レストア済車両を購入したが、たいして走行距離を重ねていないのに「なんだか調子悪くて乗らなくなって…」 そんなバイクを所有している仲間がいたので、この機会にコンディション確認してみると……。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:キースター(岸田精密工業)
美しい仕上がりのフルレストア車両でも不調に…
バイク仲間が所有するホンダCL250。最近見かけないのでどうしたのと尋ねると、「キャブからガソリンが漏れてエンジンが調子悪く…」とのこと。『モトメカニック』誌が不動車企画を展開する中では、うってつけの初級コンディション!? バイクをお借りして、企画題材車に決定。
さっそくキャブへガソリン注入。確かにオーバーフロー!? というよりもジャバジャバ流れる印象だ。患部を確認すると、燃料ホースを差し込む周辺だったので、当初はボディ側真鍮パイプの圧入不良? のような気がした。それにしてもひどく流れるので、燃料ホースを確認すると、二重管の内側には縦ヒビが何か所も発生。これではガス漏れが止まらないので、まずは燃料ホースを新品に交換。そして、キャブレターを分解。キースター製燃調キットの適合モデル用を購入して、インナーパーツの交換に取りかかった。
そんな作業進行時に気が付いたのは、フロートチャンバーガスケットのOリングが完全にプラスチック化していたこと。まったくシール性がなく、ガス漏れが起きても不思議ではない状況だった。また、フロートバルブシート用Oリングも痩せてスカスカ状態。見た目は美しく仕上げられていても、これでは…。
キャブの分解洗浄と組み立て復元後は、再びメンテナンス用点滴タンクを接続してガソリン注入。しばらく待ってもガス漏れはなく、チャンバードレンを緩めたらガソリンが流れ出た。これでキャブは調整を残すのみだ。ブースターケーブルをつないでセルボタンを押すと、いとも簡単にエンジンは始動してくれた。
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