ライディングのスクールに、堅苦しいとかツマラなそうというイメージを持つライダーは少なくないかも。でもHMS(Honda Motorcyclist School)は、そうではない! いっぱい走って、爽快にバイクを楽しめるのだ。それを確かめるため、STEC(鈴鹿サーキット交通教育センター)でバイクのスクールだけが開催される日、Bike Only Day(2月24日)に潜入取材を試みた!
TEXT:Toru TAMIYA PHOTO:Satoshi MAYUMI
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ライディングのスクールに、堅苦しいとかツマラなそうというイメージを持つライダーは少なくないかも。でもHMS(Honda Motorcyclist School)は、そうではない! いっぱい走って、爽快[…]
インストラクターのプロは、“しゃべり”も一流だった!
下川原利紗さんが参加したのは、STECのHMS。鈴鹿まで向かったのは、この日にバイクのスクールに特化したイベントが実施されたからだ。
そこでまず驚いたのは、インストラクターの優しさ。初級には、バイクに乗るのが久しぶりという女性も参加していたが、走行開始直後の段階では1名のインストラクターがそのライダーに付き添って、“発進”を教えていた。「通常は各クラスを3名ではなく2名で担当しますが、その状況でも、せっかく参加してくれたのですから、全員にバイクの楽しさを感じてもらえるよう、必要ならマンツーマンで指導することもあります」という。
また中級のスラローム練習では、各参加者の技量をインストラクターが把握し、走行中に拡声器を使って「褒めてくれる」ことがたくさんあることにも驚かされた。もちろん危険な操作に対してはNGと教えてくれるが、各自が「さっきより上手になったこと」をたくさん見つけてくれる。だから参加者は、自然と笑顔になるのだ。
そしてインストラクターは、とにかく説明上手。ひとりのインストラクターがデモ走行する横でもうひとりが解説してくれるから、イメージがつかみやすい。しかも、長年培われ受け継がれてきた経験により、「どう解説したら一般ライダーでも簡単に理解できるのか」をよく知っているから、言葉そのものがとってもわかりやすい。
走行時間が長めな点もHMSの大きな魅力なのだが、それに加えてインストラクターのアドバイスがわかりやすいから、多くの人がHMSに参加し、その後にリピーターとなるのだ。
※下川原利紗さんの体験日記は下記プログラム紹介の後にあります
STECのHMS中級スポーティライドチャレンジのプログラムを見てみよう!
下川原利紗のHMS体験日記「もしかして私、自分で思っていたよりもちゃんと乗れる!? 」
正直なところ、朝イチの段階ではけっこうビクビクしていました。参加させてもらった中級スポーティライドチャレンジは、参加者の数も多めだったし、スラロームではハンドルフルロックくらいのタイトなやつもあると聞いたので……。ちゃんと走れるかということもそうですが、それ以上に、他の参加者に迷惑かけたら悪いなあって思っていたんです。でも走り終えてみたら、そんな心配は必要なかったんだってわかりました!
もちろん最後まで、不安に思うところもあったのですが、それでも最後までコースについていけたのは、カリキュラムが素晴らしかったからだと思います。例えばスラロームも、最初は緩いターンやゆっくりの速度で練習する機会がたくさんあり、そこから少しずつ難易度が上がっていく感じ。他の参加者と比べたら、私は最後までゆっくりだったけど、自分のペースで楽しめる内容になっているから、ちょっとずつでも上手になるし、“置いてけぼり”にならない感じでした。
そして、自分がうまくなっているという実感があっだからだと思うのですが、最初のう ちはカーブとかスラロームを“怖い”と思っていたはずなのに、気づいたら“楽しい”に変化していました。ビックリ!
それからじつは私、これまではUターンにとても苦手意識があって、いつもだいたい、バイクを下りて押すか両足をチョンチョン着いてUターンしていたんです。でも今日のスラロームには、Uターンと同じくらいタイトなセクションもあって、そこを走っているときに、『あ、あれ……ちゃんとできる!?』って、自分で驚いちゃいました。
もちろんそれは、そこまでの間にインストラクターの方々が的確にアドバイスしてくださった成果でもあると思うのですが、自分が思っていたよりは自分がちゃんと走れることもわかって、とてもうれしくなりました。だから、ライディングの技術を学ぶという目的だけでなく、自分のスキルを確認するためHMSに参加してみるというのもありだと思います!
あと、HMSはバイクを走らせている時間がとても長くて、これも最高でした。たくさん乗れるからこそ、スクールの開始直後と途中と最後で自分の走りが違うことを体感しやすいし、満足感がハンパない。これは、リピーターになる気持ちがよくわかります!
スラロームはまだまだ全然ダメで、これが私の課題。得たことを忘れないうちに、私もリピートしたいなあ……。
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