![[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/116-00.jpg?v=1684410682)
’80年代――あの頃のバイク文化は、レースの文脈と切っても切り離せないものだった。本記事では、当時のライダーを熱狂させたレーサーレプリカモデルから、ヤマハの5バルブエンジン搭載車両、FZ750を紹介する。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
「GENESIS」でゼロからのスタート〈ヤマハ FZ750〉
いかにもヤマハらしい、曲線を多用したフォルムと美しいデザイン。’84年秋のケルンショーでデビューしたFZ750は、レーサーレプリカ全盛の時代に大人しすぎる印象さえ与えたが、実はレース志向の強い、勝利へのこだわりが凝縮した一台だった。
FZ750の源流は、そもそもレーサーだった。’80年代に入ると、ホンダの楕円ピストン8バルブエンジンに対抗すべく、500ccV型4気筒7バルブの研究がスタート。その後TT-F1レースに準じた750cc並列4気筒5バルブの開発プロジェクトに引き継がれ、FZ750という市販モデルに姿を変えて結実する。
世界初の5バルブエンジン。さらに大胆な車体レイアウト「GENESIS」(ジェネシス)を初めて採用した。35度前傾シリンダーの水冷直4をさらに10度寝かせて搭載し、通常のタンク位置にダウンドラフトキャブとエアクリーナーを設置することでストレートな吸気を実現。燃料タンクは前傾エンジンによって生まれたシリンダー背面の空間に収めた。これによりハイパワーやマスの集中化など、様々なメリットが生まれた。現代のヤマハに通じる「人機一体」の先駆けである。
デビュー翌年の’86年、デイトナで優勝し、国内でもTT-F1や8耐で高い性能を見せつけた。ヤマハ4スト新時代はこのFZから始まったのである。
【’85 YAMAHA FZ750】■水冷4スト並列4気筒DOHC5バルブ 749cc 77ps/9500rpm 7.0kg-m/6500rpm ■車重209kg ■タイヤサイズF=120/80R16 R=130/80R18 ●当時価格:79万8000円
【前傾45度+ダウンドラフト】専用設計の水冷直4を、鋼管フレームに搭載。45度前傾したエンジンで前輪荷重を稼ぎ、重い燃料タンクを車体中心に近付けた。放熱効果の高いベンチレーテッドディスクや、ラジアルタイヤも採用。
【IN×3+OUT×2=5VALVE】吸気3+排気2バルブの5バルブ。理想的な燃焼室を実現し、欧州仕様は102psを発生した。
【#21 Kenny Roberts & Tadahiko Taira】’85鈴鹿8耐は、K・ロバーツと平忠彦という夢のタッグが実現。FZベースの#21 FZR750でトップを快走するもラスト30分で無念のリタイヤ。勝利はガードナー+徳野とRVFの手に。
【#4 Eddie Lawson】’86デイトナではE・ローソン+FZ750がレイニーとシュワンツを抑え、激勝。
ヤマハ FZ750
’85 ヤマハ FZ750:初期型
【’85 YAMAHA FZ750】黒フレームとバイアスタイヤの輸出仕様。アンチダイブ機構は非装備。
’87 ヤマハ FZ750:フルカウル化
【’87 YAMAHA FZ750】フルカウルと集合マフラーを装備。前後ディスクは穴空きタイプに。
’89 ヤマハ FZ750:足まわりを強化
【’89 YAMAHA FZ750】欧州専用となり、中空3本ホイールや4ポットキャリパーで武装した。
’89 ヤマハ FZ750P:白バイにも供給
【’91 YAMAHA FZ750P】白バイ仕様も存在。ハーフやフルカウルのほか、ネイキッド版もあった。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事([連載]青春名車オールスターズ)
ナナハン並みの極太リヤタイヤに見惚れた〈カワサキ GPZ400R〉 レーサーレプリカブーム真っ只中の1985年。技術の進化に伴い、各社はレースで培ったテクノロジーをフィードバックさせたモデルを多く打ち[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。FXに遅れること約1年、1980年6月に発売された[…]
ヤマハFZR400:極太アルミフレームがレーサーの趣 ライバルがアルミフレームで先鋭化する中、ついにヤマハもFZの発展進化形をリリースする。 1986年5月に発売されたFZRは、前年に発売されたFZ7[…]
スズキ バンディット400:GSX-Rのエンジン流用ネイキッド 59psというクラス最強のパワーを持ち、1984年に華々しく登場したGSX-R。 レーシーに設定されたこのマシンの心臓部の実用域を強化し[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
国内4メーカーが公道トライアル車をラインナップ 今回は超スリム&シンプルメカの塊。日本のトライアル黎明期のヒーローとなった2台のバイクTLとTYのお話です。 トライアルは岩、砂、ぬかるみ、急斜面など自[…]
唯一の2気筒、GPマシン譲りの高回転高出力! ヤマハは1965年、90ccに何と2気筒エンジンを搭載したAT90をリリース。 このまさかの2気筒投入に他メーカーからの追随はないままに過ぎていった。 3[…]
