またがった瞬間に伝わってくるクラス最高のスペック。カワサキ ニンジャZX-25Rを操るコクピットは、ワンランク上どころか600ccクラスに迫る高級感をライダーに味わわせてくれる充実ぶりだ。
カワサキがSBK(スーパーバイク世界選手権)5年連続タイトルに輝いた裏には、優れたシャーシ技術があった。新たに誕生したニンジャZX-25Rには、その車体思想が余すところなく継承されており、最強のニーゴ[…]
またがるだけでアガる! こんな250が欲しかった
これまでの2気筒ニンジャは、エントリー層に価格面で訴求するため、コストを抑えた部分が見え隠れしていたのは否めなかった。だが、ワンランク上を求めるライダーに向けて誕生したZX-25Rは、インターフェース部分もクラスを超えた造り込みを実施。またがっただけでその”別物感”を味わうことができる。

【もはやニーゴーじゃないみたい】充実内容の高機能メーターに、低く構えたセパレートハンドル。それに肉抜きされたトップブリッジにSFF-BPフォークのトップ部分。コクピットの雰囲気はもはや250ccではない。 [写真タップで拡大]
肉抜きされたトップブリッジ下にマウントされたセパレートハンドルに手を伸ばすと、目の前には密度の濃いメーターパネルが存在。しっかりしたシートやアルミのステップペダルと相まって、否が応でもスポーツマインドを掻き立ててくれる。さらにスイッチボックスでセレクト可能な電子制御としては、3段階のカワサキ・トラクション・コントロール(KTRC)と2段階のパワーモードを装備しており、実力面でも文句なし。
このうちトラクションコントロールは、250ccクラスでは初の搭載。しかもIMU非搭載とはいえ、ソフト的に車体の走行状態を分析し、水平面ではなく路面に対するシャーシの向きに基づいた動的解析=つまりコーナーの傾きや勾配を考慮して制御するという超本格的なものだというから驚きだ。もう聞いただけで、その走行性能がどんなものなのかワクワクが止まらない。
メーター機能リスト
デジタルスピードメーター|ギヤポジションインジケーター|シフトアップインジケーター|オドメーター|デュアルトリップメーター|燃料計|航続可能距離計|瞬間|平均燃費計|吸気温度計|水温計|時計|パワーモードインジケーター|KTRCインジケーター|KQSインジケーター|エコノミカルライディングインジゲーター|ETCインジケーター

【刺激に満ちた2万回転タコ】デジタル部は、スピードとギヤポジションのほか、オド、デュアルトリップ、燃料計、航続可能距離、瞬間/平均燃費、吸気温度、水温、時計、パワーモード&KTRCモードも表示。アナログ部のタコメーターは1万7000rpmからレッドゾーンとなり、フルスケール2万rpm。他にも各種警告灯やシフトタイミング、KQS、ETCなどのインジケーターがあり充実の内容だ。 [写真タップで拡大]

【市販車では右側にもセレクトスイッチあり】右にはスターター&キルスイッチに加えプロトタイプではなかったセレクトスイッチが。左手側のセレクトスイッチと合わせて使い分ける。ちなみにパワーモードは、本来のパフォーマンスが楽しめるフルパワーと雨天や悪路用に出力&レスポンスを引き下げたローパワーの2段階。左スイッチにはハザードも完備する。 [写真タップで拡大]

【オートシフターは上下対応】クイックシフター(KQS)はシフトアップ/ダウン両対応。アップ時は点火・燃料カットの信号をECUに送信。ダウン時はエンジン回転制御信号をECUに送ってオートブリッピングも行ってくれる。ステップはスポーティなラバーレスだ。 [写真タップで拡大]

【自然な前傾でツーリングも快適】(左)車体のボリューム感はほぼニンジャ250と同等で、やや重量が増す程度。マスの集中した車体設計のおかげでエンジンの重さは感じず、またがった状態で足着きに不安はない。 (右)ハンドルはトップブリッジ下にマウントされるスポーティなポジションだが、自然な前傾姿勢で街乗りも苦にならないレベル。伏せればタンクとの一体感もあって、絶妙なレイアウトだ。小柄なテスター(身長165cm/体重62kg)からすると、まさにジャストサイズ。無理してリッタークラスに乗るよりも、存分に操る楽しさが味わえる重量とサイズ感だ。 [写真タップで拡大]
●文:宮田健一 ●写真:鶴見健 カワサキモータースジャパン
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