『バイクで巡るニッポン絶景道』シリーズは、ヤングマシンの姉妹誌であるモトツーリング編集長カン吉(神田英俊)が案内人。第36回は絶景離島ツーリングへといざないたい。桜島やシラス台地で知られる鹿児島県だが、ひとたび沖に出れば南国感抜群の島々が連なる。
TEXT:Hidetoshi KANDA
鹿児島県内でも異世界! 南国感抜群のアクアブルーを望む
絶景離島ツーリングといえば沖縄や八重山諸島! そんな旅がすぐに思い浮かぶに違いないが、モトツーリングとしては一味違った、本州の走り応えある絶景離島をおすすめしてみたい。
そのフィールドは鹿児島県だ。火山で有名な桜島やシラス台地のイメージが先行していると思うが、じつは屋久島・種子島・奄美大島といった南国感抜群の有名な絶景離島も鹿児島県である。中でも種子島は愛車と共に手軽に渡航できてしまううえ、乗船価格もお安め。旅人の間でも隠れた人気スポットとなっている。島の面積も大きく、人口約3万人と比較的発展していることから観光スポットも多い。外周道路だけでなく、内陸部の道路も整備され、縦横無尽に走れることもあって、バイクで自分旅を楽しむにはうってつけのフィールドなのだ。
種子島へは鹿児島港から1日1便が運航されるフェリーで約3時間半の船旅となる。夕方に出航すれば21時40分には種子島へ到着し、翌朝イチより種子島巡りができるのでタイムロスもほとんどない。週末旅にちょっと種子島まで……なんて旅も可能な手軽さである。
種子島定番の周遊ルートはやはり国道58号線と県道75号線。風景の変化に富んでいるうえ、島をざっくりと外周できるおすすめの観光コースでもある。
目につくのは本土とは全く異なるその景観だ。同じ鹿児島県でも種子島はほぼ異世界といっていい。南国特有の木々や、大きな葉を広げる草が繁る様相はまさにジャングル。初訪問のライダーなら路傍の雑草にすら感激を覚えるに違いない。海岸より望む白砂とアクアブルーの海は、本土近海にも関わらず沖縄感……というのも変かもしれないがそうとしか表現できない感じが実際にある。まさに夢に見た離島旅。道路一面が絶景(都市部を除く)なうえ、この風景を愛車で走れるとは……。これぞ至福というものだろう。
種子島は南北に約60km、東西は約10km程度の大きさで、感覚的には淡路島に似たボリューム感かもしれない。フェリーは島の北部に着くので、島内周遊プランを組みやすいのも嬉しいところだろう。ロケット打ち上げや火縄銃伝来で知名度はありながら、旅先としては意外と盲点の種子島。冬のツーリング先にはかなりおすすめと言えるだろう。
鹿児島県熊毛郡南種子町大字茎永字麻津
TEL:0997-26-9244
9:30~17:00
毎週月曜休(月曜日が祝日の場合は火曜休、8月は無休、ロケット打上時は休館)
ロード情報
交通量:島の人口は約3万人。“離島”とは言え産業も発達しており、観光客も多く、場所によっては本土並みの交通量がある。もちろん、秘境的な場所も多いが、観光車両には注意!
路面:国道58号や県道75号に関しては全く心配無用だが、間道に入るとダートや荒れた舗装も多い為、油断は禁物。島の南北は約60km。比較的小排気量のバイクでの渡航がお勧めだ。
~種子島周遊道路~
秘境感★★★
天空感★
潮風感★★★★★
爽快感★★★★
根性感★
開放感★★★★★
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モトツーリングとは ヤングマシンと同じ内外出版社が刊行する、バイクツーリング専門誌。オシャレでキレイな旅よりも、現地に赴いてのガチンコ取材による深堀り記事制作を得意とする。偶数月1日発売。