2018年9月5日、スズキが”斬”という文字を隠喩的に表示する「Feel the Edge」というティザー動画シリーズをスタート。その第4回目が9月26日に公開され、ベースがKATANA3.0(カタナ3.0)だということが判明した。3.0と言えばカタナには3型と呼ばれる1984年に登場したモデルが存在していたので、新型登場の前に振り返ってみたい。 ※ヤングマシン2013年10月号臨時増刊「青春名車大図鑑」より
それでもリトラはヒーローだった
1983年に発売されたネイキッドのGSX750E4は従来型よりも軽量化され、また角型パイプフレームやリヤモノショックを採用。エンジンもピストン裏側をオイルで冷却するなど、改良が加えられていた。これをベースに新外装を与えたのがS3型だ。車名はカタナだが新規に社内デザインを採用。ロードスポーツとしては初の格納式ヘッドライトを備え、印象的な金色のフレームにも意気込みが感じられた。認定基準の緩和でハンドルもグッと低くなった。しかし、初代カタナほどの評判を得るには至らず。別の車名ならば違う評価を得られたかもしれないが、ともあれそ の生涯は2年と短いものとなった。
主要諸元■空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 747㏄ 77ps/9000rpm 6.4kg-m/7500rpm 212kg(乾)■タイヤF=100/90-16 R=120/90-17 当時価格:69万9000円(1984年)
【原点】カタナ狩りの初代ナナハン
“750カタナ”は主に国内向けに用意された排気量縮小版と思われがちだが、実はエンジンは別物。ベースはGSX750Eで、登場は1100と同時期。TSCC採用の空冷4バルブも同様だが、開発がやや遅かったため、クランクシャフトは今日のような一体式のプレーンメタル支持を採用していた。つまり、1100のように豪快なトルク感はないが、吹け上がりは俊敏でより洗練されていたのだ。
日本国内向けは認定の関係から流麗なフォルムに不似合いな大アップハンドルが装着され、ユーザーは落胆したが、それでも人気を集めた。当然、ハンドルを1100用に交換する人が続出。これを違法改造車として取り締まる通称「カタナ狩り」 も行われた。当時は暴走族を取り締まる余波で、変形ハンドルへの風当たりが非常に厳しかった時代だ。
主要諸元■空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 747㏄ 69ps/8500rpm 6.2kg-m/7000rpm 222.5g(乾)■タイヤF=3.25-19 R=4.00-18 当時価格:59万8000円(1982年)
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