硬くなったゴム部品の奇跡の復活:廃油でフニャフニャ復活できたぞ~!
経年劣化でカチカチに硬化したゴム部品が復活できるとしたら? なぁんてこと言っても興味を持ってくれるのは極めて少数でしょう。でも、食いつく方ならとことん食いつくハズ? ・・・ ええ、まだ二回しか実証データー取れてませんが、言いかえれば二回もゴム部品が柔軟性を取り戻しています。どうです? 興味ありますか? 興味もたれた方はぜひともこの記事を読んでください。そしてシェアしてください。レストアノウハウは共通の財産ですから!
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
ゴム部品の経年劣化は避けられぬこの世のことわりナリ
ゴム部品は経年劣化によってカチカチに硬化します。新旧比較してみるとその差は歴然。新品はふにゃふにゃですが、古いほうはカチカチに硬くなっていてしかも戻らない。割れていないにしてもこれでは機能を果たせず、ゴム部品としては致命的。
これまでは、一度硬化してしまったらもう捨てるしかなかったのですよ。
インシュレーター、ゴムホース、ガソリンホース、そしてマニホールド ・・・
バイクが古ければ古いほど、使い物にならなくなっているゴム部品は多岐に渡ります。
ボロボロにひび割れてしまえばまだあきらめがつくのですが、ただ単に硬化してしまっているせいで、キャブレターが取りつけられないとかパイプが入らないとか、切なすぎる。
もうちょっとなのに、これがもう少し弾力性があれば部品として機能してくれるのに ・・・
なにせバイクが古いと純正部品も見つかりづらくなったりプレミア価格になったりしますが、それよりも廃盤品になってしまうとちょっと絶望的な状況となります。
部品がないと死活問題。なんとか柔軟性を取り戻したい!
・・・でね、
なんとかコレを復活させることはできないものかとあれこれ試行錯誤していたのですが、ある時とある方からボソッと「廃油につけてみ?」とお言葉を頂いたのです。
試しましたよ。
でもだめだった。
3日間浸けてみたのに、みたのに効果なし。
まぁ、オイルに浸けたくらいで復活したら苦労ないよね~、なぁんて思っていたのですが、そんな実験も忘れたころに再び今回の一件となったのです。
で、それにくっついているのはキャブレターに繋がるインシュレーター。新しいものと比べると艶もなければ見るからに表面が退色して劣化してるのが見て取れるのですが、それ以上に問題なのが柔軟性の劣化。ひび割れこそしてないものの、かなり硬化が進んでいます。
でも、あとほんのちょっと、少しだけ柔軟性を取り戻すことができればこのまま使うことができそうなのですよ。
ここで、再び「廃油に浸けてみ?」を思い出したのです。かつてそのリペア方法は失敗したのですが、でもあれはひょっとして時間が足りなかった? のかもしれません。
まぁ、人間50歳も近づくとちっとは忍耐ってもんを覚えて、少しくらいは「待つ」という芸当もできるようになるというもの。
【リベンジ!】カチカチ硬化劣化ゴムの復活作戦
リトライしてみました。容器にインシュレーターを入れて、ちょうどオイル交換したのでその廃油を流し込み。
時間はかかりそうですが、もしこれで柔軟性を取り戻せたらめっけもん。しっかり密封して、ガレージの横にて放置してみました。
じっくり待ってみました。その時間、じつに一か月!!
(ほんとは二週間ほどで引き上げる予定だったのですが、仕事が忙しくてスッカリ忘れていたのは秘密です)
一か月廃油につけた硬化インシュレーター、状態はいかに!?
さぁ、引き揚げてみましょう。
ちょっとだけ期待しながら引き上げてみると・・・
お
おおっ!?
ドロドロになっちゃってないかい??
オイル?ゴム? いやいや、まるで海苔の佃煮のようなドロドロした液体がインシュレーターにまとわりついているではないですか。
付着してる? いや、溶けちゃった?? どっちも不正解。なんとも不可思議な状態になっていたので、こちとら予想外の展開に軽いパニックになっていたのでゴザイマス。
ウエスで廃油を拭って、洗剤で洗います。しっかり油分を落として洗浄したはずなのに、漬け込んだインシュレーター(古)はというと・・・
色が変わった!!
シリコンスプレーとか、クレ55-6とか、ゴムの保護スプレーを吹き付けたのとは根本的に違う。ナニカチガウのです。手触りからして別物に。
そう、誤解を恐れずに言うならば新品のインシュレーターにそっくり。ドキドキしながら潰してみると・・・
潰れた! 「ふにゃっ」と潰れた~!
しかもすぐ元に戻ります。
新しいインシュレーターの潰れ具合と比較するとこんな感じ
遜色ないじゃん!!!
0歳児の赤ちゃんと30歳のオッサンが同じ柔軟性をもってるってんだから気持ち悪いったらありゃしない(汗)
その後も硬化戻りは見られず。ちょっとした発見かも!
