V型2気筒の原付二種 GV125Sボバー試乗レビュー

  • 2023/04/18 18:00
  • [CREATOR POST]相京雅行
GV125Sボバー フロントビュー

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行

東京モーターサイクルショー2023の会場で気になるバイクを見つけました。

韓国ブランド、ヒョースンのGV125Sボバーです。

なぜ気になったのかといえば、125㏄なのにV型2気筒エンジンを搭載しているから。

125ccクラスで単気筒エンジン以外のバイクを見たことがありませんし、乗ったこともありません。

貴重なV型2気筒エンジン搭載のGV125Sボバーをお借りすることができたのでレビューします。

質感の高いディテール

GV125Sボバーのヘッドライト

ヘッドライトはオーセンティックな丸目一灯スタイルでH4ハロゲンバルブを採用。

ウインカーもLEDではありませんが、シンプルなボバースタイルにはマッチしています。

GV125Sボバーのフロントブレーキ

フロントフォークは正立、ブレーキはシングルディスクに3ポットキャリパーを採用しています。

3ポットは珍しいですが、GV125Sボバーはコンビネーションブレーキを採用しており、リアブレーキをかけるとフロントブレーキのピストンが一つ作動する仕組み。

つまりフロントブレーキレバーだけを操作すると2ポットになるというわけです。

GV125Sボバーのエンジン

水冷4ストロークVツインSOHC6バルブ124.7ccエンジンは冷却用のフィンが刻まれており、一見空冷に見えますが、前側には大きめのラジエーターがマウントされています。

GV125Sエアクリーナー

エアクリーナーはエンジン横にマウントされ、ハーレーを彷彿させるデザインです。

GV125Sボバーのリアサスペンション

ローロングスタイルなのでストロークは決して長くはありませんが、リアサスペンションはツイン、更にプリロードの調整機構も備えています。

GV125Sのテールライト

灯火類では唯一テールユニットだけがLEDを採用しており、短くチョップされたリアフェンダーにマウントされています。

エンジン横の六角レンチ

エンジン横には謎の六角レンチがマウントされていますが、何に使うかというと、

GV125Sボバー サイドカバー

なんとサイドカバーの開閉に使うのです。中には車載工具と書類が入っていました。

GV125Sボバー メーター

メーターはデジタルとアナログの複合タイプですが、ODOの部分はシフトポジションやトリップ、時間などに表示変更できます。

GV125Sグリップ

しばらく走行しているうちに慣れましたが、樽型のグリップは手が小さい人は握りにくいかもしれません。

GV125Sボバーのシート

メインシートにはダイヤステッチが入っており高級感を演出、タンデムシートも広めなので積載する際にも重宝します。

GV125Sボバーのタイヤ

フロント16、リア15インチ。幅はフロント120、リア150mmの太いタイヤを装備しています。

GV125Sボバーの足つき

GV125Sボバーの足つき

GV125Sボバーのシート高は710mm、車両重量は165kg。

筆者の身長は164cm、体重62Kg、試乗した日のライディングブーツのソール厚は1.5cmでした。

跨ってみるとシートが絞り込まれているので、股が広がらず足をまっすぐに下ろすことが可能で、サスペンションがしっかり沈むので踵まで両足ベッタリでした。

座面の広いシート後ろに座るとサイドカバーで股が広がりますが、それでも両足着くので不安はありません。

車両重量165kgは125㏄としては重量級ですが、両足ベッタリつくこともあり跨ったまま押し引きするのも楽でした。

ブレーキのタッチは癖あり

GV125Sリアブレーキ

走り始めて最初に感じるのはリアブレーキの強烈な違和感。

125ccクラスはコンビネーションブレーキかABSの装備が義務付けられていますが、スクータータイプではないフルサイズ車両でコンビネーションブレーキを装備しているのは稀です。

そのためいつも通りにリアブレーキを操作してしまうと制動力がガッツリ効いてしまい、ギクシャクしてしまうのです。

フロントブレーキもかけ始めからカッチリ効くので、乗り始めて10分ぐらいはブレーキの操作に慣れませんでした。

しばらく乗っているとフロントブレーキを先に弱めにかけて、リアブレーキを追加する操作方法に慣れてくるので違和感はなくなりました。

クルーザーならではのドコドコ感が気持ちいい

2気筒エンジンを搭載していると聞いて、勝手にエンジンが鋭くふけあがる特性を想像していましたが、完全に予想は裏切られました。

よく考えればGV125Sボバーはローロングスタイルのクルーザーなのです。CB125RやGSX-R125のようなスポーツモデルとはキャラクターが違います。

アクセルの入力に対してエンジン回転数の上がり方がゆったりしていますが、6000~7000rpmぐらいから加速にメリハリがつき始めます。

GV125Sボバー走行画像

試乗当日は風が強かったのですが、橋の上を走行した際も煽られにくく、太いタイヤ、低い重心のお陰で125㏄とは思えない安定感。

プリロード調整機能付きのリアサスペンションもしっかりとダンパーが効いており、乗り心地も良好ですが、シートが若干硬いからか1時間ほど走っていると多少尻へのダメージを感じました。

長距離走行時は乗車位置を座面の広いシート後方にした方が良さそうです。

ハンドリングは前後に太いタイヤを装備しているからか、倒しこむ際に多少抵抗がありますが狙ったラインから外れるほどではありません。

ただコーナリング中にリアブレーキをかけてしまうと、フロントブレーキも同時にかかるコンビネーションブレーキが効いてしまうので注意が必要です。

GV125Sボバーの燃費

GV125Sボバーには燃費計がついていないので、今回は満タン法で測定してみました。

結果は40.0km/L。

タンク容量は12.5Lなので、単純計算で500kmは走行できることになりますが、400kmあたりで給油すると良いでしょう。

他にはない125㏄ボバースタイルは走行性能も異質でした

今や希少になってしまったV型2気筒エンジンのドコドコ感が心地よく、早めにギアをあげて低い回転をキープしていると、どこまでも走っていきたくなります。

2気筒エンジン搭載と聞いてスポーティーな走りを期待してしまいましたが、見ため通りのクルーザーらしい走りは他の125㏄では体験することができません。

海外製の場合はメッキや塗装の質が気になることもありますが、GV125Sボバーは各所パーツの質感が高いのにも関心。

所有欲を満たす125ccバイクが欲しいという人にも自信をもってお勧めしたい一台です。

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