ADIVAは、ネオレトロスクーターのプジョー・ジャンゴシリーズに「ジャンゴ150 ABS 120thリミテッドエディション」を設定。2019年2月に125ccバージョンを限定100台で発売していたが、今回は150ccモデルの登場だ。発売日は5月24日。
フランスのプジョーとは……?
120周年記念モデルを紹介する前に、その120年の歴史を知っておきたくなる。なにせ、トライアンフやハーレー、ハスクバーナ、ロイヤルエンフィールドと100年を超えるブランドはいくつかあるものの、明確に世界最古を謳いながら現存するのはプジョーだけだからだ。
そもそもプジョーブランドのはじまりは1810年。15世紀から続くプジョー家の末裔、ジャン=ピエール2世とジャン=フレデリックが、製鋼所としてPeugeot Frères Aînés et Jacques Maillard-Salins(プジョー兄弟とジャック・マイヤール・サランの会社)を創立。堅牢さ、しなやかさ、素早さを象徴し、最高品質であることを示す「ライオンマーク」を掲げたプジョーブランドは、ここから始まったのだ。プジョー自身が第1号車として作ったのは3輪自動車で、動力は蒸気機関。これは1890年のパリ万国博覧会で、ジャン=ピエール・プジョーの孫であるアルマン・プジョーの手によるものだった。
1898年:最初のモーターサイクル
プジョー・モトシクルによれば、まず世界で最初のモーターサイクルが発表されたのは1873年のウイーン万博とのこと。これはフランスの発明家「ルイ・ギヨーム・ペロー」の開発によるものだった。そして1898年、同じくフランスのプジョーが初のモーターサイクルを第1回パリ・モーターショーで発表。ド・ディオン・ブートン・エンジンを搭載(後輪部分にマウント)し、斬新な車体構造だった。
1907年:マン島での勝利
現在に至るまで公道レースの最高峰として存続しているマン島ツーリストトロフィー。その第1回大会で、レム・ファウラーの駆るプジョー製Vツインエンジンを搭載したノートンが勝利を収める。
1930年:プジョー製モーターサイクルが黄金時代を迎える
1920年代後半からは、350ccの『P105』、250ccの『P108』などの新製品を発表。1930年には1万8602台という、当時としては記録的な販売台数を達成した。
1934年:3つの世界記録を達成
フランスのボルドールでの耐久レースにおいて、500ccの『P515』が、2000kmおよび3000kmの平均最高速度、24時間走行の平均最高速度という3つの世界記録を達成した。
1953年:初のスクーターが登場
世界的に人気を博したプジョーの小型乗用車『203』を想起させる、丸みを帯びたスタイルのスクーター『S55』が登場。フロントのラゲッジスペースと独立したダブルシートが特徴的で、ヨーロッパ各地で多くの人々に親しまれた。
2014年:伝説のSシリーズの復刻
1950年代に登場した、プジョー初のスクーター『S55』にインスパイアを受けた新しいスクーター「ジャンゴ」の発売を開始。スタイリッシュなネオレトロスクーターの世界を広げた。
2018年:モーターサイクル製造120周年
プジョーが生まれた場所であるパリ・モーターショーにおいて、歴史的モデルから最新EVまで各年代のプジョーによるパレードを実施。120年におよぶ歴史と新たな時代の始まりを感じさせた。そう、実のところ2019年は121周年にあたる年になる。
プジョー ジャンゴ150 ABS 120thリミテッドエディション
今回の限定モデルのベースとなるジャンゴは、1950年代の「プジョー S55」を現代に復刻させたネオレトロスクーター。流麗なボディラインにABS、スマートフォン用電源など最新の装備を組み合わせ、新しい世代のライダーたちに訴求する。広く厚みがあり、座り心地の良い前後セパレートシートは、フランス車ならではの装備。シート下には十分な収納力を備え、タンデムでの小旅行もこなす。エンジンは空冷単気筒エンジンを搭載し、心地よいフィーリングを演出している。
そんな、現存する最古のモーターサイクルブランドの歴史を体現するジャンゴシリーズに、特別なモデルが生まれた。外観だけのレトロモデルではなく、120年を超える歴史に根差した本物。ブランドを象徴するカラーをまとった「ジャンゴ150 ABS 120thリミテッドエディション」がそれだ。
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