
2023年11月にイタリアで開催されたEICMA(ミラノショー)にて、ホンダは新型となるCBR650RとCB650Rを公開した。従来型のイメージは踏襲しつつ、各部をリファインしており、さらに世界初となる注目の新メカニズム“ホンダ E-クラッチ”を搭載しているのがトピックだ。
●文:ヤングマシン編集部
クラッチ操作「する/しない」が状況ごとに選べるぞ!!
648ccの並列4気筒エンジンを搭載し、日本でも人気のホンダCBR650R/CB650Rがモデルチェンジした。フルカウルのCBR650Rは、デュアルLEDヘッドライトのデザインを改め、上下のカウリングも一新。テールユニットも再設計されており、よりスポーティーで精悍な印象を強めている。
ネイキッドのCB650Rも、ヘッドライトを兄貴分・CB1000Rと同イメージのスラントした形状へと変更し、テールカウルをややロングなデザインに改めるなど、新鮮さを増している。2台とも、メーターには5インチのフルカラーTFTを新採用している。
最大のトピックは、世界初の新メカニズム“ホンダ E-クラッチ”の採用だ。これはマニュアルトランスミッションのクラッチコントロールを自動制御し、クラッチの操作を不要としたもの。発進/変速/停止時にクラッチレバーを操作する必要は完全になくなり、ライダーはシフトペダルの操作だけに集中できるのだ。
しかしクラッチレバーやそのシステムは残されているため、クラッチ操作したいときには、通常のMT車同様に、手動でのクラッチコントロールが可能な点にも注目したい。つまりクラッチ操作が苦手なビギナーが助かるのはもちろん、通常はMT車として走らせ、市街地や渋滞路ではクラッチ操作から解放される…といった、ベテランでも嬉しい使い方ができるのだ。
E-クラッチは、車速/エンジン回転/スロットル開度/ギヤポジション/シフトペダル荷重などを検知し、それらに対応したエンジンの点火時期や燃料噴射、モーターによるクラッチ制御を組み合わせ、ライダーの要求に応じた操作を電子制御で行う。レバーを手動操作するとシステムに強制介入し、クラッチの手動操作も両立させている。システムはON/OFFが可能だ。
CBR/CBともに、メーターは5インチのフルカラーTFTへ変更。スマートフォン接続機能(Honda RoadSync)の新装備も嬉しいポイントだ。
CB/CBRともに、E-クラッチ車に加え通常のマニュアルトランスミッション車もラインナップされる。E-クラッチ車の価格は未発表だが、E-クラッチ車の車重はMT車のわずか2kg増とされている。70kW(95ps)/12000rpm・63Nm(6.4kg-m)/9500rpmのエンジンスペックは従来型と同値だ。
このE-クラッチは軽量コンパクトなシステムで構成され、既存エンジンレイアウトを大きく変更せず採用できるため、今後、趣味性の高いFUNモーターサイクルに順次適用していく…とホンダは述べている。これは楽しみだ!
ホンダCBR650R E-クラッチのディテール
ホンダCB650R E-クラッチのディテール
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(CBR650R/Eクラッチ)
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
【岡崎静夏 おかざき・しずか】ルックスはキュートなバイク女子。走りは全日本ロードレース選手権J-GP3クラスでシリーズランキング4位を獲得する実力!! E-クラッチがもたらす超スムーズな変速に感動 今[…]
ベテランはクラッチ操作を苦にしていない まずはライダーである私、後藤のプロフィールをお伝えしておきましょう。40年バイクに乗り続けていて、ワインディングやツーリング、アマチュアレース参戦などさまざまな[…]
完全なMTの「Eクラッチ」と、実質的にはATの「Y-AMT」 駆動系まわりの新テクノロジー界隈が賑やかだ。以前からデュアルクラッチトランスミッション=DCTをラインナップしてきたホンダはクラッチを自動[…]
実用性と趣味性の両方を高める機構、しかも廉価に 正直言って感動せずにはいられなかった。何がって、CBR650RとCB650Rに初搭載された「Honda E-Clutch(以下、Eクラッチ)」だ。エンジ[…]
最新の関連記事(CB650R/Eクラッチ)
大型バイクの重さ/シビアさから降りてしまったライダー 今回「CB650R E-Clutch」に乗るのは、元大型ライダーの赤坂さん。 バイク歴8年で10代から乗っていた赤坂さんは、以前はリッタークラスの[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
完全なMTの「Eクラッチ」と、実質的にはATの「Y-AMT」 駆動系まわりの新テクノロジー界隈が賑やかだ。以前からデュアルクラッチトランスミッション=DCTをラインナップしてきたホンダはクラッチを自動[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の投稿記事(全体)
シュアラスター製品で洗車しよう! 春の祭りと言えば…ヤマ◯キ春のパン祭りが有名ですが、 シュアラスターも祭りを開催しております。 その名も「春の洗車まつり」! キャンペーン概 応募期間:2025年3月[…]
アプリで『もてぎ2&4レース』決勝を予想してプレゼントをGETしよう! モーターサイクルロードレースの国内最高峰、全日本ロードレース選手権 Rd.1『もてぎ2&4レース』が、4月19日[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
ファクトリーマシンが進化して帰ってきた! スズキは東京モーターサイクルショーのプレスカンファレンスで、2025年の『Team SUZUKI CN CHALLENGE』の体制発表を行った。メーカーとして[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
- 1
- 2