カワサキは東京モーターショーに650-W1やNinja H2 CARBON、そして最新トレールモデルのKLX230を出展すると公式発表しているが、さらにSNSなどで踏み込んだ展示概要を明らかにしはじめている。なかでも注目は、再生産するZ1/Z2用シリンダーヘッドの世界初公開だ。
再生産のZ1/Z2用シリンダーヘッド(黒、銀)の精巧な仕上がり
以前から報じられてきた、カワサキによるZ1/Z2シリンダーヘッドの再生産計画だが、ついにその実物を目にするチャンスが訪れる。10月24日から一般公開の「第46回東京モーターショー2019」のカワサキブースにて、再生産版のシリンダーヘッドのを世界初公開するというのだ。
1973年に発売された750RS(Z2)と、その国外向け輸出仕様である900 super4(Z1)の人気ぶりはここで振り返るまでもないほどで、世界では累計10数万台以上が販売され、カワサキのモーターサイクルを象徴する歴史的なモデルとなっている。発売からすでに47年が経った現在も、走行可能な車両が現存もしくはレストア等によって復活し、多くのファンに愛され続けている。
そんなファンの悩みのひとつは、これからも良好なコンディションを保つために必要な純正パーツの確保だろう。そこでカワサキは、これらのZ1/Z2のシリンダーヘッドの再生産を決定。当時の図面に規定された仕様を、現在の設計基準、製造技術、製造法により具現化するというコンセプトで、新たに開発することにした。そう、再生産といいつつも、じつは当時設計のまま新開発という手法をとっているのだ。もちろん生産は日本国内の明石工場である。ちなみに、シリンダーヘッド以外の部品について、またZ1/Z2以外の歴史的なモデルの部品についても、ファンの声を聴きながら検討していくという。
日本で先行販売され、Z1用としての海外試乗への販売は検討中。生産個数は1000個とし、注文の状況に応じて増産も検討するという。販売方法は、2019年12月中旬に開設予定の販売専用サイトにて受注を開始。2020年2月中旬頃から受注した順に発送する。株式会社カワサキモータースジャパン、カワサキプラザネットワークおよびカワサキ正規取扱店での販売、取扱いは行わないとのことなので注意が必要だ。気になる販売価格は、黒:26万4000円/銀:25万3000円となっている。
KAWASAKI 500 MEGRO K2
既報通り、東京モーターショーには650-W1など歴史的なモデルも展示される。今回カワサキが明らかにしたのは、カワサキ500メグロK2(KAWASAKI 500 MEGRO K2)だ。日本に多数存在していたバイクメーカーのほとんどが小排気量車を製造していたなか、カワサキはビッグバイク時代を先駆ける1台として496ccのOHV並列2気筒を搭載したカワサキ500メグロK2を登場させた。エンジンは1927年創業の目黒製作所(1960年代にカワサキに吸収された)が開発・製造していたものがルーツ。1965年登場のカワサキ500メグロK2は、メグロのKシリーズをベースとしながら、川崎航空の技術によりパフォーマンスを向上したもの。これがのちにW1へと発展していく。
KAWASAKI 650-W1
こちらは既報の650-W1。K2をベースに排気量を496→624cc(当時の日本車で最大排気量)へと拡大し、第12回東京モーターショー1965に出展された。最高速度は185km/h、0-400m加速は13.8秒を公称し、カワサキのビッグバイクメーカーとしての地位を築く礎となった。
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