絶版車や旧車のキャブレターメンテナンスに不可欠なフューエルジョイント用Oリングまで完備する燃調キット

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吸排気系の仕様変更やエンジンコンディションに応じて、純正キャブレターのセッティングを可能にするのがキースターの燃調キットの特長ですが、同時に絶版車や旧車用キャブのオーバーホール用パーツとしても重宝されています。長期間ガソリンが抜けた状態で放置されたキャブのゴムパーツは収縮やヒビ割れが発生することが多いですが、燃調キットには最も重要であると同時に注文を忘れがちな連結パイプ用Oリングも入っています。その部品の重要性をホンダ CB1000SFのキャブレターを例にし説明します。

●BRAND POST提供:KEYSTER 岸田精密工業

備えあれば憂いなし。オーバーホール時に交換しておきたいOリング

ホンダCB750フォアやカワサキZ1/Z2の時代から、4気筒車用4連キャブレターのガソリン供給に使われてきたのがフューエルジョイントパイプです。

メーカーや機種によって部品名が異なることもありますが、燃料タンクから燃料チューブを通ったガソリンは1カ所または2カ所のジョイントにつながり、そこから各キャブレターのフロートチャンバーに流れていきます。フューエルジョイントパイプを使用することで、4つのフロートチャンバーにそれぞれ直接チューブを接続する煩雑さがなくなり、キャブ全体をコンパクトに連結できるメリットもあります。

ところが長い年月を経たキャブレターにとって、このフューエルジョイントパイプが鬼門となることがあります。ガソリン漏れを防ぐためにセットされたOリングに亀裂が入ったり、ゴムが痩せることでガソリン漏れが生じることがあるのです。

常にガソリンが流れていれば、つまり普段から頻繁に乗っているバイクにはあまり発生しない事象のようですが、しばらく乗らない期間があり、Oリングが乾いてしまうと劣化が進むようです。

同様の劣化はフロートチャンバーガスケットでも起こりますが、キャブレターボディとフロートチャンバーは密着しているため、ガスケットが劣化してもフロートチャンバーを外さない限り漏れにつながる例は少ないようです。

ただし一度フロートチャンバーを外すと、柔軟性を失ったガスケットは気密性を維持できず、合わせ面からのガソリン漏れを引き起こすリスクが高まります。これに対してフューエルジョイントパイプは、フロートチャンバーのようにビスなどで固定されているわけではなく、Oリングの弾性に頼っているためゴム自体の劣化がガソリン漏れに直結してしまいます。

そうした特性がありながら、いざキャブレターをオーバーホールしようという段階で忘れがちなのがこのOリングです。洗浄する際もセッティングをする際も必ず取り外すフロートチャンバーのガスケット交換が必要なことは誰もが理解していますが、連結されたキャブを切り離すつもりがなければ、フューエルジョイントパイプは意識しないのかもしれません。

しかし先の通りゴムの劣化は確実に進行しており、オーバーホールや清掃後に新たガソリンを流した途端にジョイントからポタポタ……とお漏らしを始めることも珍しくありません。

機種によっては、例えばカワサキZ1/Z2はジョイントパイプ自体がラバーコーティングされたような表面仕上げで、ガソリンが漏れた場合はパイプ交換が必要です。一方ホンダCB750フォアはジョイントパイプに別部品のOリングが組み付けられているので、Oリングだけの交換が可能です。

後者の場合、キャブレターオーバーホールの際にあらかじめOリングも用意しておけば良いのですが、しかし多くのユーザーが「多分大丈夫だろう」とOリング交換なしで作業を進めてしまいます。「この部品の重要性に気づかず発注を忘れて作業を始めてしまった」、「4連キャブを分解すると組み立て後に同調調整が必要で面倒だ」などといくつかの理由がありますが、結果的に組み立て後にガソリンが漏れて泣くという結末を迎えることが多いようです。

キースターの燃調キットは、メインジェットやパイロットジェットやジェットニードルの変更によって純正キャブレターのセッティングを可能にする吸気系のチューニングパーツです。しかしフューエルジョイントパイプにOリングが組み込まれるキャブレター用のキットには、この部分のOリングもセットしています。

