2019年10月24日より一般公開の「第46回東京モーターショー2019」において、ヤマハは計18モデルを展示することが発表されたのは既報通り。そのうち6モデルは世界初公開だというが、10月10日に発表されたのは4モデルのみだった。では、残りの2モデルは……?
まずはEICMA 2018でお披露目された“3CT”の進化版
昨年のミラノショー(EICMA)で発表されたコンセプトモデル、3CTを覚えているだろうか。ヤマハが展開するLMW(リーニング・マルチ・ホイール)の第4弾として、欧州で人気のXMAX300をベースに製作されたスクータースタイルの3輪車だ。
ヤングマシンが独自に得た情報によれば、この3CTの市販版に近いものが東京モーターショーでお披露目されるという。市販バージョンの登場時期は2020年で、春のモーターサイクルショーで正式発表になる可能性が高い。排気量は300ccとミラノショー発表時から変わっていないが、XMAXは欧州で125~400ccが展開されていることから、市販時のバリエーション展開にも期待したい。
3CTの大きな特徴となっているのは、信号待ちなどで足を着かなくても自立できるチルトロック機構。ホンダのジャイロ系のような機械式ではなく電動機構を使ってロックするものだが、これの使い勝手も気になるところだ。もうひとつ気になる情報として、欧州ではトレッド幅が広いものを販売し4輪の免許で乗れるようにする、というものがある。ヤマハは将来的にMWC-4(東京モーターショー2017で出展された4輪LMWコンセプト)のような4輪製品の展開も視野に入れているのは間違いなく、その足掛かりとして3CTの市販版が販売される側面もあるようだ。ただ、2020年に登場するであろう日本仕様では、2輪免許で乗れるトレッド幅になるとの情報も。4輪免許版に乗りたければ輸入車として手に入れることになるのだろうか?
ここで気になるのは、昨年の3CTに見られた、右足フットボードに設置されたペダルのようなもの。左右ハンドルにはそれぞれブレーキレバーが備えられていたことから、これがリヤブレーキである可能性は低く(実際に現地で話を聞いたエンジニアは非公式に“リヤブレーキではない”と認めている)、となれば4輪免許で乗れる物になるということに何らかの関係があるものなのか……。これについては東京モーターショーでしっかり取材したいと思っている。
もう1機種は詳細不明ながら、やはり3輪との情報
同じく詳細が明かされていない、もう1機種の世界初公開モデル。こちらは、以前の記事で紹介したブルデリの特許を使ったワイドトレッドになるようだ。こちらもLMWの一種と言えるが、トリシティなナイケン、3CTとは機構が異なるもので、カンナム スパイダーのように4輪の免許で乗ることが前提となる。動力にモーターを用いるのかエンジンを用いるのかは不明で、まだまだベールに包まれているが、ヤマハがLMWに注力していく姿勢はさらに明確に。そして、いずれはLMWを突破口に4輪セグメントへと進出していきたいとの思惑も透けて見える。こちらはまだまだコンセプトモデルの段階ではあるが、未来のヤマハを占うという意味で重要な位置づけになるだろう。
10月10日発表のモデルにも続報が入った!
日本初公開のモデルについては発表済みだが、いくつかのモデルについて発売時期などを絞り込んだ情報も入ってきた。まずMT-07系エンジンを搭載したアドベンチャーツアラーのテネレ700については、2020年夏に国内発売というリリース発表の情報に加え、価格は戦略的なものになりそう、とのこと。排気量の近いスズキ Vストローム650が90万円台であることを考えれば、ここは100万円台を期待したい。
モデルチェンジするYZF-R1/Mの発売時期については、リリース発表の“秋以降”よりも“秋”に絞り込めそう。また、海外でで発表された新型MT-03については、東京モーターショーでは展示されないことが確定。こちらは来春のモーターサイクルショー時期に兄弟車MT-25とともに国内発売される模様で、実車を最初に確認できるのは2019年3月20日開幕の大阪モーターサイクルショーになりそうだ。
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