Kabuto最強の静粛性フルフェイス F-17実走レビュー

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行
国内ヘルメットメーカーの生産が追い付いていない状態が続いています。特に人気の製品は品薄になっており、KabutoのフラッグシップF-17も例外ではありません。
ユーザーの需要に対して供給が追い付いていない状態が続いているようです。
普段はお貸出しをお願いすると色が選べたりするのですが、生産が追い付いていない事情もあってかホワイトのみでした。
KabutoのヘルメットはSHUMA、AEROBLADE6、RYUKIと使ってみましたが、フラッグシップモデルの性能はいかに?
今回はディテールを紹介しつつ、YZF-R3に試乗して性能をチェックしてみました。
F-17の付属品

箱は黒を基調にしたシックなデザインです。RYUKIやエアロブレード6とは違ったデザインが採用されており、フラッグシップモデルならではといえるでしょう。

ヘルメット用の袋もエアロブレード6やRYUKIとは異なるデザインです。SHOEIもX-15やOPTICSONなどのフラッグシップモデルは別デザインでしたが、レーシングヘルメットはエアロパーツが大きいので寸法が違うのかもしれません。

他のモデルではオプション扱いのピンロックシートが付属されます。筆者愛用のヘルメットでも使っていますが、真冬の雨天時でも曇りにくい効果があります。

説明書は内装やシールドの取り外し方、メンテナンスの方法などが図入りで書かれているので初心者ライダーでも困らないはず。内装パーツの互換性なども表記されていて親切です。

KabutoやF17のステッカーも付属されています。工具箱に張ったりするのに良さそう。

チンカーテンは帽体に装着されておらず付属されていました。静粛性をアップし、巻き上げ風の侵入を軽減するので必ず装着しておきたいところです

更にシールドと帽体の間にあるゴムのメンテナンス用にオイルとウエスが付属されています。使い方などは説明書に書かれています。

F-17はレース用ヘルメットではありますが、日常的な使い勝手にも配慮されていて、口元にインカムのマイクを設置しやすくするジョイントベースが付属されています。

差しこみで装着することが可能で、マイクを帽体に両面テープで固定する必要がなくなります。

なお口元のスペースには「フォーハイドレーションシステム」という表記を確認することができました。今後オプションなどで登場するのかもしれません。

価格に関しては単色が5万7200円、グラフィックモデルが6万3800円です。

単色はブラック、艶消しブラック、ホワイトの3色、グラフィックモデルは3種類用意されています。個人的な推しはグランツかトリックというグラフィックモデルなのですが、発売時期は未定となっていました。
規格に関してはSG、PSCの他にJISやレース用のMFJが取得されています。FIM公認レースに出場予定のライダーはF-17 RACINGというモデルも購入できるそうです。
F-17のデザイン

レース用ヘルメットなのでエアロパーツが目立ちます。後頭部の左右にはKabutoが特許を取得していて、他のモデルでも採用されるウェイクスタビライザー。
他のモデルだと帽体と一体になっていることが多いですが、こちらは透明スモークの素材に切り替えられていて形も大型です。揚力や空気抵抗を軽減する機構です。

後頭部上部にはクレストスポイラーを装備。比較的コンパクトに見えますが、風洞実験などで最も顕著に効果が確認できたサイズとの事です。

スポイラーから下にかけてはエッジが効いたデザインとなっていますが、下部分に掛けて鋭角に絞り込まれていて、こちらもスポイラーに見えます。

頬の部分も絞り込まれており、横から見るとスポイラーの影響もあり帽体が大きく見えますが、前から見るとコンパクトに見えます。
帽体はXS・S・M用とL用、XL、XXL用の3サイズ用意されています。帽体を増やせば金型がかかるので原価があがりますが、フラッグシップモデルらしく細かく用意されています。

