MVアグスタは、欧州でスーパーベローチェ800の特別仕様「SUPERVELOCE AGO」を発表した。前後オーリンズ製サスペンションや専用レーシングサイレンサーなどが付属し、ボディは伝説のライダーであるジャコモ・アゴスティーニが駆った往年のレーシングマシンを彷彿とさせるスペシャルカラーで彩られている。
15回の世界タイトル獲得、生涯で311回の勝利、そしてグランプリレースで122勝の生ける伝説
イタリアのレジェンドライダー、ジャコモ・アゴスティーニ(Giacomo Agostini)は、1964年から1977年にかけてグランプリで活躍し、350ccクラスで7回、500ccクラスで8回の世界チャンピオンに輝いている、まさしく生ける伝説だ。
とりわけMVアグスタとの縁が深く、15回の世界タイトルのうち13回はMVアグスタを走らせてのもの(残り2回はヤマハ)。今までにも、F3などで“AGO”すなわちアゴスティーニ仕様のスペシャルマシンが登場していた。
そして今回発表されたのが、MVアグスタのネオクラシックスーパースポーツ「スーパーベローチェ」の特別仕様である「スーパーベローチェ アゴ(SUPERVELOCE AGO)」というわけだ。かつてアゴスティーニが走らせた3気筒のレースバイクをオマージュするのに、スーパーベローチェほど最適なマシンはないだろう。
このスーパーベローチェ アゴは、単にスタイリングがAGO仕様であるだけでなく、スーパーベローチェの限定モデルの中で最も高級なバージョンとなっている。
前後サスペンションはオーリンズ製で、フロントにはφ43mm Nixフォーク、リヤショックにはTTX36を装備。いずれもフルアジャスタブルで、公道とレーストラックの両方で開発されたという。調整可能なオーリンズ製ステアリングダンパーはCNC機械加工のステーによってマウントされる。アルミ鍛造のトップブリッジも上面をCNC削り加工で装飾されたものだ。
フェアリングはハンドメイドされ、サイドパネル、フェンダー、テールセクションなどは全てカーボンファイバー製。ウインドプロテクションを向上したハイスクリーンも装備する。幅3.5インチのフロントホイールと、幅5.5インチのリヤホイールは、いずれも美しいワイヤースポークタイプとされた。
特製の箱に入った付属のレーシングキットには、アロー製の3本出しサイレンサー(欧州発表では公道適合と表記)のほか、レーシングマップのECU、特別なバイクカバー、限定カーボンプレート付き削り出し燃料タンクキャップ、黒革製のタンクストラップ、アルカンターラパッド付きパッセンジャーシートカバー、アルミ製ヒールガード、赤いハンドルグリップなどが含まれる。
スーパーベローチェ アゴは、アゴスティーニが生涯で311勝(イタリア国内選手権などを含む)を挙げたことにちなんで、311台のみが限定販売される。このうちシリアルナンバー001~015の車両は、それぞれのシリアルナンバープレートに1番目~15番目のタイトルを獲得した年とトロフィーが描かれた、世界に各1台ずつしかないスペシャルバージョンとなる。なお、日本への導入については未発表だが、近いうちに何らかのリリースがありそうだ。
MV AGUSTA SUPERVELOCE AGO[2022 model]
主要諸元■全長2015 全幅760 全高未発表 軸距1380 シート高830(各mm) 車重173kg[165kg](乾)■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 798cc 147hp/13000rpm[151hp/13250rpm] 8.98kg-m/10100rpm 変速機6段 燃料タンク容量16.5L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ※諸元は欧州仕様 ※[ ]内はレーシング装着時 ●価格:3万2100ユーロ(日本円換算約424万4000円) ●色:赤×銀×黄
■車体の特徴
・フレームプレートを新デザインとして剛性アップ
・新たにツインフローのオイルクーラーを採用し5%以上の冷却性能向上
・アルミ鍛造トリプルクランプはCNCで上面加工
・オーリンズ製ステアリングダンパー
・オーリンズ製φ43mmNix倒立フロントフォーク
・オーリンズ製TTX36リヤサスペンション
・カーボンファイバー製各種外装
・アルカンターラシートカバー
■エンジンの特徴
・逆回転クランク
・焼結バルブガイド&DLCコートのタペット
・チタン製バルブ
・新クランクベアリング間などを採用し信頼性を向上
・エキゾースト集合部の変更でパワー/トルクカーブ改善
・新サイレンサー
・新クラッチバスケット採用
■電子制御の特徴
・コンチネンタル製モジュールのABS
・新IMU
・新5.5インチTFTダッシュボード
・MOBISAT TRACKER
・GPSおよびBluetooth
・MVライドアプリ
・ダッシュボードにナビ機能
・ウイリーコントロール
・新たにローンチコントロールをハンドルバーで操作可能に
・新EAS 3.0電子式ギヤセンサー
・新エンジンマネジメントアルゴリズム
・クルーズコントロール
MV AGUSTA SUPERVELOCE AGO[2022 model]ディテール
Giacomo Agostini
【動画】Ago introduces – Superveloce Ago
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