新型R25の実力を徹底分析!

【YZF-R25 vs ライバル】250ccスポーツ 実測徹底比較 [#01 サーキットで運動性能対決!]

  • 2019/8/6

ついに国内デビューを果たした新生YZF-R25。以前に公開した記事ではインドネシア・セントゥールサーキットでのテストを紹介したが、今回は日本でライバルを一堂に集め、サーキット&ストリートで徹底的に乗り倒した! ヤングマシン得意の実測を交え、総力を挙げて様々な角度からマシンを丸裸にしていくぞ!

新旧YZF-R25/CBR250RR/ニンジャ250×丸山 浩&神永 暁

袖ヶ浦フォレストレースウェイに4台の250ccスポーツを持ち込み、タイムアタックを敢行した。本誌メインテスターの丸チャンはインドネシアに続いての参戦。ウィズミー社長にしてヒジスリ職人、神永暁クンとの鉄壁コンビで挑む!

YAMAHA YZF-R25:クオリティの高い脚で高度なバランスを構築

ストリートの乗り心地は損なわずに、サーキットでも速さを示す。――これが新型YZF-R25
、最大の凄みだ。

新型は従来型のエンジンとフレームを踏襲するが、フロントフォークの倒立化とともに、大型車向けでコストのかかるカートリッジ式を新採用。これが、走り全体の質を向上させている。

まず従来の正立に比べ剛性感があり、攻めた際の安心感が絶大。その一方で、初期からよく動き、サーキットレベルで強くブレーキングした際も、奥でグッと踏ん張る。決して単純に「硬い」わけではなく、「しなやか」。オーリンズのようにハイクオリティなサスを思わせる上質な過渡特性だ。

「スーパースポーツ」の旋回性を獲得した![新YZF-R25]

さらにフロントフォークはブレーキングにも好影響を与えている。ブレーキシステム自体は先代と同じながら、新型はフロントフォークが奥で踏ん張るためタイヤがグリップし、より高い制動力を引き出すことが可能。ブレーキのコントロール性も4車の中で随一だ。

そのため、ブレーキングからフロントに荷重を載せてコーナーに進入し、グイグイ向きを変えるスーパースポーツ的なコーナリングが可能。実際、回頭性もシャープになり、タイムの短縮に一役買う。今までこうした旋回性は、一足先に倒立フォークを採用したCBR250RRの独壇場だったが、ついに新型R25が肩を並べたのだ。

前後サスのバランスも素晴らしい。リヤサスは、フロントに合わせ、イニシャルとバネレートをアップしたが、まるでリンク式のように奥でコシを発揮してくれる。ギャップの収束性や追従性も良好で、旋回中の安定感や脱出速度も抜群。こうした扱いやすいハンドリングこそ新型の真骨頂であり、サーキットで大きな武器になる。

新旧R25の運動性能の差が明確に。新型は、上質なサスによって高い速度域にも対応。思い通りにマシンを操る楽しみは新型の醍醐味だ。[左が旧型/右が新型]

旧型は足まわりがソフトな設定で、公道では乗り心地が非常に良かった。その反面、ピッチングが多く、サーキットでは前後ともスコーンと底付きしてバンク角も浅い。その差はタイムに現れているが、新型はコーナーの進入から脱出まで、先代より確実に速い。

元々、素性のいいエンジンも上質な足まわりによって一段と活きている。低回転域から淀みなく吹け上がり、4000rpmからさらに力感がアップ。トルクの谷を感じさせず、レッドゾーンの1万4000rpmまでキッチリ伸び切る。パワーこそCBR(38ps)やニンジャ(37ps)に及ばない35psながら、この従順さは新型のハンドリングと実にマッチしている。よく曲がり、自由自在に思い通りのラインを描ける。

――扱いやすいゆえに速い。新型R25は、まさに「ハンドリングのヤマハ」を体現しているのだ。同時に、YZF-R1を頂点とするシリーズの血統を従来以上に色濃く継承したとも言える。

それでいて、従来型の持ち味だった公道での扱いやすさはキープしているのが見事(詳細は続編記事#03で公開予定))。一般的に、スポーツ性能を高めるほど日常でのイージーさは薄くなるのに、R25はこの難題を両立してのけたのだ。