Kabutoのロゴは額と後頭部下側、それとシールドの内側ライナー部分にも見つけることができました。こちらは金属のような立体エンブレムとなっていて高級感があります。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
Kabuto独自の最新空力技術を採用した『F17』が2023年もMotoGPに挑む! アレイシ・エスパルガロは1989年7月30日生まれ、スペイン出身の33歳。すでにベテランで2スト250ccクラスを[…]
使い勝手に磨きをかけ、トータルバランス向上 '17年に登場したエアロブレード5は、公道スポーツ向けのフルフェイス。軽量コンパクトな帽体と抜群の空力性能で人気を博した。筆者も気に入り、被っていたモデルだ[…]
総合トップはドゥカティ3年目のルカ・マリーニ! 3日間に渡って開催されたオフィシャルライダーのセパンテストが終了。3日目トータルで速さを見せたのはドゥカティ、最終日もドゥカティ&アプリリアが圧倒的な速[…]
出力アップはもちろん、空力&ライドハイトデバイスにより最高速は伸び続ける 最新のMotoGPマシンは、300psに迫る(クランク軸だと超えている?)パワーを出しつつ、そのパワーを空力デバイスと電子制御[…]
MotoGPのカテゴリー、マシンが変わっていく 2022年、空力デバイスはフロントカウルのみならず、リヤのシートカウルにも発展。ドゥカティは恐竜の背中のようなシートカウルをサマーブレイク明けのMoto[…]
最新の関連記事(Kabuto)
小椋&チャントラの若手が昇格したアライヘルメット まずは国内メーカーということで、アライヘルメットから。 KTM陣営に加入、スズキ、ヤマハ、アプリリアに続く異なる4メーカーでの勝利を目指すマー[…]
MotoGPがいよいよ開幕! プレシーズンテストや体制発表会の情報が続々と舞い込み、中にはSNSで2024年仕様のヘルメットを公開するライダーもちらほら現れていたので、レースファンの筆者としては、胸の[…]
SHOEI EX-ZERO MM93コレクション・マスター カブト リュウキ ビーム クシタニ スーパーテックR2×プロトコアレザーモデル ワイズギア 2023鈴鹿8耐ハット ヨシムラジャパン Dax[…]
ツアークロスの最新作!〈アライヘルメット ツアークロスV〉 帽体はオンロード寄りの丸みを帯びた形状で、額にはアストロGXと同様のフロントロゴダクトを装備。バイザーとシールドがワンタッチで脱着でき、アド[…]
システムヘルメットの草分け〈SHOEI NEOTEC II〉 フェイスカバーやシールドが帽体と重なる部分をシェイプし、開閉しやすく2段にロックできるフェイスガードや、優れたベンチレーションなど安全性や[…]
最新の関連記事(ヘルメット)
【受注期間限定】SHOEI「EX-ZERO」新色モスグリーン 「EX-ZERO」は、クラシカルな帽体デザインにインナーバイザーを装備し利便性に優れる一方で、着脱式内装システムや、万一の際にヘルメットを[…]
SHOEIは、2025年5月9日に東本昌平のイラストをSNSで公開。このとき「WYVERN(ワイバーン)」を被っているライダーが唐突に現れたことから、もしや復活ではとの噂が立ったが、2025年6月2日[…]
ビヨンド・ザ・タイム(時を超えて) 「かわす性能」でライダーの頭を護り続けるアライヘルメットが、オールラウンドフルフェイス「アストロGX」の新グラフィックモデル「アストロGXビヨンド」を発売する。 ア[…]
高品質な『ラメ感』を演出する特殊塗装を用いたデラックス仕様 『CLASSIC AIR』は、フェイスガードを持たないオープンフェイスヘルメットで、帽体部にベンチレーションホールやスポイラーをいっさい装備[…]
イギリスやヨーロッパのレースファンが待望するIOMTT 2025年モデルが登場 アライヘルメットはマン島TT(IOMTT)を40年にわたってスポンサードしており、ライダーの安全を守り続けてきた。そのた[…]
人気記事ランキング(全体)
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
『Wheels and Wavesフェスティバル』にカスタムマシン×11車を展示 6年目を迎えたHondacustoms(ホンダカスタムズ)、過去にはCB1000Rやレブル、CL250/CL500、モ[…]
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
アメリカは”英国車マニア”多し! この1956年製MGAはご覧の通り左ハンドルで、最初から北米仕様だったもの。そもそも、アメリカは英国車マニアが数多く存在しており、1950年代どころか1930/194[…]
最新の投稿記事(全体)
「パンヘッドのチョッパーに乗りたい」理想像を具現化 目の肥えたファンが集まるカスタムショーに大きなブースを構え、絶え間なくハイレベルな作品を発表し続ける遠藤自動車サービス。その確かな技術力/信頼性の高[…]
2023年モデル:400クラス唯一のクルーザーとして復活 発売は2023年4月25日。先代となるエリミネーター400から実に15年ぶりの登場で、エリミネーター/SEの2グレード展開だった。 ニンジャ4[…]
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
フレンドリーさも持ち合わせていた名機’89 NSR250R 1986年に初登場した2ストロークレーサーレプリカの名車、NSR250R。登場から30年以上が経過した現在でも、型式を問わず根強い人気を誇っ[…]
幻のヤマハロータリー〈RZ201〉 1972年東京モーターショウの最大の話題は彗星のように登場したこのローターリー車だ。水冷・横置きツインローターを搭載、また前輪とともに後輪にもディスクブレーキを採用[…]