革新のテクノロジーとサービスを提供するグローバルカンパニーであり、バイクやクルマ分野では各種電子制御システムでその名を知られるボッシュ(Bosch)が、新型コロナウイルス感染症に対する迅速な検査結果を提供できるシステムを開発したと発表。新型コロナだけでなく、10種類の呼吸器病原体の同時診断が可能だという。
6週間で開発した検査システムは、検体採取から2時間半以内に結果がわかる
ドイツ・シュトゥットガルトに本拠地を置くボッシュ(Bosch)は、バイクやクルマ用のABSユニットやアダプティブクルーズコントロールシステムなどを開発するモビリティ ソリューションのリーディングカンパニーとして知られるほか、産業機器や消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーなど、あわせて4事業セクターを持つグリーバル企業。
そのボッシュが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、新たに迅速検査システムを開発したと発表した。「新型コロナウイルス感染症完全自動迅速検査システム」は、ボッシュ ヘルスケア ソリューションズのVivalytic分析装置上で作動。診療所、病院、検査施設および保健所といった医療機関での迅速な診断に役立てることができるという。
ボッシュ ヘルスケア ソリューションズがRandox Laboratories Ltd.と共同で、世界初の完全自動分子診断検査のひとつとして開発し、世界保健機関(WHO)の要件を満たすこのシステムは、新型コロナウイルスだけでなく10種類の呼吸器病原体の同時診断が可能。検体採取からわずか2時間半以内に、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS-CoV-2)の検出結果が判明する。また、臨床現場で直接実施できるため、検体の輸送が不要になるという。
これにより、感染者の特定や迅速な隔離が可能になると同時に、患者が自分の健康状態について素早く確実に把握できるようになる。
世界の各企業が対新型コロナウイルスの診断機器や検査キットを開発中だが、ボッシュが6週間で開発したというこの検査システムは4月からドイツで利用可能になっており、その後は欧州の他の市場やその他の地域にも提供される予定となっている。
さまざまな臨床試験の結果、ボッシュの検査は95%以上の精度で結果を提供したといい、全自動のため分析中に医療スタッフは別の業務に携わることができるという。ボッシュのVivalytic 分析装置は、24時間のうちに最大10種類の検査を実施することができる。すなわち、100台の装置で1日あたり最大1000回の検査を行うことができるようになる。新型コロナウイルス感染症の拡大が勢いを増す中で、検査施設はすでに能力を超えて稼働している状態だ。ボッシュのVivalyticは、対応可能な検査件数の拡大に貢献する。
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