
さる1/12〜14に千葉県の幕張メッセで開催された4輪カスタムショー・東京オートサロンにて、ヨシムラから4輪用のアルミホイールが発表された。正確には昨年からレースでスポンサードを受けている4輪ホイールメーカー・ウェッズとのコラボ製品なのだが、不思議なのはこのホイールが軽自動車用ということだ。な、なんで軽用のホイールなの?ヨシムラさん!
●文と写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ヨシムラジャパン
作りは超本格的。キャリィでの展示も意味アリ!!
ヨシムラ初の4輪用ホイール「WRS Seven」は、モンキー125のヨシムラデモ車を積載したスズキ・キャリィに履かせてお披露目。その横にはEWCのヨシムラSERT・GSX-R1000Rも。軽トラと世界耐久マシンの並びって!
「ヨシムラWRS Seven」と名付けられ、今春の発売を予定するこのコラボホイール、開発や生産はウェッズで、そこにヨシムラの拘りを注ぐかたちで企画されたもの。既存品ではなく、今回のコラボのために新たに開発されたのが特徴で、7本のスポークを大胆にえぐって軽量化したり、リム部は圧延処理で薄さと強度を両立させるなど、本格的なスポーツホイールとして作り込まれている。
驚くのは、そんなホイールが軽自動車用ということだ。ヨシムラは2輪のレーシングコンストラクターで、ウェッズはスーパーGTに参戦する4輪の総合ホイールブランド。2&4輪レースのトップブランドのコラボ商品が、オートサロンでスズキの軽トラ・キャリイに装着されて初お披露目とは…。いや、軽を侮る気持ちは全くないですけど、派手なスポーツカーや高級車用じゃないのはどうしてですか? ヨシムラさん!
それは、ヨシムラブランドを冠するからには2輪と繋がりの深い車種から…と考えたからなのだそう。軽トラはバイクのトランスポーターとしても広く愛用されているし、キャリィはヨシムラ自身がマフラーをリリースしている縁もある。なるほど確かに“アルファード用ヨシムラ!”とかいきなり出されても、なんかポカ〜ンってなりますもんね(笑)。
そして最初がキャリィなら「トランポなら次はハイエース?」とか「ジムニーにもヨシムラのマフラーあったな」など、見る側に想像を膨らませてもらえる(実際にそんな計画もあるらしい)。WRS Sevenが軽トラ含む軽自動車用なのはそんな効果も狙ってのこと。実はこうしたメッセージ性を秘めたものづくりは、ヨシムラの得意とするところでもあるのだ。
WRS Sevenを装着したヨシムラ・キャリィには2014年の発売以来、途切れることなく売れ続けているという「スリップオン・トライオーバルサイクロン(7万5900円〜)」が装着されていた。
ヨシムラ・キャリィは軽トラ用パーツを多数展開する「ハードカーゴ」製のガード類やボックスなどでドレスアップ。しかもそれぞれヨシムラとのダブルネームで、これも市販の可能性があるかも…とのこと。大人気というヨシムラエンブレム入りのシートカバーも同様だ。
コラボのスタートは飛び込み営業から?!
そもそもヨシムラとウェッズの接点は、バイク好きのウェッズ社員がヨシムラに飛び込み営業を掛けてきたのがきっかけだという。最初は「ホイール作りませんか?」という直接的なものだったが、共にトップカテゴリーのレースを戦っているのもなにかの縁、2/4輪で一緒にモータースポーツを盛り上げる仕掛けを作ろう…となり、昨年からスタートした、世界耐久に参戦するヨシムラSERTへのウェッズのスポンサードに繋がっている。
そうして“ヨシムラ✕ウェッズ”という関係性が生まれれば、コラボ製品にも意味が生まれるし、ヨシムラブランドの4輪ホイールだって違和感なく受け入れてもらえるハズ。ヨシムラ関係の取材をさせてもらうたびに関心するのは、製品の完成度はもちろん、その裏側にあるストーリーをとても大事にしていること。ヨシムラ初の4輪ホイール・WRS Sevenも同様に、様々な伏線が張り巡らされているのだ。
ヨシムラとウェッズの協力関係が発表されたのは、昨年7月に新東名・清水PAで開催された「ヨシムラツーリングブレイクタイム」にて。当日はウェッズがサポートするレクサスRC-FのスーパーGTマシンも展示された。ウェッズのレースクイーンによる「セクシーじゃんけん」に、ヨシムラのレース活動を取り仕切る加藤陽平チームディレクターも思わず笑顔ッ!
ヨシムラWRS(WEIGHT REDUCED SPOKE)Seven【商品解説】
- サイズ:14✕4.5J インセット45
- ホール/PCD:4/100(ナットホール径φ30mm)
- ディスクハブ径:φ73mm
- 重量:4.6kg/本(アルミ製エアバルブ付き)
- カラー:セミマットブラック
- 価格:3万8500円/本(補修用センターキャップ:2750円)
- 発売:2024年春
ヨシムラジャパン・4輪用アルミホイール「WRS Seven」
センターキャップはマフラーのエンブレムのような凹凸を持たせたエンボス仕上げとし、金属的な質感も追求。スポーク部は正面/サイド部ともに大胆にえぐることで軽量化にもこだわる。リムステッカーもヨシムラの2輪用とデザインに共通性を持たせたもの。
リム部は「AMF」製法により高強度と薄肉軽量を両立。エアバルブもアルミ製としてここでも軽量化。こだわりを存分に注いだ専用開発品の証として「YOSHIMURA JAPAN」の刻印も入り、生産も国内で行われるメイド・イン・ジャパンだ。
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