Kabutoの新作 GEOSYSは規格外すぎるアドベンチャーヘルメットだった

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行
2022年のミラノショーでKabuto初のオフロードヘルメット、ジオシスを公開。日本導入も期待されていましたが、2023年5月に発売しました(XSとSサイズは夏ごろ予定)。
ありがたいことに製品をお借りすることができたので、実際に着用してレビューします。
ジオシスの付属品・カラバリ・価格

ジオシスの付属品は収納袋、取扱説明書、ウインドシャッターの4点。
今回のサンプル品にはピンロックシート装着されていましたが、こちらはオプション扱いで3300円です。強力な防曇効果があるので、決して安くはありませんが、3300円ならお値段以上と断言できます。

ヘルメットの収納袋は裏起毛が採用されていて、ヘルメットの塗装やシールドを生地つけにくいように設計されています。
細めの紐が入り口から2本ずつ出ていますが、しっかり絞ることでリュックのように持ち歩くことも可能です。

丁寧で毎回感動する取扱説明書は、メンテナンスや各部機能の使い方を図入りで細かく書かれていて、ホームページには掲載されていない情報なども細かく記載されています。
例えばXS~LまでがMシェル、XLはLシェルに分かれていることなどが表記されていました。

ウインドシャッターは生地がしっかりしているので、巻き上げの風をしっかり防ぎ、静粛性にも貢献しそう。取り付け時にどちらが内側かわかりやすいように表記も入っています。

カラーは現在単色のみでシンプルにパールホワイト、ブラックメタリック、フラットブラック(艶消しブラック)の3色。価格は4万7300円です。
SHOEIのアドベンチャーヘルメットと比べると価格さは1万円程度、ARAIと比べると5千円程度となります。
ただいずれのライバルヘルメットもしばらくモデルチェンジしていないので、最新のオフロードヘルメットの性能に期待したいところです。
※アライは夏ごろに新型モデルが発表予定。
ジオシスの見ため

アドベンチャーヘルメットなのでバイザーが特徴ですが、空気抵抗を抑えた形状を採用しているとのこと。上部には風が抜けやすい4か所の穴が空いており、各部角ばったデザインを採用しています。

ヘルメット本体では頬の部分とコメカミから後ろ側がグッと絞られていて、サイドの後ろ側にはKabutoが特許を取得しているウェイクスタビライザーを採用。高速道路走行中の車線変更で左右確認した際の首の負担が軽減されます。

後頭部上部にはエアーアウトレットを兼ねたスタビライザーも装備。

全体的な形状はアドベンチャーヘルメットなので、顎の部分が一般的なフルフェイスヘルメットに比べると広めに確保されていて呼吸のしやすさなどが意識されています。

Kabutoのロゴは額、後頭部、バイザーの先端に一か所ずつ。バイザーを外してもKabutoのエンブレムは確認できます

バイザーはプラスチックのビスをコインドライバーで3か所外すことが可能で、簡単にターミネーター仕様にすることが可能です。

ただ外したビス部分が目立つので、カバーするようなオプションパーツが欲しいところです。
ジオシスの性能

3本のプラスチックビスで固定されているバイザーは、中央のビスを緩めるだけで5段階の位置調整が可能。好みのスタイルにすることができます。

シールドは一番上まで上げた状態にすることでゴーグルをつけることも可能ですが、バイザーをつけたままの状態でシールドを外脱着できるので、ゴーグルを使う時はヘルメットを軽くするためにもシールドは外した方が良いでしょう。

ベンチレーションは口元に2か所、頭頂部に一か所用意されていて、頭頂部のベンチレーションはバイザーがついた状態でも操作しやすいように上部に用意され、開閉もシーソー式なので簡単です。

口元のベンチレーションは上下二段になっており、上部はシールド方向に、下部は口元に直接導入できるようになっています。上部はシールドの曇りをとるため、下部は息苦しさを緩和するための機能です。

顎紐に関しては軽量なDリングを採用しています。

インカムはサイドがエッジの効いたデザインになっているので、両面テープでの取り付けは難しそう。

ただ反面クリップでの取り付けに関してはシェルと内装の間に差し込み用のスペースが用意されているので取り付けしやすくなっています。
ジオシスの内装

内装はトップ、チークパッド左右、顎紐カバー左右、イヤーカップ左右の合計7点が脱着可能です。

肌が触れる部分の素材には給水速乾性に優れたクールマックスを採用することでドライな着け心地を実現しつつ、制菌加工「DEOFACTOR」を追加することで細菌やにおいの発生を抑制しています。

