ピアッジオグループジャパンは、RS125とRS660の間をつなぐライトウェイトスポーツモデル「RS 457」を日本に導入し、2025年2月より順次出荷すると発表した。価格はCBR250RRよりも安い85万8000円だ!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:アプリリア(日本語公式サイト)
小椋藍選手のファンならずとも注目の1台!
MotoGPでは小椋藍選手が来季より移籍(トラックハウスレーシング)することでも注目のアプリリアから、新しいミドルクラスのスポーツモデルが登場した。欧州ではすでに発表されていたモデルで、欧州A2免許(最高出力47.6ps以下)に適合する上限出力としながら、最大トルクの82%を3000rpmで発生するという扱いやすそうな並列2気筒エンジンを搭載している。
排気量は「RS457」車名の通り457ccで、アルミ製フレームにライドバイワイヤ、調整可能なトラクションコントロール、3つのライディングモードを備えたフル電子制御パッケージなどアッパーミドルクラス並みの装備を誇る。ボディカラーはMotoGPマシンのRS-GPを彷彿とさせるグラフィックとし、レーシングイメージを際立たせている。
とはいうものの、クリップオンタイプのハンドルバーはトップブリッジよりも上に取り付けられ、スポーティさと快適性を両立。レイヤー構造のカウルなどMotoGPマシンを彷彿とさせるエアロダイナミクス技術を反映しながら、その空力特性はライダーを走行風やエンジン熱から守り、快適性を高めたものだ。シート高800mmも小柄なライダーには嬉しい。
スタイリングはアプリリアらしいトリプルLEDヘッドライトユニットをはじめ、テールセクションにLEDリヤライトユニットをビルトイン。シートカウル側面にはウイングレット形状としたグリップを仕込み、MotoGPイメージと実用性を巧みに両立している。
RS660ほどスポーティではないが、MotoGPイメージを活かしながらツーリングもできるマシンに仕立てられたのがRS457であり、様々なユーザーの使い方にフィットしそうな1台だ。
新設計エンジンはDLC処理も施した本格派
生産国はインドだが、開発の全てはイタリア本国で行われた。水冷の並列2気筒パワーユニットは完全な新作で、軽量コンパクトなシャーシ設計に自由度を与えている。エンジン後部にスイングアームピボット機能も備えており、フレームのコンパクト化や部品点数の省略にも貢献する。
エンジンの基本技術はRSV4の1100cc・V4やRS660の659cc・並列2気筒から多くのノウハウを得ており、シリンダーはクランク軸に対して6.5mm前方にオフセットすることでピストン押し込み時のフリクションを低減。カウンターシャフトとウォーターポンプにはニードルベアリングを採用し、ピストンピンにはDLC(ダイヤモンド ライク カーボン)コーティング処理が施されている。ギアボックスはシンクロギアのシャフトにもブッシュではなく、V4エンジンと同じくローラーベアリングを使用し、さらにギアボックスのフォーク アクスルには、特許取得済みの統合された潤滑システムを採用したというから驚きだ。
このほかアシスト機能付きのスリッパークラッチを装備し、ライドバイワイヤ電子制御マルチマップスロットルにより3つのライディングモードを選択可能だ。トラクションコントロールは走行中でも常に調整可能、そしてクイックシフターはオプション設定とされる。
車体は、現在のこのクラスで唯一アルミニウム製フレームを採用。左右に分割されたスパーをボルト固定する方式で、高い旋回性を生むフロントエンドのフィーリングにも貢献する。また、エンジンの部分で前述したよういフレームにはスイングアームピボット部がなく、省略された構造になっている。
サスペンションは、フロントにプリロード調整可能なφ41mm倒立フロントフォーク、リヤも同様にプリロード調整可能なモノショックを採用し、ホイールトラベルは前120mm/後130mmを確保する。
ブレーキシステムはフロントにφ320mmシングルディスクとバイブレ(ByBre)製ラジアルマウントキャリパー、調整可能なブレーキレバーを採用。リヤはφ220mmディスクとバイブレ性キャリパーを装着する。ABSはボッシュ製2チャンネル。前後タイヤはラジアルを履く。
メーターはインチTFTディスプレイを採用し、スマートフォンと接続することでメーターの機能をさらに拡張するアプリリアのマルチメディア プラットフォーム(Aprilia MIA システム)が、アクセサリー(別売り)として設定されている。ハンドルバースイッチはバックライト付きなのも嬉しい。
aprilia RS 457[2025 model]
車名 | RS 457 |
全長×全幅×全高 | 1982.5×760×未発表(mm) |
軸距 | 1350mm |
シート高 | 800mm |
装備重量 | 175kg(乾燥重量159kg) |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 457cc |
内径×行程 | 69×61.1mm |
最高出力 | 47.6ps/9400rpm |
最大トルク | 4.43kg-m/6700rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン(AQS=アプリリアクイックシフトをOP設定) |
