カワサキ ニンジャZX-25R完全解説

ニンジャZX-25Rの車体は”初物&最強”尽くし【1クラス上のフレーム、サス、ブレーキ】

  • 2020/9/15
ニンジャZX-25Rの車体は"初物&最強"尽くし【1クラス上のフレーム、サス、ブレーキ】

カワサキがSBK(スーパーバイク世界選手権)5年連続タイトルに輝いた裏には、優れたシャーシ技術があった。新たに誕生したニンジャZX-25Rには、その車体思想が余すところなく継承されており、最強のニーゴー直4エンジンをとことんまで楽しませてくれる。

優れたフィードバックと接地感を生む車体

史上最強のニーゴー直4を搭載するニンジャZX-25Rは、車体面もまた別格だ。街乗りでの扱いやすさを確保しながら、サーキットレベルでの優れたハンドリング性能を発揮するために、車体の主要部分には’15年から5年連続でチャンピオンに輝くSBK=スーパーバイク世界選手権マシンの設計思想がふんだんにフィードバックされている。

まず、高張力鋼のトレリスセクションとモナカ形状のピボットセクションによるメインフレームは、主要ディメンションをワークスZX-10RRに準拠させつつ、剛性と柔軟性のバランスを両立。湾曲タイプのロングスイングアームは、重量物のマフラーを中心部にレイアウトさせることを可能とし、左右ハンドリングバランスの徹底化が図られた。この重量バランス徹底には、10R/6Rでおなじみのホリゾンタルバックリンクのリヤサスも貢献。この配置により大容量チャンバーの搭載が可能となるだけでなく、エンジンやマフラーから遠く熱害を最小限に抑えられるため、安定した減衰性能を発揮できる。

カワサキ ニンジャZX-25R

ZX-25RのシャーシはSBKレーサー・10RRのディメンション思想を継承。 [写真タップで拡大]

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【’16 KAWASAKI Ninja ZX-10R】ZX-10RRレーサーから、重心位置、ピボット位置、エンジン位置、キャスター角といった主要ディメンジョンを継承している。

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【高い剛性と柔軟性を併せ持つ異径パイプ×モナカ形状フレーム】高張力鋼製軽量トレリスフレームは、異なる径と厚さを持つパイプと、モナカ形状のスイングアームピボットセクションの組み合わせで構成。ロングタイプのスイングアームも素材に高張力鋼を用い、剛性と柔軟性を両立している。 [写真タップで拡大]

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【水平リンクはクラス初】ZX-10Rや6Rでもおなじみホリゾンタルバックリンク・リヤサスの250ccクラスへの採用はこれが初。ストローク長の確保、減衰機構に対する熱害の低減、マフラーレイアウト自由化への貢献などそのメリットは多岐に渡る。カワサキならではの思想が光る。

サスペンションといえば、フロントのφ37mmSFF-BP倒立フォークも、ショーワが250ccクラスに提供するのは初という目玉のひとつ。ブレーキは、大径セミフローティングディスクにラジアルマウントの対向4ポットキャリパー。しかもモノブロックと、これでもかの本格レーシー仕様で、既存のライバルに大きく水をあける。ダンロップのラジアルタイヤ・GPR-300もリヤトレッドは150と1サイズ太めをチョイスだ。

かつて『ヤングマシン』がジョナサン・レイ選手にインタビューした際、チャンピオンマシンの強みとして答えてくれたのが、「どんな場面でも安心してパワーを引き出して操ることのできるシャーシ技術」だった。本誌テスター・丸山浩が市販版10RRに乗ったときも、ツーリングもこなせそうな乗りやすさに感嘆している。

そんなハンドリングが受け継がれたZX-25Rは、エキスパートライダーでなくとも、直4のエンジンパフォーマンスをとことんまで引き出せそうな予感。ちなみにコーナー進入時の特性はZX-10Rや6Rと酷似したものになり、フルバンク状態でもライダーは優れたフィードバックと良好な接地感を体感できるようになっているというから楽しみだ。

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絞り込まれたピボットプレート上部は、足着き性向上にも貢献。スリムなボディワークが鋭いライディングを生み出す。

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ピボットシャフトは中空タイプで軽量化を徹底。アジャストナット機構採用で締結トルクとクリアランス精度も保つ。

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エンジン後部はピボット同軸でのフレーム搭載はせず、上下2か所で締結。適度な柔軟性が与えられているのが分かる。

ニンジャZX-25Rの車体は"初物&最強"尽くし【1クラス上のフレーム、サス、ブレーキ】

フロントには、スプリングとダンパーを左右に分けて摺動抵抗低減と軽量化に優れたSFFと、大径ダンピングピストンで特に減速時の車体姿勢安定に優れたBPが合体したSFF-BPタイプのφ37mm倒立フォークを採用。 [写真タップで拡大]

ニンジャZX-25Rの車体は"初物&最強"尽くし【1クラス上のフレーム、サス、ブレーキ】

(左)ZX-14Rと同じ大径φ310mmセミフローティングディスクに、異径対向4ポットのモノブロックラジアルマウントキャリパーを装着。(右)ハブの左側にはディスク取付け用のボス痕が。その気になればダブル化も可能? [写真タップで拡大]

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右側を大きく湾曲させた左右非対称のスイングアームが、マフラーを中央に寄せて左右重量バランスを揃えることに貢献。リヤブレーキはφ220mmディスク+1ポットキャリパーだ。

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スイングアーム左側も完全なストレート形状ではなく、縦幅を変化させて最適な剛性や重量を追求。レーシングスタンド用ボス穴も装備。

●文:宮田健一 ●写真:カワサキモータースジャパン
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