スズキ注目のアドベンチャーモデル、Vストロームファミリーの長兄「Vストローム1050」「Vストローム1050DE」の海外における価格が決定した。前モデルとの価格差から日本仕様を占うと……。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
Vストローム1050DEは従来のVストローム1050XTから約8%~10%の価格上昇
今回、Vストローム1050/DEについて明らかになったのは欧州および北米の価格だ。標準モデルのVストローム1050はイタリアで1万5290ユーロ、英国で1万2999ポンド、北米で1万5199ドル。前輪21インチ仕様のDEはイタリアで1万5990ユーロ、英国では1万3699ポンド、そして北米では1万5999ドルと発表された。
日本への導入は2022年末頃が見込まれるが、詳細は未発表。ただし、価格については海外における従来型のVストローム1050XT(スポークホイールの前19/後17インチ仕様)からの値上がり幅で推測できそうだ。
上がり幅はイタリアで8.11%、英国では9.6%、北米では7.74%と多少の振れがあるものの、日本仕様でもこれらに近い約8~10%の間になると仮定すると、新型Vストローム1050DEの国内仕様は約164万円~167万円あたりが期待できる。標準モデルのVストローム1050は、従来よりも電子制御装備が充実したことからDEとの価格差が縮まっている。ということで、結論は下記としてみた。
●新型Vストローム1050DEの予想価格:166万円前後
●新型Vストローム1050の予想価格:160万円前後
SUZUKI V-STROM 1050 DE[2023 model]
全長×全幅×全高 | 2390×960×1505mm |
軸距 | 1595mm |
シート高 | 880mm |
装備重量 | 252kg |
エンジン型式 | 水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 1037cc |
最高出力 | 未発表 |
最大トルク | 未発表 |
変速機 | 6段リターン |
燃料タンク容量 | 20L |
タイヤサイズ前 | 90/90-21 |
タイヤサイズ後 | 150/70R17 |
SUZUKI V-STROM 1050[2023 model]
全長×全幅×全高 | 2265×940×1515mm |
軸距 | 1555mm |
シート高 | 855mm |
装備重量 | 242kg |
エンジン型式 | 水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 1037cc |
最高出力 | 未発表 |
最大トルク | 未発表 |
変速機 | 6段リターン |
燃料タンク容量 | 20L |
タイヤサイズ前 | 110/80R19 |
タイヤサイズ後 | 150/70R17 |
【車両解説】新型Vストローム1050/DEはクイックシフト搭載、クルーズコントロールは設定域を拡大
スズキは2022年9月5日、欧州と北米を中心とした海外向けの2023年モデルとして、一部仕様変更を実施した「Vストローム1050」および新バリエーションモデルの「Vストローム1050DE」を発表した。
今回の一部仕様変更では、クラッチやスロットルを操作せずにシフトアップ/ダウンが可能な双方向クイックシフトシステムを新たに採用したほか、クルーズコントロールシステムが設定可能な速度域やギヤポジションの範囲を広げるなど、様々な走行シーンに対応する電子制御システムS.I.R.S(スズキインテリジェントライドシステム)の機能を充実させた。
さらに、S.I.R.S の設定状況を含む様々な情報を表示する5インチ大画面カラーTFT液晶メーターを採用し、長距離ツーリングに求められる使い勝手や利便性を向上させている。
新グレード・Vストローム1050DEは打倒アフリカツイン?
新たに設定した「Vストローム1050DE」は、ロングツーリングの過程で未舗装路まで足をのばすことを想定し、トラクションコントロールシステムに専用のGモード(グラベルモード)を設定したほか、リヤブレーキのABS解除を可能とし、未舗装路での操縦安定性を高めた。また、専用のディメンションを採用し、フロントには大径の21インチホイールを装着、前後タイヤにセミブロックパターンのタイヤを採用している。さらに、標準車よりも左右に20mmずつ幅を広げ、衝撃吸収性能を向上させたハンドルバーや、アクセサリーバー、地面の飛び石等からエンジン下部を保護するアルミ製エンジンプロテクターを採用した。
従来はスポークホイール仕様のVストローム1050XTをラインナップしていたが、電子制御の充実などが主で、装着するタイヤサイズ自体は同じだった。新たに設定されたDEは前輪21インチとして走破性能を向上しているが、電子制御の差別化は最小限。オフロード走行に適したアンダープロテクターやアクセサリーバー、センタースタンドの装備がDE専用となっている。
Vストローム1050/DE共通の主なアップデート
・中空の排気バルブ採用で燃焼室温度を低減
・ギヤボックスを変更
・ライドバイワイヤのセッティング
・双方向クイックシフト装備
・クルーズコントロールの設定レンジ拡大
・シートレール変更
・新型5インチTFTマルチファンクションメーターパネル
Vストローム1050DEの主な専用装備
・強化したドライブチェーン
・グラベルモード
・リヤABSオフが可能
・ジオメトリー変更
(ホイールベース延長、寝かせたキャスター角、最低地上高アップ)
・21インチのフロントホイール(セミブロックパターンタイヤ装着))
・前後サスペンションストロークの拡大
・高剛性ロングスイングアームに換装
・ハンドルバー変更(幅広タイプ&肉厚のテーパーアルミ)
・スタンディングしやすい形状のソリッドマウントシート
・ワイドステップ
・ショートタイプのスモークスクリーン
・3ピースタイプのフロントフェンダー
・アルミ製エンジンプロテクター
・センタースタンド標準装備
・アクセサリーバー標準装備
【日本発売決定】スズキ「VストロームSX」「Vストローム800DE」「Vストローム1050DE」本社イベントでサプライズ!
2022年11月13日にスズキ本社(静岡県浜松市)で開催されたVストロームミーティングでは、Vストロームファミリーの新顔である「Vストローム1050/DE」「Vストローム800DE」「VストロームSX(250)」の国内発売決定が実車公開とともにサプライズ発表され、さらに従来からある「Vストローム650/XT」「Vストローム250」の存続も明らかになった。
日本仕様の発売決定とはいえ、具体的な日程や価格については未発表。開発者トークショーで語られたニュアンスから、まずは年末年始あたりにVストローム1050DEおよび前輪19インチモデルのVストローム1050を国内正式発表し、それにVストローム800DEが続くことになりそうだ。
価格については、Vストローム1050/DEが前述のような予想となり、800DEについては情報待ち。
油冷250cc単気筒のVストロームSXについては、2023年の梅雨時期かそれ以降とのことで、“2023年夏頃”という表現が適当だろう。インド名はVストロームSXだがフィリピンでは車名がVストローム250SXとなっており、日本名がどちらになるかは不明。価格は海外の販売価格等から推測するに、ジクサー250からひと桁万円増と見るのが妥当だろうか? 予想価格は55万円前後としておきたい。
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