
スズキは、ミラノショーことEICMA 2023で世界初公開した4気筒クロスオーバー「GSX-S1000GX」の発売価格を欧州および北米で発表した。日本仕様の情報はまだないが、2023年末よりグローバルで順次発売とされていることから、兄弟モデルのGSX-S1000GTの価格と比べて国内価格を占ってみた。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
北米はパニアケースなどを標準装備したGX+のみラインナップなので参考までに
スズキは、2023年11月9日~12日に一般公開されたEICMA 2023にて、名機GSX-R1000(K5)エンジンを搭載したクロスオーバーモデル「GSX-S1000GX」を世界初公開。そして早くも欧州および北米で価格を発表した。GSX-S1000GXは、GSX-S1000やGSX-S1000GTと兄弟モデルながら、アドベンチャーモデルの要素をチョイ足ししたスポーツツーリングモデル。スズキの二輪車で初めて電子制御サスペンションを標準装備している。
ライバルはカワサキのヴェルシス1000やBMW・S1000XR、ヤマハ・トレーサー9GT+などで、アップライトなライディングポジションに快速エンジン、ツーリングに適した車体構成などを持つ。スズキのアドベンチャーモデル「Vストローム」シリーズよりもオンロードでの快走に焦点を当てているのが特徴だ。
電子制御の「スズキアドバンスドエレクトロニックサスペンション(SAES)」は、速度や路面状況、ブレーキによる車両の姿勢変化に応じて減衰力やプリロードをリアルタイムでコントロールする。さらに、IMUなどのデータを組み合わせることで路面の凹凸を検知し、サスペンションの制御量を自動で切り替えるスズキ独自のプログラム「スズキロードアダプティブスタビライゼーション(SRAS)」も開発・搭載している。
このほか、出力特性やトラクションコントロールレベル、SAESの減衰設定を統合管理するSDMS-αや、コーナリングにも対応したABS作動を約束するモーショントラックブレーキシステム、双方向クイックシフトシステム、スマートクルーズコントロールなど、多彩な電子制御機能を採用。6.5インチTFTフルカラーマルチインフォメーションディスプレイはスマートフォンに接続可能だ。
そんなGSX-S1000GXの海外か価格は、英国1万4499ポンド、イタリア1万7600ユーロ、北米1万8499ドルとなっているが、北米はパニアケースを標準装備したGX+のみのラインナップとなっているので価格としてはあくまでも参考までに、ということになるだろう。それぞれの仕向け地におけるGSX-S1000GT(GXの直接の兄弟車)との価格比は、1.10倍~1.14倍(※北米は1.37倍)となっている。
英国
GSX-S1000GX 1万4499ポンド
GSX-S1000GT 1万2699ポンド
イタリア
GSX-S1000GX 1万7600ユーロ
GSX-S1000GT 1万5990ユーロ
北米
GSX-S1000GX+ 1万8499ドル(※)
GSX-S1000GT 1万3449ドル
日本におけるGSX-S1000GTは159万5000円であり、これに各国の価格比を掛け合わせると、GSX-S1000GXの日本仕様想定価格は約175万6000円~182万1000円(北米を参考にした場合は約220万円だが……)に。
北米は除外するとして、英国とイタリアの価格を参考にするなら、GSX-S1000GXの価格は180万円前後と見るのが妥当に思える。モデルイヤーの切り替えで仮にGTが値上がりした場合はもう少し上がる可能性もあるが、それでも200万円を超えることは考えにくいんじゃないだろうか。これだけの充実装備からすれば、十分にリーズナブルといえそうだ。日本での続報を待ちたい!
