今年で9年目を迎える軽二輪ロードスポーツのYZF-R25。’22年に令和2年排出ガス規制に適合し、今年はパープルというニューカラーを投入するなど、まだ新鮮さは失われていない。販売台数ではニンジャ250やCBR250RRに一歩譲るも、万能性では現在もレベル高し!※この記事はヤングマシン2023年9月号に掲載されています。
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:ヤマハ
ヤマハYZF-R25ABS 概要
[◯] ロードスポーツの王道。峠道も旅もこれ1台で
私がR25に試乗するのは、大型マイチェンを実施した’19年以来、4年ぶりとなる。というわけで、まずはパワーユニットから確認しよう。
180度クランクや1軸偶力バランサーなどを採用した249cc水冷並列2気筒は、’15年の登場時こそ36psという最高出力で他を圧倒したが、その後はパワーのあるライバルが続々と登場。’18年に排ガス規制対応で35psに減り、’22年の新規制適合後もこの数値を維持している。
今でこそ最強スペックではないが、相変わらず扱いやすく、そして十分にパワフルだ。新規制適合による影響か、極低回転域でのトルクがやや薄く感じたのと、パワーの盛り上がりの境が7000rpmから8000rpmに移行したような印象を受けたが、これは感覚的なものなので参考までに。交通の流れに乗るならせいぜい6000rpmまでで事足る一方、スロットルを大きく開ければレッドゾーンの始まる1万4000rpmまで、レーシングサウンドを伴いながら勢いよく伸び上がる。いたずらにパワーを絞り出さず、市街地での使い勝手を犠牲にしていない点は好感が持てよう。
続いてはハンドリングだ。微速域から接地感が高く、ハンドルも切れ込まないので、おそらく多くのビギナーは「これなら乗れる!」と思うに違いない。そうしたイージーさを演出しつつも本質はスーパースポーツであり、ブレーキングなど車体のピッチングを生かすことで高い旋回力が引き出せる。ブレーキについては、倒立フォークの剛性の高さを加味するともう少しフロントの制動力を上げてもいいと思ったが、初心者を慌てさせないという意味では現状の利き具合がベストなのだろう。
フルカウルのバイクに憧れて免許を取り、R25を買ったユーザーの多くは、峠道を攻めるだけでなく、普段のちょっとした移動から、荷物を満載してのツーリングまで酷使するはず。そうしたさまざまなシチュエーションにおいて、R25はあらためて過不足なく対応できるであろうと感じた。これぞ軽二輪ロードスポーツのあるべき姿と言えるだろう。
[△] 2万2000円アップ。せめてラジアルを…
’23年型は新色の追加のみで価格は2万2000円上昇し、69万800円に。値上げトレンドなので仕方ないのだが、これは去年までのR3を上回る価格なので、せめてR3と同じラジアルタイヤを履いてほしかったというのが正直な感想だ。
[こんな人におすすめ] 熟成されたR25新色パープルはかなり映える!
42psのCBR250RRや直4のZX-25Rなど、どうしてもスペックに目が行きがちだが、R25もまだまだ戦闘力は高く、尖りすぎていないゆえの優しさや万能性に感心。新色のパープルは主張強めなので、ぜひお店でご覧あれ!
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