日本人ライダーとして初めてパリ・ダカールラリーに参加し完走を果たしたオートバイ冒険家・風間深志氏が提唱する「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)」。朝日とともに東の海を出発し、ゴールの石川県・千里浜にて日没を迎えるというツーリングイベントとして人気を集めており、我らがゴーライド副編集長・コイも過去3回の参戦を果たしている。さてさて今回の企画は、そのSSTRに敬意を表しつつも、これをゴーライド流に解釈したらどんなツーリング旅になるのか実験。当然ながら林道をゴリゴリ走り倒す1泊2日となったのであった…。本編はその往路、ゴール千里浜までの道程を辿る。
高速と林道を乗り継いで、目指すは日本海・千里浜!
ここ数年で人気上昇中、日の出とともに太平洋側からスタートし、日没までに日本海の千里浜なぎさドライブウェイにゴールするツーリングイベント「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)」。ワタクシ(ゴーライド副編集長・コイ)は今年も友人の付き添いで千里浜まで走りゴールしているのだが、じつは過去3回の参戦すべてがスーパーカブ。ゴール地となる石川県・千里浜にて毎回颯爽と波打ち際を走り抜けるオフ車勢を見ながら、いつかオフ車でこの地を走ったるぞ! と心に誓っていたのだった…。
…というわけで、今回のツーリング企画を立てるにあたり、目的地として念願の千里浜をチョイスしたわけだが、ただ行って帰ってくるだけなど、ゴー・ライド的には笑止! そう、行くなら、どっぷりと「林道」というオプションをつけるべきだ。いやむしろ林道こそが主役であるべきだ! それこそが「ゴー・ライド流SSTR」だと。
とは言っても、今や令和元年。20〜30年前ならいざ知らず、どこもかしこも舗装化が進み、ダートをいまだに残す林道は首都圏に近いほど数少ない。そこでまず目をつけたのが、解禁されたばかりの中津川林道に並び、多くのオフロードライダーに昔から愛されてきたという「御荷鉾(みかほ)スーパー林道」。舗装化が進んだとはいえ、20km弱のダートを残す走り応えたっぷりのロングダート。群馬県から長野県に向けて一気に突き進むことができるのだ!
さらには時間の許す限り、「林道湯沢線」なども攻めてみたい。あとは高速を使って距離を詰めていけば、林道を楽しみながら目的地・千里浜にたどり着けるというものだろう。
東京出発〜首都高速〜関越道本庄児玉IC〜群馬県藤岡市
Go林道その1:御荷鉾スーパー林道(群馬県藤岡市〜長野県南牧村)
「御荷鉾林道」という名前だけは聞いたことがあったが、67.1kmという結構な規模のスーパー林道であることは今回初めて知った。
舗装化が進む前は、”スーパー”という名のとおり四国の剣山スーパー林道的なロングダート天国だったという。現在のダートはトータル20km弱ほどとはいえ、首都圏から日帰りで行けるロングダートとしてその人気は健在だ。
ゴールの石川県千里浜へは、高速を使い休憩なしで一気に行ったとしても総距離520kmで6時間半かかる。林道始点から一番近い「道の駅 上州おにし」で地図とにらめっこしてみたが、時間短縮のためにも最初の舗装路約20kmは完全にスルーし、ダート開始地点から御荷鉾に挑むことにした。
道の駅を出発し国道462号を西に進む。林道始点の分岐を横目で見送りながら直進し、県道46号を右折して進むと、目印となる「みかぼ森林公園」の看板と分岐が現れる。
さて、御荷鉾スーパー林道を初めて走ってみた印象は、とにかく飽きがこない変化に富んだ林道! ということ。砂利フラット、ヌタ土、小ガレ、溝、石の多い固く荒れた路面など、いろいろなパターンの路面をギリギリ危なくないレベルで突きつけてくる。ベテランオフ乗りや上手い人はサラリと走破するかもしれないが、初心者に毛が生えたくらいのライダーには、それがとても練習になるのだ。また練習しに来ようと決意。
南牧村〜上信越道佐久IC〜須坂長野東IC〜長野県高山村
御荷鉾林道に別れを告げ、群馬県南牧村から北北西に進路を取り、上信越道へ。そこから次なるターゲット長野県高山村にある「林道湯沢線」を目指し、高速移動。
Go林道その2:林道湯沢線〜毛無峠(長野県高山村)
バイク乗りならオンオフ問わず一度はツーリングポイントとして聞いたことがあるだろう「毛無峠」。ここに高山村から約14kmのダートを通っていける全長約17.4kmの道、それが林道湯沢線だ。林道入口までは佐久方面から県道112号を東に走り、樋沢川を渡ってひとつめの分岐を右斜めに入る。そのまま直進していくと開いたゲートを越えた先にある湯沢線起点に出られる。
この林道湯沢線は、中間点近くにある閻魔橋という橋を境に、前半と後半でその姿を大きく変えてくるフラット詐欺に遭いやすい林道。前半は石が多い少し固めの路面で、ゆるやかに高度を上げていく。後半は一気に高度を上げてくるのだが、深めの砂利になり溝やゴロ石とともに、ガレも顔をのぞかせてくる。簡単に動く軽めの砂利石を敷き詰めた路面のズルズル感が緊張をあおり、上りでも気を抜けない。ただ絶景高原林道と言われるだけのパーンと開けた景色は、きっとクセになるだろう。
112号に戻り少し走ると、樹木がなく山肌と草原の広がる毛無峠に着く。ここから湯沢林道の一部を見ることもできるので探してみよう。
高山村〜上信越道信州中野IC〜北陸道〜金沢森本IC〜石川県千里浜
毛無峠の絶景とお別れし、さぁ本日のミッションはゴールの千里浜を目指すのみ。上信越道から北陸道に乗り、一気に石川県に突入!
なんとかゴールに辿り着きはしたものの、あたりはすでに真っ暗で、美しいはずの砂浜を拝むこともできず。千里浜なぎさドライブウェイ激走も明日にお預け。とにかく寝まふ。
…ということで続きは〈復路編〉にて。
※写真:関野 温
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