好調の国産勢がブームの牽引役に挑む

令和に買いたい!【大型アドベンチャー アフリカツイン、Vストローム、ヴェルシスほか】2019ニューモデル大集合

オンロードとオフロードの双方をカバーし、とにかく「旅力」が高いアドベンチャー。近頃人気のカテゴリーで、舗装路での巡航性能を重視したモデルがメインストリームとなっている。’19年は、このジャンルの立役者であるBMWのR1200GSが1250にチェンジ。アフリカツインやトレーサーら国産車の強力なライバルを突き放すか?

帝王GSがさらなる進化国産勢は派生モデル投入

アドベンチャーには、ツーリングを楽しむための要素が詰まっている。旅心をくすぐるルックスをはじめ、安楽なライポジ、長いストロークのサスによる優秀な乗り心地と路面適応力。防風性や積載性も抜群に高く、重厚長大なツアラーより遙かにスポーティだ。

’19最新潮流
・R1250GSなどの新作を投入するBMWが元気
・Vストロームらにツアラー適性を高めたグレードが登場

多数派なのは、フロント17インチを備えた快速オンロード指向のモデル。19インチ+スポークホイールの車両はオフロード色の濃いキャラクターで、この2タイプを揃える場合もある。

現在人気のカテゴリーだが、ブームを生み出したのがR1200GS(それ以前に1100や1150もあった)で、’04年の登場以来、世界的に大ヒットを続けている。そのライバルとして登場したのが、軽快さと優秀なコスパで人気のアフリカツイン、’15年の発売から同ジャンルの国内販売1位を維持しているトレーサー900だ。

ホンダ CRF1000L アフリカツイン/DCT/アドベンチャースポーツ/アドベンチャースポーツDCT:オフもオンもこなすリアル冒険野郎

往年のパリダカレプリカの車名を継ぐ本格アドベンチャーとして’16年モデルでデビュー。リヤタイヤが路面をトラクションする270度クランクの998ccパラレルツインをはじめ、F21&R18スポークホイール、ライバルより軽量&スリムで適度にしなる鋼管フレームの車体など、オンにもオフにも強いのが持ち味だ。’18年モデルで設定されたアドベンチャースポーツは、ビッグタンクや各種ガード類、専用セッティングの脚などを与えたタフ仕様となる。’19年モデルでは、STDに鮮やかなブルーを追加し、従来の赤、黒と合わせた3色設定に。ロゴは白→黒とし、ブラックはホイール色を金に変更。ETC2.0車載器が全車標準になった。

【HONDA CFR1000L AFRICA TWIN ADVENTURE SPORT Dual Clutch Transmission 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 SOHC4バルブ 998cc 95ps/7500rpm 10.1kg-m/6000rpm 253kg 24L シート高890/870mm ※諸元と写真はアドベンチャースポーツ ●価格:DCT=166万4280円[STD=155万6280円](タイプLDもそれぞれ同価格)
[DCT]ウォーターポンプ内蔵のクランク室などで軽量小型化を実現。’18でユーロ4に対応済み。
[アドベンチャースポーツ]アドベンチャースポーツは、STDから6L増の24L燃料タンクを採用。大型スクリーンや車体色も専用だ。
[アドベンチャースポーツ]こちらのみシートカウル右側に最大積載量500gの小物入れが。リヤキャリヤも専用品だ。
走行モードは4種、トラコンは7段階+オフから選択でき、後輪ABSのキャンセルも可能。DCT仕様は登坂角の判別機能やスライドを許容するGスイッチも有する。
メーターは縦2段配置がラリーマシンの雰囲気。
【HONDA CFR1000L AFRICA TWIN 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 998cc 95ps/7500rpm 10.1kg-m/6000rpm 230kg 18L シート高870/850mm ※諸元と写真はSTD ●価格:STD=138万6720円~[DCT=149万4720円~]
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カワサキ ヴェルシス1000/SE:痛快な直4ADVが全方位的に熟成、新たに電サス仕様も投入

珍しい直4アドベンチャーとして知られる本作。心臓とアルミフレームの車体はZ1000譲りで、高速クルーズを最も得意とする。’19年モデルでは従来の2段階式パワーモード&トラクションコントロールに加え、電制スロットルとIMUを新採用。これによりコーナリングアシスト機能やオートクルーズも獲得した。合わせて外観はNinjaシリーズと共通のシャープなデザインに。フロントブレーキはモノブロックのラジアルブレーキキャリパーとするなど足まわりも強化している。さらにセミアクティブサスやコーナリングライトを備えた上級版のSEを設定。コンセプトの「ANY ROAD ANY TIME」を体現している。

【KAWASAKI VARSYS 1000 SE 2019】主要諸元■水冷4 スト並列4気筒 DOHC4バルブ 1043cc 120ps/9000rpm 10.4kg-m/7500rpm 257kg 21L シート高820mm ●価格:186万8400円
SEは、専用アプリでスマホと接続可能。スマホの画面で電サスなどの各種セッティングを調整したり、走行ログの確認もできる。電話やメールの着信もメーターに表示可能だ。メーターはフルカラーTFTで、「ツーリング」「スポーツ」の表示パターンを選べる。STDは、H2 SXと同様の反転液晶だ。
H2を思わせるチンスポイラーに逆スラントノーズの顔。灯火類はフルLEDとなった。SEは3灯式コーナリングライトと自己修復塗装も採用。
SEの目玉がリアルタイムに減衰力を自動調整するKECS。精緻な制御に加え、3モードも選択できる。双方向対応のクイックシフターも獲得。
[KAWASAKI VERSYS 1000]●日本での発売は未定
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スズキ Vストローム1000/XT/XTアドベンチャー:快適な怪鳥ツアラー、タフネス版も新登場

扱いやすく味わいもある1036ccの90度Vツインをアルミフレームに抱く同社の旗艦アドベンチャーモデル。’18年モデルからIMUを備え、前後連動コーナリングABSを導入した。XTは、STDのキャストホイールに対し、オフに強いワイヤースポークホイールとテーパードバーハンドルを採用。’19年モデル北米仕様では、XTにアルミ製パニアケースやグリップヒーター、センタースタンドを与えたアドベンチャーが登場した(日本での発売は未定)。

【SUZUKI V-STROM 1000 XT Adventure 2019】主要諸元■水冷4ストV型2気筒 1036cc 99ps 10.2kg-m 232[233]kg 20L シート高850mm ※諸元はSTD、[ ]内はXT ●価格:STD=140万4000円/XT=144万7200円/XTアドベンチャーは日本発売未定
視認性のいいメーター。トラクションコントロールは2段階+オフから選べる。下部に電源ソケットも用意。
[V-STROM 1000 ABS]’19年モデルでSTDに赤、XT/ADVに青×白が登場した。
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ヤマハ XT1200ZEスーパーテネレ:常勝パリダカマシンの系譜に連なる万能選手

’80~’90年代のダカールラリーを席巻したテネレの名を継ぐ同社の旗艦アドベンチャー。270度クランクのパラツインをスチールフレーム+倒立フォークの車体に搭載し、多彩なステージを走破する。スイッチ一つで電動調整できる前後サスをはじめ、2種類の走行モード、2段階+オフのトラコン、オートクルーズと電脳も充実。’19年モデルで設定されたライトグレーとダークグレーの2色が国内に入荷されている。

【YAMAHA XT1200ZE SUPER TENERE 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 1199cc 112ps 11.9kg-m 266kg 23L シート高845/870mm ●価格:176万400円
質実剛健な角型2連メーターは、多彩な情報を右側に表示。調整式スクリーンやグリップヒーター、デジモノを装着できるホルダーも採用。
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