スーパーバイクマシンで実績のあるSHOWAバランスフリーサスペンションをカワサキZ900RS用に限定販売!アドバンテージがマーケティングに協力したサスペンションキットとは

  • 2022/05/18
  • 【BRAND POST】アドバンテージ

アドバンテージは創業以来、フットワークのプロショップとして日本のメーカーとの協業による自社ブランド製品の開発を行っています。市販車、レース用マシン向けにサスペンションを製造するSHOWAとも、アドバンテージSHOWAとして数多くの製品を作り出してきました。新たにリリースされた話題のZ900RS用サスペンションキットにも、アフターマーケットにおいて30年に渡ってSHOWA製品を取り扱ってきたアドバンテージの知見が反映されています。

●BRAND POST提供:アドバンテージ

テレスコピックサスペンションに革命をもたらしたZX-10R用バランスフリーフロントフォークとリアショック

自動車部品メーカーにとって、完成車メーカー向けの部品供給と自社ブランドイメージの確立は常にバランス取りが難しい問題です。特に日本の部品メーカーは市販車に採用されることで数的なボリュームを稼ぐことが重要で、自社ブランドを前面に押し出してアピールすることに遠慮気味というイメージがあります。

とはいえ、部品メーカーは自社の技術力や能力を活用して独自に製品開発を行っています。市販車レースの最高峰であるワールドスーパーバイク選手権で6年連続世界チャンピオンを獲得したジョナサン・レイ選手のカワサキZX-10RRを支えたSHOWAバランスフリー・フロント・フォーク(BFF)、バランスフリー・リアクッション・ライト(BFRC-lite)は、テレスコピックサスペンションの構造的な弱点を完全に克服し、2016年より市販モデルのZX-10Rにも装着されている高性能パーツです。

正立フォークでも倒立フォークでも、通常のフロントフォークはピストン自体に積層シムやオリフィスなど減衰力を発生させる通路を持っています。フォークがストロークする際にフォークオイルがこの部分を通過する際に発生する抵抗が減衰力となりますが、ピストンの作動スピードによってピストンの表裏に圧力差が生じることがあります。

この時、圧力が急激に低下した側でフォークオイルに気泡(キャビテーション)が発生すると、減衰力を発生させる通路に気泡が混入するため、安定した減衰力が得られなくなります。これは荷重の変化が大きいモータースポーツで大きな問題となるのはもちろんですが、公道やワインディングでもライダーに不安感を抱かせる要因となります。

SHOWAが開発したBFFは、フォークに内蔵するピストンと減衰力発生機構を完全に切り離しているのが大きな特徴です。インナーチューブ内のピストンは、注射器のピストンと同様の単なる円盤で、圧縮行程ではボトムケースに向かってフォークオイルを押し出します。押し出されたオイルはボトムケースに取り付けられたプラグボルトCOMPと呼ばれるバルブを通過する際に減衰力を発生し、通過したオイルはピストンの背面に戻ることで圧力バランスが変動せず、必要な減衰力をレスポンス良く発生します。

また円筒形のタンクはリアショックのリザーバータンクと同様に窒素ガスが充填され、プラグボルトCOMP部分のフォークオイルが泡立たないよう加圧しています。

このフロントフォークはワールドスーパーバイクだけでなく、日本のJSBクラスでも実績があり、一般的なライダーが真っ直ぐ走るだけでも違いが分かるサスペンションとして高く評価されています。

リアショックのBFRC-liteもBFFと同様に、ピストンと減衰力発生機構を分離することでストローク時の圧力バランスの変動を極限まで抑えて減衰特性を安定させられることが大きなメリットとなっています。

どちらも高次元の性能を要求されるレース用サスペンションとして開発された製品ですが、サスペンションにとって不可欠な減衰力発生にかかわる問題を根本的に解決した点において、ストリート向け車両にも応用可能なエポックメイクな技術となったのです。

Z900RS|SHOWA|フロントサスペンション

減衰力調整は伸び側、圧側ともボトムケース側にあるため、アウターチューブ上部にはスプリングのプリロード調整のみが装着される。 [写真タップで拡大]

Z900RS|SHOWA|フロントサスペンション

BFFのロゴが入った筒に高圧の窒素ガスが封入されており、右下のプラグボルトCOMP部分のフォークオイルを加圧する。圧側と伸び側のバルブはプラグボルトCOMPの同軸上に配置されており、インナーチューブ側のピストンに押されたオイルが通過する際に減衰力を発生する。構造はZX-10R用と同じだが、Z900RS用ホイールやブレーキがボルトオンで装着できるよう、ボトムケースは新作の削り出し部品を開発。 [写真タップで拡大]

NISSIN|ブレーキキャリパー

ラジアルマウントキャリパーの取り付けピッチは108mm。Z900RS SEモデルはブレンボ製キャリパーのピッチが100mmのため、別途ピッチ108mmのNISSINモノブロックキャリパーが必要。SEモデル用キャリパーとはホース取り付け位置が変わるため、ブレーキホースの変更も必要。 [写真タップで拡大]

Z900RS用サスペンションキットにマーケティングで協力。アドバンテージネームがなくとも即完売!