〈1988年8月〉SR400[3HT1]/500[3GW1]:負圧式キャブ採用 負圧式BSTキャブレターに変更して始動性や加速性を向上。カムシャフトも変更して、扱いやすさを高めた。エアボックスの容量ア[…]
GSX-Rで培ったフラッグシップでもライダーに優しい高次元ハンドリングを追求! 1999年にデビューしたスズキGSX1300R HAYABUSAは、いまも最新世代がカタログにラインアップされるロングラ[…]
4気筒CBR250との棲み分けでさらに長期モデル化の一途へ! ホンダが1982年5月にリリースしたVT250Fは、パワフルな2スト勢に対抗できる唯一の存在として瞬く間に10万台を突破するベストセラーと[…]
人気記事ランキング(全体)
さほど高性能でもない2台のスズキ製250ccスポーツは、なぜ意外と目立つのか? 車検がないのに高速道路に乗れるのが、125cc超~250cc以下の軽二輪モデルのメリットだ。そのため国内各メーカーもこの[…]
3Mシンサレート採用の4層構造で冬走行の冷えを軽減する 本商品は、防風ポリエステル生地/3Mシンサレート中綿/裏起毛の4層構造で手全体を効率よく保温する設計。一般的なポリエステル綿と比べて中綿が軽く、[…]
想像を上回る使い勝手のよさ SHOEIが2026年1月9日にSHOEI Gallery(SHOEI Gallery Online Storeを除く)で先行発売する電子調光ドライレンズ「e:DRYLEN[…]
16か所発熱で走行中の冷えポイントを広くカバーする 冬の走行時にとくに冷えやすいのが、肩/背中/腹部などの体幹部である。本モデルは16か所にヒーターを内蔵しており、一般的な電熱ベストより発熱面積が広い[…]
ホコリや汚れを呼ぶ潤滑スプレー 鍵を差すときに動きが渋いなーとか、引っ掛かるなーと感じたことはありませんか? 家の鍵や自転車の鍵、倉庫の南京錠など、身の回りにはいろいろな鍵がありますが、屋外保管しがち[…]
最新の投稿記事(全体)
フェラーリのF1パイロットはフェラーリに乗れ! ニキ・ラウダとフェラーリの蜜月は、1974年のF1シーズンからスタートしています。それまで、マーチやBRMといった弱小チームで参戦していたものの、ガッツ[…]
国内4メーカーが公道トライアル車をラインナップ 今回は超スリム&シンプルメカの塊。日本のトライアル黎明期のヒーローとなった2台のバイクTLとTYのお話です。 トライアルは岩、砂、ぬかるみ、急斜面など自[…]
唯一の2気筒、GPマシン譲りの高回転高出力! ヤマハは1965年、90ccに何と2気筒エンジンを搭載したAT90をリリース。 このまさかの2気筒投入に他メーカーからの追随はないままに過ぎていった。 3[…]
Thrashin supply(スラッシンサプライ):アグレッシブな走りとスタイルを実現。新作フットコントロール ストリートに馴染むカジュアルなデザインと走りを前提とした機能性の高いパーツで、瞬く間に[…]
自分好みの仕上がりにしたいなら、製作途中でのオーダーがおすすめ どんな極上車と言えども、製造から何十年もの歳月を経たバイクを販売するには、整備や修理が不可欠。だが、ショップが仕上げた仕様やスタイルが万[…]
- 1
- 2


![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/116-01-768x512.jpg?v=1684409781)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-01-Re-768x512.jpg?v=1684409878)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-02-768x608.jpg?v=1684409926)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-04a-768x512.jpg?v=1684409948)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-04b-768x512.jpg?v=1684409950)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-03-768x512.jpg?v=1684410032)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-05-768x440.jpg?v=1684410097)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-06-768x512.jpg?v=1684410187)
![ヤマハ FZ750|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/117-07-768x512.jpg?v=1684410188)
![ヤマハ FZ750P|[’89-]ヤマハ FZ750:勝利のための”5″バルブ【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/05/c504e50f465d5081105d978ecdfc720e-768x513.jpg?v=1684410275)





































