カワサキがSBK(スーパーバイク世界選手権)5年連続タイトルに輝いた裏には、優れたシャーシ技術があった。新たに誕生したニンジャZX-25Rには、その車体思想が余すところなく継承されており、最強のニーゴー直4エンジンをとことんまで楽しませてくれる。
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優れたフィードバックと接地感を生む車体
史上最強のニーゴー直4を搭載するニンジャZX-25Rは、車体面もまた別格だ。街乗りでの扱いやすさを確保しながら、サーキットレベルでの優れたハンドリング性能を発揮するために、車体の主要部分には’15年から5年連続でチャンピオンに輝くSBK=スーパーバイク世界選手権マシンの設計思想がふんだんにフィードバックされている。
まず、高張力鋼のトレリスセクションとモナカ形状のピボットセクションによるメインフレームは、主要ディメンションをワークスZX-10RRに準拠させつつ、剛性と柔軟性のバランスを両立。湾曲タイプのロングスイングアームは、重量物のマフラーを中心部にレイアウトさせることを可能とし、左右ハンドリングバランスの徹底化が図られた。この重量バランス徹底には、10R/6Rでおなじみのホリゾンタルバックリンクのリヤサスも貢献。この配置により大容量チャンバーの搭載が可能となるだけでなく、エンジンやマフラーから遠く熱害を最小限に抑えられるため、安定した減衰性能を発揮できる。
サスペンションといえば、フロントのφ37mmSFF-BP倒立フォークも、ショーワが250ccクラスに提供するのは初という目玉のひとつ。ブレーキは、大径セミフローティングディスクにラジアルマウントの対向4ポットキャリパー。しかもモノブロックと、これでもかの本格レーシー仕様で、既存のライバルに大きく水をあける。ダンロップのラジアルタイヤ・GPR-300もリヤトレッドは150と1サイズ太めをチョイスだ。
かつて『ヤングマシン』がジョナサン・レイ選手にインタビューした際、チャンピオンマシンの強みとして答えてくれたのが、「どんな場面でも安心してパワーを引き出して操ることのできるシャーシ技術」だった。本誌テスター・丸山浩が市販版10RRに乗ったときも、ツーリングもこなせそうな乗りやすさに感嘆している。
そんなハンドリングが受け継がれたZX-25Rは、エキスパートライダーでなくとも、直4のエンジンパフォーマンスをとことんまで引き出せそうな予感。ちなみにコーナー進入時の特性はZX-10Rや6Rと酷似したものになり、フルバンク状態でもライダーは優れたフィードバックと良好な接地感を体感できるようになっているというから楽しみだ。
●文:宮田健一 ●写真:カワサキモータースジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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