とはいえ、このの魅力を多くの人に伝えるのは難しいかな、とも思う。倒立フォークという新フィーチャーこそ得たが、基本構成は変わらず、最高出力やライドバイワイヤなどの“わかりやすい”アピールポイントが少ないからだ。しかし、新型は見えない所にコストをかけ、中身で勝負している。

――その魅力を今回の徹底テストを通じて伝えられれば幸いである。

最強の座は揺るぎないが4車とも意外と僅差だ

結果はご覧の通り、「最強250」と名高いCBRがラップタイム1位を堅持。ニンジャ、新R25、旧R25の順で、概ね0.5秒ずつ差がついた。

1位:HONDA CBR250RR……ラップタイム1分22秒744/最高速度146.86km/h

エンジン、シャーシともサーキット向き。R25のような扱いやすさを備えつつ、もっとパワーがあるため、1位なのは順当だろう。最高速は体感的にもナンバー1。

まず注目したいのは、前回実施したセントゥールサーキットとの違いだ。前回のコースは路面が荒れており、サス設定がソフトな旧R25が大きくタイムを落として苦戦。今回、それほどの差はないことが判明した。また、セントゥールでは個人所有のニンジャが不調で、新R25に次ぐ3番手だったが、ようやく真の実力が判明したと言える。

トルク感、加速感、レスポンスなどエンジンは総じてCBRが別格。思ったほど高回転域の伸び感はないが、全体的にパワーがあり、最もサーキット向けだ。トップスピードも実測値、体感的とも飛び抜けていた。この結果は、ライバルより車両価格が高額なこともあり、順当とも言える。

2位:KAWASAKI ニンジャ250……ラップタイム1分23秒197/最高速度145.70km/h

RRに迫るエンジンパワーが美点。ハンドリングの従順さは乏しいものの、厚いトルクと深いバンク角でエイッとタイムが出せる。バランスよりも豪快さが信条だ。

ニンジャは4000rpm以下でトルクが若干薄いものの、それ以外はRRに迫るパワフルさを見せた。対するR25は、回転が滑らかで伸び切り感が気持ちいいのだが、CBRとニンジャに比べ、明確にパワー差を感じる。

エンジンで水を開けられた新R25だが、その差を縮めたのがハンドリングだ。前述の通り、サスの踏ん張りが効いて、よく曲がり、前後のグリップ感も抜群。最大バンク角も先代より深く、高いコーナリングスピードを発揮できる。結果、エンジンが同じ旧R25を上回り、ニンジャに迫るラップタイム3位となった。袖ヶ浦を250で走る場合、ほぼ全区間でスロットル全開となるため、パワー差がタイムに現れやすい。これを考慮すると、新R25はかなり健闘した印象で、ニンジャとの差はさほど大きくないと感じた。

3位:YAMAHA 新YZF-R25……ラップタイム1分23秒644/最高速度143.16km/h

旋回力が抜群で、さらに伸びそうな気配はあったが3番時計。直線区間が短く、最高速が8km/h伸びるという新形状カウルの威力は発揮できず。

CBRは、サスもフレームも剛性感が最もあり、安心感や限界の高さがピカイチ。しなやかなR25に対し、よりシャープなハンドリングだ。攻める程にシックリして無理が効くので、タイムをどんどん縮めることができる。

コーナリング中の安定感や狙ったラインをトレースする性能も抜きん出ているが、同じく倒立フォークの新R25と比較すると、フロントの挙動はシンプルに硬め。スムーズな作動性やギャップの収束性、路面追従性など、クオリティ感ではR25に軍配が上がる。

ニンジャは、パッと乗ってすぐタイムが出せるのが凄い。旋回力はR25ほどではないものの、CBR並みの深いバンク角とパワーでギュンと曲がってしまう。ダンパーで抑えたサスで踏ん張り、初期から制動力がガツンと立ち上がるブレーキも相まって、タイムをポンと出せるのだ。ただし、タイヤの影響なのか、足まわりが硬く、動きに乏しいため、コーナーではバタバタと暴れやすい。そのため、CBRを超えるタイムを早々に出したが、今ひとつ攻めきれず、2位となった。

