1月30日最終日のレポート

2018 セパン通信 PART 4

2018年1月24日からスタートしたマレーシア・セパンサーキットのテストを取材している佐藤寿宏さんの「通信」をお届け。国内、海外、レースがある様々な現場から届く「通信」は、日本人選手の動向を中心にレポート。今回は、3日間のまとめで各メーカーの動向を掘り下げた。

ロレンソがサーキットベストを更新

MotoGP™セパンオフィシャルテストが終わりました。最終日は朝からマレーシアらしい厳しい暑さとなりました。

マルク・マルケスが3年前に記録したサーキットベスト(1分58秒867)を上回るタイムを出してくるのかと思われましたが、そのタイムを破ってきたのは、ドゥカティのホルヘ・ロレンソでした。タイムは、1分58秒830と、ただ一人1分58秒台をマークし、文句なしのトップタイム。ロレンソがピットに戻ると、ドゥカティのピットからは拍手が湧いていました。ロレンソは、一貫してブリスターカウルを使っていましたが、チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、ブリスターカウルではないスタンダードなカウルをずっと使っていました。この辺は、昨年も同じような傾向でしたから、個人の好みが大きいのでしょう。今シーズンもドゥカティは速そうですよ。

プラマック(ドゥカティ)に移籍したジャック・ミラーも型落ちのGP17ながら初日から安定した速さを見せているので、こちらも注目したいですね。

マルケスは本気アタックせず

Honda勢は、レプソルのマルケスとペドロサ、LCRのカル・クラッチローが2018年型のテストメニューをこなすのに大忙しという感じでした。ペドロサが2番手、クラッチローが3番手となりましたが、マルケスは、本気アタックをせず8番手と、今はマシンセットに集中していました。3人ともブリスターカウルを試していましたが、ペドロサがテスト2日目に比較的長く乗っていましたが、マルケスもクラッチローもほんの数周しただけでした。Hondaにしては、かつてないほど大胆なカウルだけに、まだまだ課題がありそうですね。今シーズンもカウルは、シーズン中に1回アップデートできますが、あれだけ大きければハンドリングへの影響も大きいですよね。

スズキも近々ブリスターカウルを投入!?

スズキは、昨年の“ヒゲカウル”で走っていましたが、次回のタイテスト、遅くともカタールテストでニューカウルを出してくるそうです。すでに許可も取れており、やはりブリスターカウルが登場しそうです。アレックス・リンスが着実に3日間のテストをこなし、最終日には6番手に入るタイムをマーク。「すごくポジティブなテストになった」と語っており、MotoGP™2年目のブレイクの可能性はアリアリです。一方、アンドレア・イアンノーネは、苦戦気味もじっくり仕上げて行くと言っていました。

「3日間、コンディションもよく、ドライでの走行も多かったのでいいテストになりました。アレックスの調子がよくレースラップもいいペースでしたし、一発タイムでも自己ベストを更新していますから順調ですね。アンドレアは、初日苦戦しましたが、2日目でリカバリーできています。去年の反省を生かして、焦らずに仕様を決めている真っ最中です」と河内健テクニカルマネージャー。

タカはロングランを敢行

そして日本期待の“タカ”こと中上貴晶は、予定通り最終日にロングランを敢行。20周の予定が、途中でマシンに問題が出てしまったため16周となりましたが、いいペースで走れたと満足のテストになったようです。

「2日目の転倒は余計でしたが、3日間、いいテストになりました。一発タイムでは、僅かに1分59秒台に入れられなかったのは悔しいですが、ロングランでは、2分00秒台後半から2分01秒台前半で走ることができました。まだまだMotoGP™に慣れている状態ですし、体力的な課題も見つかったので、開幕までにしっかり鍛える部分を鍛えて、余裕を持ってレースを戦えるようにしておきたいですね」とタカ。チームメイトのカルとのデータ比較では、僅かにアクセルを開けるタイミングもアクセル開度も低い状態だと言っていました。まだ車体やタイヤのフィーリングやマッピングなどMotoGP™マシンを学んでいる真っ最中。3日目は14番手、3日間総合では15番手。ここから、どこまで上がっていけるか期待したいところです。

ザルコもニューカウルをテスト

ヤマハ勢も2日目は1-2でしたが、終わってみればマーベリック・ビニャーレスが7番手、バレンティーノ・ロッシが9番手。こちらも多くのテスト項目をこなしている印象でしたが、2日目から投入したブリスターカウルは、ロッシもビニャーレスも気に入ったそうで、3日目もずっと装着して走っていました。3日目には、ヨハン・ザルコもニューカウルをテストしていました。テストチームの中須賀克行も多くのメニューをこなしながらも日に日にタイムを縮め、最終日には、2分01秒385まで自己ベストを更新してテストを終えていました。

2018年はドゥカティが速そう

2018年初テストとなるセパンテストを終えた印象では、ドゥカティは、間違いなく速いですね。これに対しHonda、ヤマハは、多くのテスト項目をこなし、ニューエンジンの仕様を絞っている状態。次回のタイテストでは、決めておきたいところでしょう。

スズキは、昨年、表彰台に上がることができなかったため、今年はシーズン中のエンジン開発ができ9機までエンジンが使えます。アプリリア、KTMも同じ条件ですが、それぞれレベルを上げてきているだけに、コースによっては上位に絡んでくる可能性もあるでしょう。

全体的にレベルが上がってきているMotoGP™。2018年は、どんなシーズンになるか!? 3月18日(日)の開幕戦カタールが待ち遠しいですね。

●文/撮影:佐藤寿宏(ことぶき)
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いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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