英国ヒンクリーで復活を遂げたトライアン[…]
【村田奈緒子(むらた・なおこ)】20代からバイクに憧れはあったものの、40歳で一念発起し普通二輪&大型二輪の免許を取得。2022年2月、人生初バイク(ロイヤルエンフィールドのヒマラヤ)を購入し、バイク[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
エルヴィスへのリスペクトが込められた限定モデル ネオクラシックブームを牽引してきた代表的な一台といえるボンネビルT120に、キング・オブ・ロックンロール、エルヴィス・プレスリーをトリビュートした限定モ[…]
人気記事ランキング(全体)
メーター読み145km/hが可能なYZF-R15 高速道路も走れる軽二輪クラス。排気量で余裕のあるYZF-R25が有利なのは当たり前である。ただR25とYZF-R15の比較試乗と聞いて誰もが気になるの[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 「腐ったガソリン」とは、どんな状態のこと? 時間経過とともに燃料の品質が低下して変質したガソリン。放置すると、ドロドロを通り越してガム状の固形物へと変化。軽度の劣化であれ[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
バイクに積載義務のあるものとは? 車検証や自賠責保険証等の書類 積載義務違反で重い罰則が科せられるものの代表は“書類”です。バイクには使用時に以下の書類を備え付けなくてはなりません。 車両登録書(車検[…]
アクスルシャフト位置がピタリと決まる! “お助けリフターA”はリヤタイヤ着脱の必須アイテム リンクまわりの清掃やハブダンパーのチェックなど、リヤタイヤを外せばできると分かっていても、「タイヤの着脱が面[…]
最新の投稿記事(全体)
押し引きで熱い! 座ると熱い! そんなシートの熱さをどうにかしたい… ツーリングや街乗りにかかわらず、真夏のバイクは炎天下に駐輪していた後に触るのが最初の大きな関門になる。押し引きでシートに触れば手の[…]
ポイントはリヤタイヤと床面との空間。リフト量が少ないほどスタンド操作が軽く車体も安定する ガレージやサーキットのパドックで、バイクにスタンドをかけた状態で前後左右自由に移動できるのが、ガレージREVO[…]
SHISEIDO(資生堂) クリアサンケアスティック 日焼け対策といえば、まずは日焼け止めを塗ることが何より大切です。日焼け止めと言ってもさまざまな種類がラインナップされていますが、昨今人気を集めてい[…]
サンダルでの運転はダメ…では、半袖半ズボンのようなラフな格好は? たとえば、頭の蒸れが気になったからとヘルメットを脱いでしまった場合、乗車用ヘルメット着用義務違反が適用され、違反点数1点が科されます。[…]
メーター読み145km/hが可能なYZF-R15 高速道路も走れる軽二輪クラス。排気量で余裕のあるYZF-R25が有利なのは当たり前である。ただR25とYZF-R15の比較試乗と聞いて誰もが気になるの[…]