4位:YAMAHA 旧YZF-R25……ラップタイム1分24秒081/最高速度143.66km/h

足まわりが公道向けの味付けのため、無理はできないが、コーナーで十分速い。ただバンク角が少なく、タイムは伸びなかった。最高速は新型を上回るが、誤差の範囲。

旧R25も意外と悪くなかった。セントゥールは路面のギャップでアウトにはらむ場面が多かったが、路面が整った袖ヶ浦では問題ない。サスが柔らかいため、ブレーキングや倒し込みを丁寧に行う必要はあるが、グリップ感がしっかりあり、コーナリングは速い。とはいえ、サスが沈み込んでしまうため、バンク角に乏しく、タイムは伸びなかった。エンジンに関しては、やはり新旧とも全く同じ印象だ。

サーキットでは、総合力のCBR、パワーのニンジャに対し、コントロール性に優れる新R25とキャラクターが浮き彫りになった。タイムに関しては、体感的にニンジャよりCBRが1秒以上速いかなと思ったが、実際は4車ともかなりの僅差。新R25とニンジャは、同程度の価格で上手にコストを抑えながら、いきすぎないレベルでサーキットも攻められるマシンに仕上がっている。とりわけビギナーでも安心できるバランスのよさが光るのは新R25だ。

CBRのみラジアルタイヤ、この差は大きい!

CBRのグリップ力と安定感の高さは、ライバルで唯一となるラジアルタイヤ=ダンロップ製GPR300の恩恵も大きい。R25は新旧とも定番のバイアス、IRC製RX-01。ニンジャはダンロップ製GT601で、高いグリップ力の反面、ケース剛性の硬さが目立った。

ヒジ擦り神永の2ndオピニオン:タイムを削る楽しさはやはりRR

サーキットではCBRのいいところが出る。ただし初心者にはオーバースペックかも?

サーキットでは、やはりCBRのよさが光ります。タイムを削っていく感覚が楽しい。コイツは当分、破られない感がありますね。新R25は「倒立を入れただけ」と思う人がいるかも知れませんが、旋回性が別物。想像以上に変化した感動がありました。フロントの安心感は絶大なのにCBRほど硬くもなく、身を任せられます。ただ、リヤはフロントに追いついていない感が少しありますね。ニンジャは、エンジンも足もとにかくダイレクト。ライポジは僕にはしっくりきますが、扱いやすさは今一歩。サーキット初心者にオススメなのは、新旧R25の2台。特に旧型はハンドリングが軽快で、思い通りに動く素直さがあります。CBRは初心者にはオーバースペックかも、ですね。

勝手にムリヒジ・ランキング by神永

[ヒジだってナンバー1]ヒジを擦るには、深いバンク角と、可減速しない状態をいかに保てるかが重要。接地感とグリップ力が高いほど安心なので、倒立+ラジアルタイヤのCBRが最も無理なく(?)ヒジスリできる。セパハンなのもやりやすい。

[旧型よりやりやすく進化]旧型よりバンク角が深く、ハンドルが低くなったので、ヒジスリ度は一段とアップ。タンク形状が大型になって、外ヒジの内側でタンクをホールドできるのもマル。ただし、曲がりすぎてしまうので、ラインは取りにくい。

[条件はそれなりに揃う]擦りにくくもなく、擦りやすくもない印象。車体が大柄なせいか重いイメージがあり、正立+バイアスタイヤのため、CBRほどの安心感はない。一方、幅広のハンドルや大きいタンク、深いバンク角などの条件は揃っている。

[ヒザスリには最適だが……]サスが柔らかくバンク角が浅い旧R25は、実は「ヒザ」スリに最適。でも、深いバンク角が必要なヒジスリはやりにくい。アップハンに加え、タンクが細いので腕で車体をホールドできないのもヒジスリにはマイナス。

●まとめ:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史  取材協力:袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ

[#02に続く]

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ヌマ王

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ヤングマシン編集部出身の敏腕フリーライター。特にバイクの社会&時事ネタに詳しく、20年以上にわたって特ダネを追い続けている。趣味はユーラシア大陸横断。