今となっては「廃油につけてみ?」と言ってくれた方を思い出せないのですが、いやはや感謝です!
インシュレーターを近くでみると汚れがついているのが中古の証。紛れもなく、なんなにカチカチ硬化劣化していたインシュレーターがご覧の柔軟性を取り戻しました。
捨てるはずだったのですが、袋に入れてデッドストック品として仕舞い込みました。
如何でしたでしょうか?
もし今回のように廃油につけることで柔軟性を取り戻すことができるのならば、バイクや車のレストアでの大きなゴム部品問題を少しは解決できる方法になるかもしれません。今後も硬化したゴム部品に遭遇したら実験を繰り返してみたいと思います。
この記事が、何処かの誰か様の参考になれば幸いです。
今回もご一読ありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
チューブレスタイヤのビード落としは難しいよね!? タイヤレバーを使ったタイヤ交換、いわゆる手組でタイヤの脱着ができるという方でも、チューブレスタイヤとなると腰が引いてしまう、そんな方も多いのではないで[…]
バイクのステップゴムがボロボロになっていたので、新品に交換しました。 ・・・と言ってもこれは買ったものではなくて、たったいま印刷したもの。出来立てほやほやなのです~! 3Dプリンターを買ってみたのです[…]
トライクは転ぶ? 素朴な疑問 二輪(バイク)に乗っている方や、四輪(クルマ)に乗っている方から聞かれる質問のひとつが、「トライクって転倒しないの?」というものです。 トライクには3つのタイヤがあり、二[…]
この記事に訪問してくれたあなた、キックペダルの分解に興味があるということでしょうか? それとも今まさにその危機に直面しているのでしょうか? もしくはただの冷やかし?? それでもオッケー。少しでも参考に[…]
私は長い間タイヤ交換が苦手でした。 実はワタシ、長い間タイヤ交換が苦手でした。 レバーを使ってタイヤを外したり、組み付けたりはできるのですが、全体的に手間取るというか、スムーズにいかないというか、なか[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
バイクに適した洗車用ケミカルを揃えるワイズギア 入浴時に使うボディソープ/シャンプー/トリートメントにさまざまな種類があるのと同様に、洗車用のケミカルにも多種多様な製品がある中で、バイクに適したアイテ[…]
ユーザーの好みに応える充実のラインアップ。スポーツモデルを直立させるスタンドに求められる条件とは? BMWモトラッド専門店として2010年にオープンしたモトラッドミツオカ大阪は、大阪北部に位置する人気[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
愛車を長期保管する前にやっておきたい「4項目」 本格的に寒くなるこれからの季節は、バイクに乗りたい気持ちはあっても、温かい時期に比べると走りに行く機会が少なくなってくる方も多いことでしょう。ましてや、[…]
プッシュスルースプリットビームトルクレンチ:作業後のゼロ点戻しが不要。反時計回りの測定も可能 角断面のトルクレンチ本体内部に内蔵された板バネは、調整ノブでトルクを設定した段階では負荷がかからず、ボルト[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
中須賀克行から王座をもぎ取った岡本裕生は来季WSSPへ 全日本ロードレース選手権最終戦鈴鹿(10月26日・27日)を終えてから、アッという間に12月となり、2024年も終わりを告げようとしています。全[…]
速さを身近にする驚異のエンジニアリング ドゥカティのMotoGPマシンであるデスモセディチGPに最も近い市販車。これが2025年モデルのパニガーレV4Sの答えだ。デスモセディチGPは、2年連続でタイト[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
CT125ハンターカブ[47万3000円] vs クロスカブ110[36万3000円/くまモン=37万4000円] 原付二種(51~125cc)クラスの販売台数でPCXとトップ争いを繰り広げるCT12[…]
最新の投稿記事(全体)
第1位:SAS-TEC® 胸部プロテクターCP-2[デイトナ] 第1位は、大手バイク用品メーカー・DAYTONA(デイトナ)の「SAS-TEC® 胸部プロテクターCP-2」。チェストプロテクターの欧州[…]
“Ninja”の伝説はここから始まった 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年[…]
速さを身近にする驚異のエンジニアリング ドゥカティのMotoGPマシンであるデスモセディチGPに最も近い市販車。これが2025年モデルのパニガーレV4Sの答えだ。デスモセディチGPは、2年連続でタイト[…]
中須賀克行から王座をもぎ取った岡本裕生は来季WSSPへ 全日本ロードレース選手権最終戦鈴鹿(10月26日・27日)を終えてから、アッという間に12月となり、2024年も終わりを告げようとしています。全[…]
GLEAMING WORKS:快適で理想的なライディングポジションに! ユーザーのリアルな声をもとに開発したハーレー専用パーツを多数ラインナップし、人気を博す「GLEAMINGWORKS(グリーミング[…]