今春、全世界初回50セットが発売されたZ900RS用サスペンションキットは、スーパーバイクモデル用に開発されたBFF&BFRC-liteをネイキッドのZ900RS向けに専用チューニングしたカスタムパーツです。

Z900RS|SHOWAサスペンション|前後

Z900RSの純正フロントフォークも倒立式でラジアルマウントブレーキキャリパーを装着するが、BFFキットはインナーチューブ径がφ41mm→φ43mmとなり、削り出しボトムケースに減衰力を生むプラグボルトCOMPや窒素ガスタンクなどが付くなど、スポーティなイメージが強調される。 [写真タップで拡大]


このZ900RSサスペンションキットにアドバンテージの名称はありません。アドバンテージSHOWAと名の付く製品はアドバンテージが企画を主導する製品ですが、今回のZ900RS用キットはSHOWA主体で開発された製品だからです。

冒頭で触れたように、自動車部品メーカーは完成車メーカーから求められる製品を開発製造しながら、自らの技術力を広く発信することも求められています。特に自動車業界全体がEV化などで大きく揺れ動く中、いわゆる系列を越えた生き残り戦略も必要になってきます。そうした中でSHOWAブランドも自ら世の中にアピールするため、人気機種であるZ900RS向けにBFF&BFRC-liteを企画し製品化しました。

ただ、製品名称にこそアドバンテージの名前は付かないもののマーケティング、具体的には価格設定では大いに関与しています。かつてSHOWAではZX-10R用キットパーツとしてフロントフォークとリアショックを発売したことがありました。その価格がフロント88万8000円(税抜)、リア22万2000円(税抜)だったことも大きな話題になりました。

それに対してZ900RS用サスペンションキットは、総削り出しで製造されたアクスルホルダーを装備するフロントフォークは30万円(税抜)です。ZX-10R用の純正BFRC-liteのボディが鋳造なの対して、ダンパーボディとロアマウント部の双方を高強度かつ温度変化による変形の少ない鍛造で製造したリアショックは18万円(税抜)です。純正部品とはひと味違う加工で作られ、専用セッティングが施されたボルトオンパーツであることを考えれば、これはバーゲンプライスと言って過言ではないでしょう。

アフターマーケットで自ら直接製品を販売する機会が少ない自動車部品メーカーに対して、ユーザー向けに数多くの製品を開発販売してきたアドバンテージは、性能と価格のバランスを取るノウハウがあります。製品開発や技術力に長けたメーカーに、用品店やユーザーに直接商品を販売するアドバンテージがさまざまなアドバイスを行うことで、Z以前とはまったく異なる価格による製品化が実現したわけです。

Z900RS|SHOWA|リアサスペンション

スプリングとプラグボルトCOMP、窒素ガスタンクキャップのカラーリングがアクセントとなるBFRC-liteリアショック。ショック全長やマウント部分の寸法をZ900RSにボルトオン装着できるよう設定すると同時に、プラグボルトCOMP部分とロアマウント部分を鍛造製法で製造。純正部品では鋳造が当たり前だが、強度や耐久性では圧倒的に鍛造が優れている。 [写真タップで拡大]

Z900RS|SHOWA|リアサスペンション

プラグボルトCOMPの減衰力調整は右が圧側、左が伸び側となる。フロントフォークと同様にダンパーピストンにバルブやシムはなく、ピストンに押し出されたオイルはすべてプラグボルトCOMPを通過する際に減衰力を発生する。エンドアイ部分に車高調整機能も装備する。 [写真タップで拡大]

Z900RS|SHOWA|リアサスペンション

鋳造より強度の高い鍛造を採用したロアマウント部分。アルミ削り出しのスプリングプリロードはリモートタイプの油圧式でライダーの体重やタンデム走行などシチュエーションに応じて素早く調整できる [写真タップで拡大]

アドバンテージSHOWAとしなかったことで、このZ900RS用サスペンションキットはSHOWAディーラーであれば全世界で購入可能です。そしてアドバンテージは日本国内でサービス契約、メンテナンス契約、販売契約をSHOWAと正式締結している数少ない代理店として、このキットを積極的に取り扱っています。

戦略的な価格設定を進言した全世界初回50セットのサスペンションキットはあっという間に完売し、SHOWAでは次回分は未定ということです。アドバンテージはこの30年間、日本の部品メーカーが持つ素晴らしい技術力や性能を埋もれさせるのはもったいないと常に考えてきました。今回の例のように自社のブランド名がなくても、アドバンテージはこれからも日本の部品メーカーの優れたパーツをユーザーに提供していきます。

※本記事はアドバンテージから寄稿されたものであり、著作上の権利および文責はすべて寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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