![[’78-]ヤマハ XS1100:1101ccの重厚巨大”イレブン”エンジン【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その有志をご覧いただこう。本記事では、ヤマハが4気筒エンジンの開発に乗り出し、世界最速を目指した最初のモデルである「XS1100」を取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 国産車として当時最大の1101ccをマーク【’78 ヤマハ XS1100】
- 2 ヤマハ XS1100の系譜
- 3 ヤマハは当時から独自路線の拘り屋だった
- 4 [連載]青春名車オールスターズに関連する記事
- 5 「あえてのダブルクレードル! 」1990スズキGSX-R400R:1990年代も続く快進撃【ニッポン旧車列伝】
- 6 「ウマい奴しか乗れない」1984スズキGSX-R:4ストレプリカ時代の口火を切った金字塔【ニッポン旧車列伝】
- 7 「CBRはここから始まった」1983ホンダCBR400F:最後のホンダ空冷スポーツ【ニッポン旧車列伝】
- 8 「異名は“ジャジャ馬”」1988スズキRGV250Γ:国内ラストの2ストレプリカ【ニッポン旧車列伝】
- 9 「2スト全盛期を代表する傑作」1986ホンダNSR250R:レーサーに保安部品を付けただけ!【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 10 「ハンドリングのヤマハ」誕生:起死回生のTZレプリカ、1985ヤマハTZR250/R【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 11 「2ストV3の咆哮」1985ホンダNS400R:『バリバリ伝説』でも話題を呼んだマシン【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 12 「2スト最強の500レプリカ」1985スズキRG500Γ(ガンマ):炸裂パワーのスクエア4【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 13 人気記事ランキング(全体)
- 14 最新の記事
国産車として当時最大の1101ccをマーク【’78 ヤマハ XS1100】
ヤマハもカワサキやスズキと同様に、’60年代までは2ストを主体に開発を続けてきたメーカーだ。しかし、自動車エンジン部門ではトヨタのクラウンや2000GT、セリカなどを手がけた実績があった。
2輪車として初のヤマハ製4スト車は、’70年発売の650cc2気筒のXS1。次いでTX750やTX500を生みだし、’76年には3気筒DOHCのGX750をリリースする。これらのモデルに見られるように軽量/スリム/コンパクトがヤマハ車の基本コンセプトではあったが、いよいよ世界最速をめざして4気筒の開発に着手する。
当初はGXに1気筒プラスする構想で1000ccの4気筒が開発されていたが、スズキGSを超えるパフォーマンスを獲得するため、さらに排気量を拡大して1101ccが与えられた。これは国産車としては当時最大の数値であり、「イレブン」のインパクトは強大だった。
’77年プロトタイプ発表の時点で、すでにGX同様のシャフトドライブが与えられており、これは無論レース向きとは言えない設計。しかし、重厚路線で最大最強最速モデルを作ろうという意気込みが見て取れた。かくして北米、欧州を中心にXSイレブンは好評を博すに至ったのだ。
一方、ロードスポーツの車体とエンジンを流用したいわゆるアメリカン仕様=クルーザー(ヤマハ呼称は“スペシャル”)を派生させる車体作りも定着しはじめていた。XS1100にも“スペシャル”が投入され、特に黒×金カラーの“ミッドナイトスペシャル”は、そのネーミングと相まって大いに人気を集めた。
【’78 YAMAHA XS1100】■空冷4スト並列4気筒 DOHC2バルブ 1101cc 95ps/8000rpm 9.2kg-m/6500rpm ■255kg(乾) ■タイヤF=3.50-19 R=4.50-17 ※輸出モデル
XS1100のエンジンは71.5×68.6mmのボア×ストロークを持ち、圧縮比は9.2。最高出力は95psを誇り、後にCBXやZ1300が登場するまで、最大最強を誇った。
