マシン・オブ・ザ・イヤー2018
1月24~25日のレポート

2018 セパン通信 PART 1

2018年1月24日からスタートしたマレーシア・セパンサーキットのテストを取材している佐藤寿宏さんの「通信」をお届け。国内、海外、レースがある様々な現場から届く「通信」は、日本人選手の動向を中心にレポート。今回は、ホンダチームアジア監督、HRCテストライダーの青山博一監督や全日本に参戦するHRCワークスの髙橋巧選手、宇川徹監督などが登場!

セパンゼロとは?

マレーシア・セパンサーキットに来ています。1月28日(日)から始まるMotoGP™オフィシャルテストに先駆けて、各メーカーがテストライダーを走らせニューマシンのテスト走行を行うプライベートテスト(通称セパンゼロ)が1月24日(水)から3日間行われました。かつては開幕前にセパンで2回テストが行われていた時期があり、1回目がセパン1、2回目がセパン2という表記となっていたこともあり、その事前テスト的なメーカー合同のプライベートテストということで“セパンゼロ”と呼ばれています。ここ数年は、MotoGP™はもちろん、日本メーカーは、スーパーバイクマシンのテストも行っています。

2、3年前から早めにセパン入りして“セパンゼロ”から取材をしているのですが、今年は、コースサイドでの撮影は一切禁止という厳しいお達し。各メーカーの許可があればピットレーンでの撮影、取材はいいとのことでしたが、基本メディアを入れないプライベートテストだから、とのことなので、おとなしく(?)しておりました。

ブリスターカウルに青山も好印象

Hondaは、青山博一とステファン・ブラドルがRC213Vをテスト。青山が3パターンのニューカウルを試しました。既報でご覧になったと思いますが、昨年シーズン半ばにドゥカティが登場させた大きく貼り出した“ブリスターカウル”を昨年最終戦バレンシア後のテストで採用したヤマハに続いてHondaも登場させました。3パターンというのは、大きく張り出した“ブリスターカウル”が2種類、それを取り外したものを1種類と数えたもの。もともとウイング否定派だった青山が、好印象だったようで、ドゥカティから続く流れはMotoGP™マシンのスタンダードになりそうです。現状では、大きなインテークのみですが、ここにディフューザーを入れてダウンフォースの調整をしていくことになるでしょう。ニューエンジンもテストし、ウエットコンディションでも走り込んでいた青山は、ドライで2分01秒2までタイムを縮めテストを終えていました。「ケーシーとほぼ同じタイムで走る監督はいないでしょう(笑)。新しいマシンをマルクとダニが気に入ってくれるといいんですけど」と明日から始まるオフィシャルテストの行方を気にしていました。可能ならオフィシャルテスト初日だけでも残ってマルクとダニの話しを聞きたかったという青山は、この後、バルセロナに飛び、シーズン開幕に向けてチームの準備を進めなければならないと語っていました。

全日本ワークスに宇川徹監督誕生?!

その隣では、全日本ロードレース選手権に10年振りに復活する新生Team HRCが2018年仕様のHonda CBR1000RR SP2を高橋巧がテスト。高橋が走行を終えピットに戻るとHRCと朝霞研究所のスタッフが取り囲みマシンセットを進めていました。新チームでタイトル防衛に挑む高橋。開発スピードも上がることになりそうですが、その舵取りも高橋の手腕にかかってきます。

その高橋の傍らで走りを見守っていたのが元MotoGP™ライダーの宇川徹。まだ正式発表はされていませんが、新生Team HRCの全日本監督を務めることになることが確実と見られています。全日本、鈴鹿8耐を中心にアジア全体のレースサポートをしていくことになりそうです。

昨年に続きモリワキもテストに参加。高橋裕紀は、シーズンオフに入ってすぐに肩の手術を行ったため欠席だったが、モリワキ2年目のシーズンを迎える清成龍一が精力的に周回を重ね、有意義なテストになったと語る。「1月からテスト走行ができることを感謝したいですね。周りも速いですけれど、確実に昨年よりは自分自身もマシン的にも速く走ることができると思います。そこで結果を出すことができればいいですね」と清成。

ヨシムラには渡辺一樹が加入?!

スズキのピットでは、ヨシムラの津田拓也と開発ライダー契約の生形秀之がSUZUKI GSX-R1000Rを走らせていました。津田は、昨年11月のテストで転倒し、このシーズンオフは、思うようにトレーニングができなかったと言っていましたが、3日間で200周を走り込みました。昨年は、MotoGP™マシンのテストしかできず、ニューマシンながらテスト不足のままシーズイン。最終戦までタイトルを争うものの、不完全燃焼なシーズンとなっていました。それに比べれば2018年シーズンは、順調なスタートと言えるでしょう。そのヨシムラのピットには、ヨシムラのシャツを着た渡辺一樹がテストの様子を見守っていました。宇川監督同様、正式発表は、まだですが、渡辺のヨシムラ入りは発表を待つばかりのようです。

日本期待の“タカ”こと中上貴晶も現地入りしています。いよいよ明日(1月28日)からMotoGP™オフィシャルテストが始まりますよ~。

●文/撮影:佐藤寿宏(ことぶき)

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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