トップ内装は頭頂部と外周クッションの色が切り替えられていますが、頭頂部の方が弾力性に優れていて、後頭部の一時内装がフローティングしているのが特徴です。

チークパッドは厚みがあり、頬に沿うような形状ですが表面はハニカム上のパターン、下部の半分は合皮を採用することで見た目にも配慮しています。

コメカミ部分はKabutoお得意の眼鏡対応内装になっていて、意図的にクッションを抜くことで眼鏡のツルが通りやすくなっています。
顎紐カバーは肌に当たる部分はクールマックス、外側はビニール系の素材に切り替えています。

イヤーカップに関しては、インカムを使わない場合には装着しておくことで風切り音や反響音を抑えることが可能です。

内装を外した帽体側には広く深めのスピーカーホールが確認できました。少し大きめのスピーカーなどもおさめることが出来そうです。

また配線の通り道も用意されているので総じてインカムとの相性は良いと言えるでしょう。
ゴーグルプラススタイル
手持ちのゴーグル3種類を取り付けたスタイルを紹介します。

ジオシス×SWANヴィンテージゴーグル

ジオシス×ゴットブリンクオリジナルゴーグル

ジオシス×TT&CO TTゴーグル
重さ

ジオシスのMサイズ、フラットブラックの重さを測定してみました。
オプションのピンロックシート込みの重さは1668g。
アドベンチャータイプのヘルメットは顎が張り出しているので帽体が大きくなりますし、バイザーがついているので重い印象がありましたが、想像以上に軽量でした。
※ヘルメットは重さに個体差があります。また単色に比べてグラフィックモデルの方が塗料やステッカーの量が多くなるので重くなる傾向があります。
フィット感

筆者はArai、SHOEI、KabutoいずれもM、愛用しているSHOEIのヘルメットは少しクッションを追加しているのでS~Mの間ぐらいのサイズです。
ジオシスに関してもMサイズでピッタリで被り口は広め。
チークパッドは頬に沿うようにフィットしますが、圧迫感がなくインカムなどで通話しながらの走行も苦になりません。
試用レビュー

ジオシスを気温25~26度ぐらい、風は弱め、ライディングポジション直立のメテオ350に乗って試してみました。
まず視界の広さが圧倒的です。縦横に開口部が広く、更にブレスガードがコンパクトなので視界を邪魔することがありません。
逆に言えばピンロックシートがついていないと、シールドは曇りやすいかもしれません。ジオシスにはセットでピンロックシートがおすすめです。
バイザーは一番下の位置にすると少しだけ視界に入りますが、気になるようであればポジションを調整すると良いでしょう。
静粛性に関しても想像以上で下道から高速道路まで走ってみましたが、バイザーが風を切るような音もしませんでした。

