経年変化に合わせたセッティングを
旧車キャブレターのフルレストアにチャレンジ【キースター燃調キットを利用】
- 2020/7/4
ノーマルエンジンだからノーマルセッティングで良い、という考えは、あくまで新車コンディションのときに通用するお話であって、経年変化でエンジンコンディションや吸排気コンディションが変化すれば、その状況に合わせたセッティングこそがベストだと考えられる。そんなベストを追求したいユーザーにも好評なのがキースター製「燃調キット」である。
オーバーホールの必須アイテム、キースターの「燃調キット」
サンデーメカニックにとって、もはやなくてはならないパーツが、キースターの「燃調キット」だろう。国内4メーカー製を中心に、人気の旧車用キャブパーツをキット化して販売。最近では、ユーザーニーズに応え富士重工の「ラビット」用キャブパーツも各種販売し好評だ。
オーバーホールと言えば、まずはガスケットセットが必要不可欠。キャブのコンディションによっては、フロートバルブセットやジェットニードル&ニードルジェットセットなども必要になる。
メーカー純正部品は信頼できるが絶版品も多く、仮に購入可能でも、フロートバルブ1セットだけで1ボディ分の燃調キット価格を越えてしまう実例もある。そんなコストパフォーマンスも受け入れられ、様々なモデル用燃調キットが続々と開発販売されている。

キースター製燃調キットには、番数違いのメインジェットやスロージェットだけではなく、ジェットニードルやニードルジェット、フロートバルブセット、さらに関連ガスケットの大半がキットパーツになっている。 [写真タップで拡大]
ここでは、本誌スタッフが実践したキャブレターのオーバーホール例を紹介しよう。釜茹でにしたキャブレターを完全に分解。ネットオークションで購入した4連キャブは、スロットルバルブが完全に固着。指先では開閉不可能だった。
完全分解後の金属パーツ、例えば、スロットルリンク周りや各種ボルトにはワイヤーバフ(ステンレスワイヤーバフで磨く)を掛け、再ユニクロメッキ処理に依頼。近年メッキ屋さんは、WEBサイトを持っている業者も多いので「再メッキ ユニクロメッキ」などで検索することで、再メッキ業者さんを何件も見つけることもできるようになった。
今回はパーツ単位で仕上げてから、キースター製燃調キットを利用し、各気筒を組み上げている。このような仕上がりを得られれば、視覚的にも性能的にも、大満足なはずである。是非とも、次のオーバーホール機会にはチャレンジしてほしい。

4連キャブは、『モトメカニック』編集スタッフが仕上げたカワサキZ650通称ザッパー用キャブレターだ。分解全バラと同時にメッキ部品は再ユニクロメッキで仕上げ、それにより美しさが一気に増している。 [写真タップで拡大]

キャブパーツの老舗として知られるキースターブランドの岸田精密工業。ガスケット素材も進化しており、左から耐ガソリン性の紙ガスケット。真ん中は同高密度紙ガスケット。右はキャンバス入り(繊維入り)耐ガソリン性ラバーガスケットだ。 [写真タップで拡大]
●取材協力:キースター(岸田精密工業)
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※この記事はバイクいじりの専門誌『モトメカニック』に掲載したものを加筆修正したものです。最新の雑誌は書店もしくは下記サイトにてお買い求めください。
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