ヤマハ XS1100の系譜
ビキ二×火炎ホイールのカフェレーサー【’81 ヤマハ XS1100S】
【’81 YAMAHA XS1100S】丸目一灯のヘッドライトにビキニカウルと火炎ホイールを備え、黒と金に彩られたスポーティなカフェレーサー仕様も登場した。
ヤマハは当時から独自路線の拘り屋だった
4気筒ブームにパラツイン:[’70-]XS-1
対米輸出もにらんで、2スト専門のヤマハが初挑戦した4スト車。デビュー時はホンダがCB750フォアを発売していたが、独自のビッグツイン路線を歩む。英車のボンネビルが参考にされ、空冷バーチカルツインをダブルクレードルに搭載した。後のSRに通じる美しいスタイルを手がけたのはGKダイナミックスの石山篤氏。
【’70 YAMAHA XS-1】主要諸元■空冷4スト並列2気筒SOHC2バルブ 653cc 53ps/7000rpm 5.5kg-m/6000rpm ■車重185kg(乾) ■タイヤF=3.50-19 R=4.00-18 ●価格:33万8000円
待望のナナハンもパラツイン:[’72-]TX750
数種類の派生を生んだXS1だったが、それを超えた750ccの2気筒もリリース。これもパワー重視ではなく、あえてSOHCとしてトルク感やエンジンの鼓動、スリムな車体がもたらす軽快さなどでヤマハらしさを体現。ドライサンプの潤滑方式やアルミリム、丸形を基調とした外装やフラッシャーのデザインも個性的だった。
【’72 YAMAHA TX750】主要諸元■空冷4スト並列2気筒 SOHC2バルブ 743cc 63ps/6500rpm 7.0kg-m/6000rpm ■車重210kg(乾) ■タイヤF=3.50-19 R=4.00-18 ●価格:38万5000円
マルチになっても3気筒:[’76-]GX750
TX750の後継機となるGX750は、120度クランクのDOHC3気筒を搭載。そこには“他社にはないもの、オリジナリティを出す”というメーカーの心意気が表れている。高価だが信頼性の高いシャフトドライブの採用は、チェーンほど整備が煩雑ではないため、欧米では一躍人気車となった。スリムで取り回しのよい車体も好評を博した。
【’76 YAMAHA GX750】■空冷4スト並列3気筒 DOHC2バルブ 747cc 60ps/7500rpm 6.6kg-m/6500rpm ■229kg(乾) ■タイヤF=3.25-19 R=4.00-18 ●価格:48万9000円
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
[連載]青春名車オールスターズに関連する記事
人気記事ランキング(全体)
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
7月上旬発売:ヒョースン「GV125Xロードスター」 ヒョースンモーター・ジャパンから、原付二種クラスに新型クルーザー「GV125Xロードスター」が投入される。発売は2025年7月上旬から日本国内向け[…]
青春名車録「元祖中型限定」(昭和51年) CB400FOUR(CB400フォア)は、CB350フォアをベースとしたリニューアルバージョンとして1974年12月(昭和49年)に発売。クラス唯一のSOHC[…]
高評価の2気筒エンジンや電子制御はそのままにスタイリングを大胆チェンジ! スズキは、新世代ネオクラシックモデル「GSX-8T」および「GSX-8TT」を発表。2025年夏頃より、欧州、北米を中心に世界[…]
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
最新の記事
- 最新相場もわかる! 人気バイク歴代モデル図鑑:カワサキZ900【上級/限定車も登場の2022年モデル】
- 「昭和レシプロ機が極上化!!」カワサキZ1・ヨシムラコンプリート試乗インプレッション
- 125ccアメリカン/900ネイキッド/3輪バイク。2025年7月新型バイク発売カレンダー
- ホンダ「CB400FOUR」動画つき試乗インプレッション【昭和50年代 伝説の中型バイク】
- 「モリワキイズムを継承し、さらに面白い会社に」モリワキエンジニアリング代表取締役会長・森脇尚護氏インタビュー
- 1
- 2