直進時に関しては高速道路でも抵抗を感じることはありませんでしたが、80キロ~100キロぐらいで走行している際にレーンチェンジで首を振ると多少負荷がありました。
しばらく走行した後に全てのベンチレーションを開放してみると、低速走行でも口元に風が入ってくるのを体感できました。
シールド方向は曇りをとる効果がありそうですが、目もとやおでこ回りに風を感じることはありません。
頭頂部のベンチレーションは大体50キロ~60キロぐらいから、高速走行では十分な効果を体感することが、真夏の下道ツーリングでは頭に蒸れを感じるかもしれません。
まとめ
アドベンチャーは重くて、風切り音が大きめという印象がありましたが、ヘルメットとしての基本性能が高い事に驚きました。
視界が広く、口元が広め、ベンチレーションを開放すれば風を取り込むことができるので呼吸がしやすく、フルフェイス特有の圧迫感が少なめ。
バイザーを外したフォルムは一般的なフルフェイスに近いので、オフロードやアドベンチャーモデルに乗っていない方にも勧めたいヘルメットです。
動画でインプレッションを見たい方はこちら
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ヘルメット)
縁起のいいタンチョウヅルなどで日本の美を表現したニューグラフィック 『VZ-RAM TSUBASA』に描かれるのは、古来より縁起のいい鳥として伝えられてきたタンチョウヅルだ。日本を代表するペインター『[…]
SHOEIフラッグシップモデルのスタンダードカラーがカムバック MotoGPやWSBKライダーも着用する、SHOEIのフラッグシップフルフェイスヘルメット『X-Fifteen』は、2025年9月で受注[…]
画像はKabuto | Motorcycle 【公式】(X)より 自転車/オートバイ用ヘルメットメーカーのメジャーの一角を占めるKabuto/オージーケーカブトは2026年1月5日、新たにモーターサイ[…]
想像を上回る使い勝手のよさ SHOEIが2026年1月9日にSHOEI Gallery(SHOEI Gallery Online Storeを除く)で先行発売する電子調光ドライレンズ「e:DRYLEN[…]
カブトの技術を結集した150個限定仕様 「F-17R Mips」の最大の特徴は、その帽体構造にある。最新のハイパーガラス繊維と高強度有機繊維素材、そしてカーボンを組み合わせた「A.C.T.-2+C(精[…]
最新の関連記事(Kabuto)
画像はKabuto | Motorcycle 【公式】(X)より 自転車/オートバイ用ヘルメットメーカーのメジャーの一角を占めるKabuto/オージーケーカブトは2026年1月5日、新たにモーターサイ[…]
第1位:ワークマン「ペルチェベストPRO2」 猛暑を戦うライダーの救世主となったのが、ワークマンの「アイス×ヒーターペルチェベストPRO2」だ。最新の3代目モデルではペルチェデバイスが5個に増強され、[…]
カブトの技術を結集した150個限定仕様 「F-17R Mips」の最大の特徴は、その帽体構造にある。最新のハイパーガラス繊維と高強度有機繊維素材、そしてカーボンを組み合わせた「A.C.T.-2+C(精[…]
CFD解析で最適化された圧倒的な「抜け」の良さ KAMUI-5の最大の特徴は、CFD(数値流体解析)を用いて配置と形状が再設計されたベンチレーションシステムにある。走行風を効率よく取り込み、ヘルメット[…]
9月上旬~中旬発売:アライ「RAPIDE-NEO HAVE A BIKE DAY」 旧車やネオクラシックバイクにマッチするアライのラパイドネオに、新たなグラフィックモデルが登場した。グラフィックデザイ[…]
人気記事ランキング(全体)
125ccスクーター『LEAD125(リード125)』が華やかになりました! Hondaがラインアップする原付二種スクーターの中でも実用面においてはトップクラスの実力派が『LEAD125』だということ[…]
くんかくんか……木の箱はジャパンの匂いがするぜぇ~! アッハハー! エンジンの上に蛇が巣を作ってたみたいだぞ! いや、ネズミっぽいぞ……? 41年も箱入り(動画公開時)になっていた新車のヤマハSR50[…]
GORILLAタンクと専用シートがついに販売開始! 2025年の7月に紹介されたGORILLA 125(ゴリラ125)が外装セットとして「8ft weekend」から販売スタート! 当時はプロトタイプ[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
ヤマハ セロー250試乗レビュー この記事では、ヤマハの”二輪二足”をキーワードに誕生したマウンテントレールの元祖、セロー250の2020年モデルについて紹介するぞ。35年の歴史に幕を下ろした、最終モ[…]
最新の投稿記事(全体)
ウソかホントか!? 年越し宗谷岬アタックで実走テスト!! 2024年11月からエリーパワーのリチウムイオンバッテリー『HY93-C』を使い始めたフリーラインスライターの谷田貝です。どうもね、リチウムイ[…]
グランプリレースの黄金時代が甦る! 1970年代~80年代にかけて伝説的なアメリカンライダーのケニー・ロバーツ氏が走らせたYZR500は、イエローのストロボライン(ヤマハは現在スピードブロックと呼称)[…]
ST1000:名門×技術力の融合「NANKAI&三陽工業 RS-ITOH」 全日本ロードレース選手権ST1000クラスに参戦する「NANKAI&三陽工業 RS-ITOH」だが、カワサキの雄として知られ[…]
オンロード80%、オフロード20%の使用を想定 ミシュランから、2019年に登場した初代アナキーアドベンチャーの後継モデルが登場する。その名も「MICHELIN ANAKEE ADVENTURE 2([…]
スタイリッシュなグラフィック採用 バイザーを外すことでオンロードにも対応するマルチパーパスヘルメットである「ツアークロスV」。そのツアークロスVのラインナップの中で、大自然をのびのびバイクで走るような[…]
- 1






