SUZUKI GSX-S1000GX[2024 EU model]
SUZUKI GSX-S1000GX[2024 EU model]
車名 | GSX-S1000GX |
全長×全幅×全高 | 2150×925mm×1350mm |
軸距 | 1470mm |
最低地上高 | 155mm |
シート高 | 845mm |
キャスター/トレール | 25.5°/97mm |
装備重量 | 232kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 999cc |
内径×行程 | 73.4×589.0mm |
圧縮比 | 12.2:1 |
最高出力 | 152ps/11000rpm |
最大トルク | 10.81kg-m/9250rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 19L |
WMTCモード燃費 | 16.1km/L |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 190/50ZR17 |
ブレーキ前 | φ310mmダブルディスク+4ポットキャリパー |
ブレーキ後 | シングルディスク+1ポットキャリパー |
色 | 青、黒、濃緑 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
まとまりのあるルックスの新型クロスオーバーに EICMA 2023(ミラノショー)のプレスデー初日となった11月7日に世界初公開されたスズキの「GSX-S1000GX」は、2023年12月から欧米を中[…]
電脳装備で一気にクラストップを狙う! ヤマハは、トレーサー9 GTの新バージョン追加となる「トレーサー9 GT+(TRACER9 GT+)」の国内モデルを正式発表した。ミリ波レーダーを中心とした新しい[…]
スカイフックテクノロジーを採用する電サス・アドベンチャー カワサキは、ニンジャSX系の4気筒エンジンに前後17インチホイールを組み合わせた快速アドベンチャーモデル「VERSYS 1000 SE(ヴェル[…]
BMW G310GS[2022 model] コスミックブラックが設定され、40周年エディションはなくなる。 BMW G310R[2022 model] 白ベースに青の差し色と赤いホイールを組み合わせ[…]
スーパーチャージャーにハブステアでクロスオーバー…全部載せじゃん!! EICMAで発表されたビモータのニューモデル「テラ」は、カワサキ体制となって初めて発表された、2019年のテージH2から数えて5番[…]
最新の関連記事(スズキ [SUZUKI])
デイトナ辻本車の雄姿が現代に完全復活! 2024年の第51回東京モーターサイクルショーでヨシムラが発表した「復刻パーツ企画」がついに本格始動! このプロジェクトは「純正互換パーツ」「ヨシムラパーツ」「[…]
派生機種を生んだ素性の良さ GS750/Eの実質的な生産期間は約3年。とはいえ、派生機種として登場したGS750G/GL、排気量拡大版のGS850Gは’80年代半ばまで生産を継続。この点については兄貴[…]
時代の変化に翻弄された2スト&ロータリー 公道を走るビッグバイクのエンジンと言ったら、昔も今も主力は4ストロークである。ただし、世界中の2輪メーカーが歩調を合わせるかのように、ビッグバイクに着[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
最新の関連記事(新型スポーツ&ツーリング)
ZXシリーズに連なる新ライムグリーングラフィックとマットシルバーの2色を新設定 カワサキモータースジャパンは、ミドルクラスの2気筒スポーツバイク「ニンジャ650」の2026年モデルを発表した。搭載する[…]
今回のツーリングで3337.2kmを走ったトレーサー9 GT+Y-AMT ①ACC&Y-AMTの組み合わせは高速移動が圧倒的にラクチン! 今回のインプレッションでは首都圏から北海道まで高速道路を使って[…]
“快適”と“スポーツ”を電サスで無理なく両立!! 超絶的な防風性にAT機構のDCT、グリップヒーターやコンフォートシートなどの快適装備。長距離を走るツアラーとして“疲れにくさ”にトコトンこだわったNT[…]
最新ボクサーのパワフルな走り 2023年のR1300GSに続き、R1300RT/R1300R/R1300RSもついに最新ボクサーを搭載。今回ドイツで行われた試乗会ではRTとRに試乗した。 RTはGS同[…]
新作GSX-8T/8TTに足並みを揃えて2026年モデルに スズキ独自のクロスバランサーを採用した最新776cc並列2気筒エンジンを搭載するモデルのうち、フルカウルスポーツとスポーツネイキッドとしてシ[…]
人気記事ランキング(全体)
PROUDMEN. グルーミングシートクール 16枚入り×3個セット PROUDMEN.のグルーミングシートクールは、横250×縦200mmの大判サイズと保水力約190%のたっぷり液で1枚で全身を拭け[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
ツーリングの持ち物【最低限必要な基本アイテム】 オートバイ趣味のもっとも一般的な楽しみ方は、オートバイならではの機動力や爽快さを満喫しながら好きな場所へ自由に行くこと。いわゆるツーリングです。 初心者[…]
ファン+ペルチェでダブル冷却 山善のペルチェ ベストは、外径約100mmの大型ファン(厚み約38mm)で風を取り込み、さらに内蔵のペルチェデバイスで空気やウェア表面を冷やす仕組みを採用。保冷剤用メッシ[…]
最新の投稿記事(全体)
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
kokuu たんぱくプラス 雑穀米 日々の食生活でタンパク質を強化したいライダーへ。国産15種の厳選雑穀米で、100gあたり約30gのタンパク質を摂取可能だ。白米に混ぜるだけで高タンパク・グルテンフリ[…]
ミニマルな外観ながらホールド性能は折り紙付き 『FREAKMOUNT』は、2019年にアメリカで開発された。ハーレーダビッドソンのような振動が大きく高速で走行する車両でも、そのスタイリングを損なわずに[…]
2025モデルの新車「GB350C」のイメージが… ネオレトロスタイルの単気筒ロードスポーツ・GB350をベースとして2024年にリリースされた「GB350C」は、前後にディープフェンダーを採用したク[…]
ユーザーからのリクエストで開発! ホイールの鉄粉をスプレーひと吹きで溶解 バイク/クルマを問わず、ディスクブレーキでもドラムブレーキでも発生するブレーキダスト。制動時にブレーキローターやブレーキドラム[…]
- 1
- 2