「初の4気筒! 」ヤマハの歴史を変えたミドルマルチ:1980ヤマハXJ400【あの素晴らしい名車をもう一度】

XJ400

1975年、自動二輪免許は小/中/大の3区分となった。当時、多くのライダーはいわゆる”中免”。彼らにとって最上位にあたる400クラスは、性能も装備も向上を続けていった。ここでは、4ストロードスポーツでヤマハが初めて他社と真っ向勝負を繰り広げたXJ400を取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。


●文:ヤングマシン編集部

ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える

カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。

FXに遅れること約1年、1980年6月に発売されたXJ400は、やはり空冷2バルブDOHCエンジンを搭載していた。

バーハンドルで2本リヤショック、フロント19インチで車格も大柄…と、FXとの共通点は多かったが、これは当時最良と思われるスペックを集めた結果である。

しかしヤマハは、エンジン幅をコンパクトに抑えるために背面ジェネレーターを採用。

さらにFXを2馬力凌ぐ45馬力の最高出力も叩き出したのだ。また、FXの硬質なフィーリングとは異なり、XJには滑らかに吹け上がる特性が与えられていた。

剛のカワサキに対し、柔のヤマハ。サスペンションも乗り心地が良く、それでいて鈍重さを感じさせない、スポーティーなセッティングだった。

柔和でりりしい、燃料タンクのデザインにもそれが表れていようか。ヤマハが国内に初投入した4気筒は、かくして好調な滑り出しを見せた。

【1980 YAMAHA XJ400/D】■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 398cc 45ps/10000rpm 3.5kg-m/8000rpm ■180kg ■タイヤF=3.00-19 R=110/90-18 ●発売当時価格:41万円

ヤマハXJ400の細部をチェック

翌1981年になると、フロントブレーキのディスクにスリットが入り、燃焼効率向上システム=YICSが採用されるなどのマイナーチェンジを実施。

さらに4本マフラーに黒エンジン、エアサス併用式フロントフォーク、燃料計などを装備したデラックス仕様の400Dや、アメリカンタイプのスペシャルも追加。ラインナップがさらに充実した。

カワサキZ400FXのシングルに対し、XJはフロントダブルディスクブレーキを装備。高低ダブルホーンも豪華さを感じさせる。

φ35mmフロントフォークは左右を750cc並みのピッチで連結。高荷重な走りにもしっかりと応えた。

XJ400Dはクリフカットと呼ばれる、クラス唯一の4本出しマフラーを採用。リヤサスペンションも調整式となる。

速度計の上に電圧計、タコメーターの上に燃料計を配置。夜間はオレンジの透過光式照明がきれいだった。

ヤマハXJ400 カタログ

1982年当時のカタログ。表紙を開くと「ゆったりとカウボーイのように走るか、ワインディングロードを疾駆するか。」というキャッチコピーが飛び込んでくる。

ヤマハXJ400の系譜

1980 ヤマハXJ400

初期型は2本出しマフラーにシルバーエンジンでスタート。赤、黒、銀の3色。

1981 ヤマハXJ400

燃焼効率を向上させるYICSを備え、ブレーキディスクにスリットが設けられた。

1981 ヤマハXJ400D

4本マフラーのDを追加。燃料計も備える。色は黒やYSP仕様を合わせ計4色。

1982 ヤマハXJ400D YSP仕様

YSP仕様販売店特別バージョンのYSP仕様は白×赤を用意。色以外は標準仕様に準じる。

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