’04年型の初代CBR1000RRから継続採用されてきたユニットプロリンク式のリヤサスは、’20年型のRR-Rでついに廃止されることになった。完全新設計のフレームとユニットプロリンクにかわる新たなサスペンションマウント方式を採用し大幅なアップデートを狙う。本稿ではエンジン解説編で解説した絶大なパワーを受け止めるシャーシについて解説する。
ユニットプロリンクから脱却を図った新シャーシ
’04年型の初代CBR1000RRから継続採用されてきたユニットプロリンク式のリヤサスペンション。これはMotoGPマシン譲りの技術ではあるが、’02年型RC211Vに由来するもので、もはや最先端とは呼べない。そこでRR-Rにはより現代的な設計を施し、車体構成をアップデートさせた。
とはいえ、フロントまわりに対するリヤからの応力による影響を分散し、メインフレームの軽量化や剛性最適化を図れるリヤサス構造という点では、新型はユニットプロリンクに近い。エンジンを車体の強度部材として積極的に活用し、その後部にリヤショックの上側をマウントすることで、これらを達成しているからだ。
メインフレームの剛性バランスは精密に調整され、従来型と比べて縦剛性は18%、ねじれ剛性は9%アップさせながら、横剛性は11%減らしてある。生産工程までにも手を加えて、左右の「く」の字をつなぐクロスメンバーを完全に撤廃。これはリヤショックをエンジン後部にマウントする設計だからこそできる設計で、メインフレーム単体重量の削減にもつながっている。
ホイールベースは、従来型より50mm増の1455mm。キャスター&トレールは24度/102mm(従来型は23度/96mm)とディメンションも完全刷新され、安定性向上も図られている。
シートフレームまでも完全新設計
’20年に新登場するCBR1000RR-Rの詳細解説、次稿では前モデルをベースに高精度化された電子制御システムについて紹介する。
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