燃料タンク容量 | 13L |
タイヤサイズ前 | 110/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 150/60ZR17 |
ブレーキ前 | φ320mmディスク+4ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ220mmディスク+1ポットキャリパー |
価格 | 85万8000円 |
色 | レーシングストライプ |
出荷開始時期 | 2025年2月より順次 |
RS457 のディテール
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(アプリリア | 新型スポーツ&ツーリング)
【TRIUMPH】2輪メーカー初、グーグル連携ナビが自慢 採用システム:MY TRIUMPH コネクティビティ システム スピードトリプル1200、Sを除くストリートトリプル、トライデント、850を除[…]
ハードルは高くないが本格派の要素が詰まったYZF-R7を評価したい! アルミ製フレームに4気筒エンジンを搭載したスーパースポーツ系。もっと気軽に公道で乗れるカワサキ ニンジャ650やホンダCBR650[…]
[1番勝負] vs アプリリアRS660:速さではRSに軍配が上がるも、R7の扱いやすさは秀逸だった YZF‐R7のライバルとして、今回は3機種を用意。このうち、当初からもっともガチンコ対決になりそう[…]
ライディングポジション ’22 ヤマハYZF-R7:超戦闘的な王道のSS系ポジション シート高はかなりあるが、足つき性を高める配慮がされていて、両足の母趾球まではしっかり接地。ハンドルは低めで、かなり[…]
スタイリング ’22 ヤマハYZF-R7 ’22 アプリリアRS660 ’21 ホンダCBR650R ’22 カワサキ ニンジャ650 エンジン&シャーシ YZF-R7 RS660 CBR650R ニ[…]
最新の関連記事(アプリリア)
イタリアンバイクの雄・アプリリア MotoGPやスーパーバイク世界選手権などさまざまなレースで活躍し、日本でも知名度が高いイタリアに本拠地を置くアプリリア(aprilia)。 1100ccV4エンジン[…]
RS660の技術を生かし、ヤングライダー向けに仕立てる アプリリアが新開発のミドルスポーツを発表した。その名も「RS457」で、アプリリアが誇るスポーツバイクシリーズのRSV4 1100やRS660、[…]
RS660 エクストリーマの写真をまとめて見る(全10点) ひと目で特別仕様車とわかる個性的なカラーと特別装備 RS 660は、軽量コンパクトなミドルサイズの車体に、100psを発生する270度クラン[…]
フランスの建築家兼デザイナー フィリップ・スタルク デザイナー発のバイクとしてあまりにも有名なKATANA。’95年にアプリリアから登場したMoto6.5も、フランス生まれの建築家でデザイナーでもある[…]
レーシングスーツの最大勢力はアルパインスターズ 今シーズン、装具での注目はアルパインスターズがついにロードレース用のヘルメットを投入してきたことだろう。世界最高峰のロードレースで開発を続け、市販化を狙[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかった[…]
最高出力を4kW以下に制限した125cc以下のバイクが“新基準原付”として2025年4月1日からは原付免許で運転できるようになると報道があった。 警察庁が原付免許で運転できる二輪車の範囲を広げつ改正道[…]
第1位:X-Fifteen[SHOEI] 2024年10月時点での1位は、SHOEIのスポーツモデル「X-Fifteen」。東雲店ではスポーツモデルが人気とのことで「とにかく一番いいモデルが欲しい」と[…]
外観リフレッシュとともに燃費もわずかに改良 ホンダ「リード125」が7年ぶりにデザイン変更を受け、4色のカラーバリエーションで2025年1月16日に発売される。 今回変更を受けたのは、ハンドルカバーお[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
最新の投稿記事(全体)
シリーズ第8回は「8の字走行」。基本操作の総仕上げ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転のお手本[…]
小椋藍選手のファンならずとも注目の1台! MotoGPでは小椋藍選手が来季より移籍(トラックハウスレーシング)することでも注目のアプリリアから、新しいミドルクラスのスポーツモデルが登場した。欧州ではす[…]
153ガレージ アルミアップフェンダー ヤマハXSR125 クラシカルな外観と軽快感、実用性のバランスを実現。フェンダー本体は信頼のSW-MOTECH製を採用。ヤマハXSR125がスクランブラーに! […]
保険料500円でヨシムラ車、乗り放題ッ!! ヨシムラファンにとって秋の定例イベントとなっている「ヨシムラミーティング」。ヨシムラが那須モータースポーツランドでイベントを行ったのは2014年の60周年記[…]
400ccライダーの感じたレブル1100T DCT 柴﨑美奈子さんは横須賀にあるバイカーズカフェ☆TWO STAR☆のオーナー。10代で免許を取得してからずっと同じ400ccのバイクに乗り[…]
- 1
- 2