第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

日本で初めての公道試験が行われる

バイクの自動運転時代は近い? ボッシュが二輪車向け安全運転支援システムを公道試験

  • 2019/4/23

ボッシュ(BOSCH)は、2019年3月より日本国内で『アドバンスト ライダー アシスタンス システム』の行動実証試験を開始した。警察組織に届け出が提出された先進的な二輪車向け安全運転支援システムの公道試験で日本初となるものだ。日本の道路環境にもとづいたシステムの開発により、日本のバイクユーザーにより安全で快適な運転環境を提供すること、そしてグローバル事業展開する車両メーカーの日本市場への対応をサポートすることを目的としている。

自動車のADAS技術を応用したバイク向け安全運転支援技術とは?

日本において、バイクユーザーは自動車のドライバーと比較すると死亡事故のリスクが13倍も高い(※警察庁「平成22年警察白書」および総務省統計より、二輪車ライダーおよび四輪車ドライバーにおける走行距離1億kmあたりの致命傷を負うリスクをボッシュが算出、比較)。そんな二輪車ユーザーに、より安全な運転環境を提供するため、ボッシュは1995年に第一世代のバイク用ABS(アンチロックブレーキシステム)を市場に投入して以降、20年以上にわたって二輪車向けの製品と技術を提供してきた。特にアシスタンスシステムの分野ではマーケットリーダーと言っていい。

ボッシュは、3つのステップにもとづいて二輪車の安全性向上技術を開発しているという。ひとつめはABSやMSC(モーターサイクル用スタビリティコントロール)による車両安定性の向上だ。ABSは日本やEUなどで新型車への搭載が義務付けられており、各国も追従していくことは間違いない。そして2つめのステップが、今回公道試験の対象となっている、サラウンドセンシング技術を活用したアドバンスト ライダー アシスタンス システムだ。そして近い将来の3つめのステップとして、二輪車と四輪車の車車間通信(B2V)やeCall(自動緊急通報システム)に代表される、バイクと周辺環境とのネットワーク接続が研究&開発されている。

実証実験が始まったアドバンスト ライダー アシスタンス システム

アドバンスト ライダー アシスタンス システムを搭載するテスト車両。

アドバンスト ライダー アシスタンス システムは、ACC(アダプティブ クルーズ コントロール)、衝突予知警報、死角検知からなる、二輪車の安全性と走行快適性を向上させる一連の安全運転支援システムだ。これはレーダーを使った自動車のADAS(先進運転支援システム)の関連技術をベースに開発されたもの。ボッシュの事故調査報告によれば、レーダーベースの安全運転支援システムの装備により、バイク事故の7件に1件を防ぐことができたとされている。これは、電子制御式の同システムが周囲をモニタリングすることにより、危機的状況下において人間よりも迅速に対応できるため。このシステムは2020年から量産され、最初にドゥカティとKTMのモデルに搭載されることが決まっている。

こちらはミラノショー(EICMA 2018)でお披露目された、ドゥカティ ムルティストラーダの同システム開発車両。

日本特有の道路環境として、道幅が狭く、レーダーの見地に影響を及ぼす可能性がある遮音壁やガードレールなどの外乱が多いことが挙げられる。また、山の多い地形に対応するため、トンネルや曲がりくねった道の多さも日本特有だろう。今回の公道試験は東京、神奈川県、栃木県の高速道路で行われるが、日本のユーザーに安全な環境を提供し、世界の車両メーカーの日本市場への対応をサポートするだけでなく、日本の車両メーカーのニーズに応えられる体制を整えることも視野に入っているのだ。

東名高速道路でも実証実験が行われた模様だ。

アドバンスト ライダー アシスタンス システムの構成は……

ACC(アダプティブ クルーズ コントロール)

交通量の多い道路を走行しながら前走車との距離を正確に保つのはかなりの集中力を要し、それが長時間にわたると疲労を招く。ACCは交通の流れに合わせて車速を調整し、前走車との安全な距離を維持できるため、前走車との距離が不十分だったために発生する追突を効果的に防げる。また、ライダーの利便性の向上、さらには渋滞の中でも走行により集中できるように。

衝突予知警報

道路交通では、集中力が一瞬でも途切れると、それが深刻な結果につながることも。追突事故のリスクを低減、または二次衝突の被害をできるだけ軽減するのが衝突予知警報だ。他の車両が危険なほど接近し、ライダーがその状況に何も対処しないことを検知すると、聴覚的、または視覚的な信号を通じてライダーに警告する。

死角検知

車両の周囲をモニターし、ライダーが安全に車線を変更できるように支援。その際に電子の目として機能するのがレーダーセンサーだ。ライダーから見えづらい位置にある対象物を確認し、ライダーの死角に車両が来た際には、ミラーに視覚信号などを表示し警告する。

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ヨ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)