純正フューエルジョイントパイプにOリングが組み込まれるタイプのキャブレターは、燃調キット内に交換用Oリングが含まれている。4連キャブを分解すると組み立てや同調調整が面倒なので、多くのユーザーはできればOリング交換は避けたいと思うはずだが、絶版車のゴム部品は賞味期限切れになっている場合が多い。それを見越して燃調キットにOリングを加えているのはキースターの慧眼である。

それだけでなく、キャブボディ内部の気圧を調整するベントパイプにOリングが使われている機種はこれも含まれています。

ジェット類だけでなく、あらかじめゴム部品まで燃調キットにセットしているのは、キースターがキャブレター部品の専門家として絶版車の実情を理解しているからです。

ジェット交換のためにフロートチャンバーを外せば、フロートチャンバーガスケットがカチカチに硬化したり膨潤している可能性があるのと同様に、フューエルジョイントパイプのOリングも相応に劣化していることは想像に難くありません。

そこで交換が必要となる部品を最初から燃調キットに加えておくことで作業の二度手間を防ぎ、ジョイント部からのガソリン漏れを懸念することなくユーザーが安心して乗れる準備を整えているのです。

この至れり尽くせりの部品構成は燃調キットならではの配慮であり、キャブレターパーツを作り続けてきたキースターならではのノウハウの結集と言って良いでしょう。

CB1000SFの場合

5年ほど倉庫で放置されたホンダ CB1000SFの不動車。キャブレターのオーバーホールシーンを例にとって紹介します。

PROJECT BIG-1コンセプトの基、1992年に発売されたホンダCB1000スーパーフォア。400とともにモデルチェンジを繰り返しながら長く人気を保ち続けているスーパーフォアシリーズの初期モデルもすでに発売から30年を経過。コンスタントに乗り続けていれば各部の摩耗も進行し、長く不動期間があった車両ではゴム類の劣化も進んでいるはずだ。

この車両は5年ほど倉庫内で保管された長期不動車。保管前に燃料タンクを空にしてフロートチャンバー内のガソリンも抜いておいたため、タンクのサビやキャブ内部でのガソリン劣化は免れたものの、再始動を前にキャブレターの清掃を行う。ファンネルにはワニス状の汚れが堆積しているが、走行距離が6万km近いことを考えれば妥当だろう。

パーツクリーナーで外観を清掃し、ジェットやニードルを燃調キット内のパーツに交換する。念のためにニードルバルブも交換して、サービスマニュアルを参考にフロート高さを確認、調整を行った。負圧キャブレターの要であるバキュームピストンのダイヤフラムは、30年を経過した現在も柔軟性は充分。

清掃とパーツ交換が終わってガソリンを流すと、案の定フューエルジョイントパイプからガソリンが漏れ出した。さほど汚れていなかったので漏れないことを期待したが、30年分の劣化は確実に進行しているようだ。5年間の不動期間中、ガソリンが触れずカラカラに乾いていたのもOリング劣化の原因のひとつ。ガソリンに浸りすぎると膨潤し、枯れるとヒビ割れが生じるOリングは定期的に交換すべきパーツだ。

このキャブは2本の長ボルトで4つのキャブを連結しており、フューエルジョイントパイプは1、2番キャブと3、4番キャブをつないでいる。キャブによっては4つのボディをすべてジョイントパイプでつなぎ、1本の燃料チューブでガソリンを供給しているものもある。連結状態を解除することでスロットルバルブを同期させるリンクが外れるため、組み立て後は同調調整が必要。

T字型のフューエルジョイントパイプ端部のOリングは経年劣化によって縦に裂け目が入っており、これがガソリン漏れの原因となっていた。外部から耐ガソリン性の液体ガスケットを塗るごまかし修理もあるが、チューブに引っ張られてジョイントパイプの向きが変わると簡単に漏れてしまう。手間は掛かるがOリングを交換する根本対策を行うのが正解だ。

左からフューエルジョイントパイプ、ベントパイプ、バキュームチャンバー用チューブジョイントで、燃調キットにはすべてのOリングが付属する。純正部品をひとつずつピックアップしているとパーツリスト上で見落とすリスクがあるが、機種別に設定された燃調キットなら、純正キャブのオーバーホールやセッティングに必要な部品が間違いなく手元に揃う。


※本記事はキースターが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。