水冷エンジンを搭載したクラシックバガー〈インディアン チーフテン パワープラス〉

フロントフォークに大型カウルを装着したクラシックスタイルの大型クルーザー・インディアン チーフテンがフルモデルチェンジを受けた。ここではその詳細を紹介しよう。
●文:河野正士 ●写真:インディアン・モーターサイクル ●BRAND POST提供:インディアン・モーターサイクル
チーフテン パワープラス
排気量1834ccのVツインを高回転まで回して走る痛快さ
インディアン・モーターサイクル(以下インディアン)の「チーフテン」は、モデル名を「チーフテン パワープラス」に変更。挟角60度V型2気筒OHC4バルブの“パワープラス”エンジンをベースに、ボアをわずかに広げ排気量を1834ccへと拡大。エンジン名“パワープラス112”を搭載した。
【レースの現場で開発】パワープラス112エンジンは、それまでのパワープラス108エンジンからボアを2mm広げ、排気量を108ci/1768ccから112ci/1834ccへと拡大している。開発の段階では、あらゆる仕様を試したという。
【パワープラス112は4モデルに搭載】排気量を拡大したパワープラス112エンジンは、チーフテン パワープラスのほか、ロードマスター パワープラス/チャレンジャー/パースートにも搭載。
その水冷エンジンをフレームの一部として使い、アルミ製のバックボーンフレームを中心にいくつかのセクションに分かれたアルミ鋳造フレームでシャーシを構成するプラットフォームを、フラッグシップモデル=チャレンジャーから譲り受けたのだ。
また、燃料タンク/シート/リヤフェンダーまわり/左右大型バッグといった外装類もチャレンジャーと共有。唯一の違いはフロントカウルだ。チーフテン パワープラスは、新たにデザインした大型カウルをフロントフォークにマウントする。
【手作りでしか生まれないデザイン】デジタルツールも活用しながら、造形用粘土/クレーを使ったデザイン作業を大事にしている。チーフテン パワープラスの新型カウルはチャレンジャーのカウル形状がデザインモチーフ。
それらによって、チーフテン パワープラスの走りのパフォーマンスは大変貌を遂げた。筋肉質になったフロントカウルは低く構え、タンクからリヤフェンダー後端まで流れる美しいボディラインが若々しさと軽快さを演出。その車体をワインディングで走らせても、短い助走の高速道路合流地点からクルマの流れをリードするほど一気に加速させても不安を感じることはない。むしろ低中速域を多用する市街地ではハンドル操作の軽さに驚き、ワインディングではハンドル操作に対する車体の軽快な反応に興奮し、高速道路では速度の上昇に合わせて高まる安定感にワクワクする。
レブリミット近い6000rpmあたりまでエンジンを回して走らせるのも痛快だ。バランッバランッ! というアイドリングから、クラッチを繋いでエンジン回転を上げていくと、車速の上昇とともに2気筒エンジンの爆発のビート間隔が縮まる。5000rpmあたりからビィーンッとビートが繋がり、まさに胸がすくような加速を味わうことができる。重量も質量もスポーツモデルとは異なるチーフテン パワープラスの加速は、ほかでは体感できないだろう。
チーフテン パワープラスを含め、インディアンの各モデルたちは多くの電子制御デバイスを装備。ライダー操作をサポートしながら快適性と安全性を高めている。しかしながら、メカニズムが生み出す圧倒的なフィジカル体験こそがチーフテン パワープラスの魅力と言えるだろう。
ぜひ多くのバイク乗りに、この痛快な体験をお薦めしたい!
チーフテン パワープラス写真解説
【若々しくコンパクトなスタイル】クルーザーカテゴリーにおいて、フォークマウントのカウルはクラシカル、フレームマウントのカウルはモダンと分類される。カウルを車体に近づけ、低くコンパクトな車体で若々しさと軽快さを演出。また防風性を高めながら、軽量コンパクトにカウルを仕上げることで、カウル装着に対するネガを減らす努力が積み重ねられている。
【筋肉質になったフロントカウル】ヘッドライト上の2つのエアインテークや両サイドのキャラクターラインは、チャレンジャーからインスピレーションを受けている。
【リヤレーダーで安全性を向上】ライダーアシストパッケージを選ぶと、「ブラインドスポットワーニング」などBOSCH製ミリ波レーダーによる後方視界サポート機能が追加。
【最適な前後ブレーキを提供】フロントにはブレンボ製ブレーキキャリパーを装備。走行中のブレーキ操作時には前後最適にブレーキ比率を分散するシステムを搭載。
【快適性向上のアイテムたち】可動式スクリーン/178mmタッチスクリーン/速度&エンジン回転計の2眼メーターにスピーカーを装備している。
【エンジンも活用する強靱なシャーシ】エンジン上部にレイアウトされるメインフレームのほか、ラジエターを囲うようなアルミ製アンダーチューブもエンジンを懸架。
【冷却性能を高め高性能化を実現】アイドリング時に一定の条件を満たすと後ろシリンダーだけ爆発を自動的に休止する、気筒休止システムも搭載している。
ライディングポジション
低く構えたカウルにあわせてグリップ位置は幅広で低い。フルロックでUターンするときなどは上体を前傾させる必要があるが、それ以外はごく自然なライディングポジションを採ることができる。[身長170cm/体重65kg]
主要諸元
- サイズ:全長2503×全幅1066×全高1237mm 軸距1668mm シート高672mm 車重366kg(乾)
- エンジン:水冷4スト俠角60度V型2気筒SOHC4バルブ 1834cc 126ps 18.49kg-m/3800rpm 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量22.7L
- ブレーキ:F=Wディスク R=ディスク
- タイヤ:F=130/60B19 R=180/60R16
- 価格:453万円〜
- 発売時期:未発表
ロードマスター パワープラス
チーフテン パワープラスをベースに、より大型のスクリーン/大容量トップケース/ステップボード前ロアカウルなどを追加した豪華装備のツーリングモデルが「ロードマスター パワープラス」だ。追加装備以外はすべてチーフテン パワープラスと同じディテールを採用しているが、ロードマスターは追加装備によって車体重量が40kgほど増加。それによって重心位置がやや高くなり、ライダー操作に対する車体の反応も異なるが、決して鈍重ではない(ブルーの車体はオプションパーツ装着車)。
- エンジン:水冷4ストV型2気筒SOHC4バルブ 1834cc 126ps 18.49kg-m/3800rpm
- サイズ:車両重量:407kg(乾) シート高672mm 22.7L
- タイヤ:F=130/60B19 R=180/65R16
- 価格:523万円~
- 発売時期:未発表
※本記事はインディアンが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。