トルクフルな並列2気筒エンジンをツーリングもこなせる万能な車体に包み、GSX-RデザインのDNAを与えられたスズキ渾身のニューモデル「GSX-8R」が、全米選手権の“ツインズカップ”クラスにエントリーすることがわかった。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:MOTO AMERICA
シーズン通してのエントリーではヤマハとアプリリアが2強
スズキのバイクがツインズカップに帰ってくる! かつてのAMAの後継組織であるモトアメリカ(MOTO AMERICA)では全米ロードレース選手権が開催されており、その中にはツインエンジンを搭載したバイクで争われる“ツインズカップ”クラスがある。
スズキのマシンでは2018年~2020年にSV650がチャンピオンを獲得しているが、2021年はアプリリア、2022年/2023年はヤマハがチャンピオンに輝き、2023年のシーズンを通してのエントリーリストにスズキ車の名前はなかった。
名作とはいえ基本設計の古いSV650のエンジンでは戦闘力を高めるのにも限界があった……ということなのだろうが、ここに新たなスズキのマシンが投入されることになった。最新の775cc並列2気筒エンジンを搭載した「GSX-8R」だ。
日本でも1月25日に発売され、速報インプレッションをお届けしたばかりのGSX-8Rは、スーパースポーツというよりも万能選手のスポーツツアラー。しかしながら最新のエンジンはパワフルで、排気量的にもYZF-R7またはFZ-07というMT-07の北米版(688cc ※北米では689cc表記)、RS660(659cc)というライバル勢に対しアドバンテージがある。これを生かしながら有力レーシングチームがレース仕様を仕上げていったら、高い戦闘力で台風の目になるに違いない。
軽量の2気筒モーターサイクルに焦点を当てたツインズカップは、ジュニアカップからスーパースポーツへとステップアップしたいが準備が整っていない若いライダーにとっての足掛かりとして、またはツイン好きのベテランレーサーらが出走できるレースとして成長してきたカテゴリー。前述のヤマハ、アプリリアのほか、スズキSV650やカワサキNinja 650も参戦してきた。
レギュレーションは、600~800ccの4ストローク2気筒エンジンを使用し、最低重量は338ポンド(約153kg)。エントリーできる年齢は15歳~55歳とされている。
モトアメリカにはこのほか、スーパーバイククラス(1000ccまでの3/4気筒、1200ccまでの2気筒)、スーパースポーツクラス(636ccまでの4気筒、800ccまでの3気筒、955ccまでの2気筒)、ジュニアカップ(Ninja 400、YZF-R3、RC390)、ストック1000クラス(排気量/気筒数はスーパーバイクと同じ)、キングオブバガーズ(ハーレーのロードグライドまたはインディアンのチャレンジャー)、ビルドトレインレース(ロイヤルエンフィールド)スーパーフーリガン(最高出力125ps縛り)がある。最高峰のスーパーバイククラスではヤマハYZF-R1が7連覇中だ。
2024年のツインズカップは全6ラウンドが開催予定で、ツインズカップとモトアメリカ選手権は2024年3月7日~9日にデイトナ インターナショナルスピードウェイで開幕戦を迎える。GSX-8Rを走らせるのは、チームハマー、バンス&ハインズモータースポーツの2チームだ。
スズキのシニアバイスプレジデント兼セールス&マーケティング部門マネージャーのケリー・グレーバー氏は「GSX-8Rはスズキのレースにおけるエキサイティングな新章でもあります。2つの評判の高いチームと提携することで、GSX-8Rが MotoAmerica におけるーパーバイク、ストック 1000、スーパースポーツクラスで行われるスズキのレース活動を補完してくれることを期待しています」と語った。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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